41.再びの学園生活
「久しぶり!」
突然現れた私に、モニカとフランシスカを始めとした教室のみんなは呆然としていた。
「あ、見慣れないよね。ターニャ=トラパルトとして学校に通っていました。クリスティーナです!今日から卒業までみなさんと共に学びますのでよろしくお願いします!」
モニカとフランシスカだけではなく、みんなに聞こえるように大きな声で宣言した。王族は頭を下げてはいけないみたいなので、一瞬だけ深くお辞儀をする。
「え〜そうなの?!やったぁ!」
「モニカよろしくね!」
「本当なの?」
「うん、本当だよフランシスカ。」
「お姫様なんだから、もっといいクラスに行くべきじゃないの?ここでいいの?」
「バカだから、普通に無理。」
「そうだよねぇ。嬉しいなぁ。」
バカであることが自然と流されてしまったが、嬉しそうにしてくれる2人の前では些細な問題だよね。
「聖女は聖女のままなの?」
「うん、聖女だし、神殿でも暮らすけど、学校に通わせてもらえるようになるの。私だけじゃなくって、他の希望する聖女たちも!」
学校を謹慎になったお兄様が何をしていたかというと、聖女の行動の制限の緩和について神殿と交渉してくれていたらしい。主に学校に通う自由と、ベールの着用非強制化。
何故私たち聖女が学校に通えない理由は、忙しくなるから祈りの時間が減るということ、男性と接さず学校に通うことが困難であるということだ。
しかし、男性と接しても問題がないことは、私が聖力を失ってないことからも明らかになったし、そもそも早く結婚して聖女が減ることを防ぐためだけのものなので、それらを公にして無くす方向に持っていくらしい。
そして、祈りの時間が減ることの対策は、今は一時的な対策しかしていない。
今後の計画としては、聖女の数を増やしていくこと。学校に通うことを可能にすることによって聖女の成り手が増えてくれれば、自ずと一人一人の祈りは少なくて済む。貴族にとって、学園を卒業することはステイタスで、結婚相手には学園を卒業していることを条件にすることもあるので、学園に通えないことは聖女になるうえで高いハードルだったが、それが解決したら成り手は増えるだろう。また、聖女なら無料で学園に行けるようにすれば、貧しい人は絶対聖女になる。
とはいえこれは長期的な話で、現実問題今はどうしているかというと。
アリシア=シードランが頑張っているのである。




