40.プロポーズ
「じゃあ、パージバルさんは最初から私の姿が正しく見えていたということですよね。」
「そうですね。綺麗なプラチナの髪にラピスラズリの瞳の可愛らしい少女に見えていました。」
ターニャは髪、目共に茶色だ。間違い無いだろう。少女っていうタイプでも無いし。
じゃあ、私の悩みってなんだんだったんだろ。
パージバルさんのタイプじゃないなんて勝手に思い込んで、落ち込んで。まぁ一個大人になれた気がするから良しとするか。
………いや、お兄様、私が悩んでたの知ってたよね?なんで教えてくれなかったの?むしろその事実を突きつけたのお兄様じゃなかった?
お兄様を睨みつけると「いや、こっち見ずに、前見て」というふうに首で促された。なんだ?と思ってそちらを見るとパージバルさんが私の目の前で片膝を地面につけて、しゃがみんだ。
「王女殿下、一目見た時から、その愛らしさに目が離せませんでした。そして頼りない僕を励まし、明るく笑う王女殿下に何度も何度も恋に落ちました。その上、人生に希望を見出せなかった僕を救ってくださっていたなんて。真面目クソ眼鏡なんて言われる僕ですが、必ず貴方を幸せにしてみせます。不真面目になって構いません。どうか、僕の手を取ってくれませんか。」
「…プロポーズってやつですか?」
「…言葉にされると恥ずかしいのですが、その通りです。」
こちらも言葉にしておどけないとどうにかなりそうなのです。
私は差し出された手を取った。
「喜んで。」
その瞬間、手を引っ張られて前に踏み出したところを、抱きしめられた。
「もう、離しませんからね。」
耳元で聞こえる声がなんだか色っぽくて、私は気を遠くしかけたけど…
「お前ら、俺の存在覚えてる?ここ俺の書斎なんだけど。」
お兄様は本当邪魔ばかりするやつである。
「言っときますけど、俺はまだ結婚を許してませんからね!双方の両親の許可を取って、神殿にも申請して俺がセオドアにクリスティーナを任せられるなって判断してからだから!」
「うるさい義兄がついてくるのが玉に瑕ですね。」
「ねぇ、俺への尊敬度合い下がってない?そもそもお前らが出会えたのも俺のおかげなんですが?」
「その点については感謝してます。」
「ありがとうお兄様。とりあえず私のことはもういいから自分の幸せを追求して欲しい。だってお兄様に結婚してもらわないと妹は結婚し辛いから。」
「うぅぅぅ今俺クリスティーナのためにすごく頑張ってるのに、諦めちゃいそう。」
「え?何を頑張ってるの?」
「クリスティーナが学校に通えるようにって色々動いてるのに、辞めちゃおっかな。いいよね、だって結婚するんだし。」
「ホント!?」
それは死ぬ気で頑張ってもらわないと!




