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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
幕間
97/120





何処とも知らぬ世界。



満点の星空。



その星空とは配置も、色も、全て違う星空を見せる建物の中で。



一つの星が現れ、一つの星が消えた。



禍々しい星が、青白い星に向かう軌道で動いていたのを、部屋の主は思い出していた。



そうして、青白い星のとなりに新しく現れた星をゆっくり眺め。



「ほう...ほう...ほう!」



さも面白そうに何度も頷いては、手元にある本を捲った。



「ううむ...『死人使い』が消えて...新参者が残り──あれはいったいなんだ?」



時に顔を付けるほど本を持ち上げて覗き込んでは、首を伸ばして星の海を仰ぎ見る。


新参者のすぐ隣。新しく生まれた暗緑の星は、ただ静かに輝いていた。


「何と、名付けるべきか......」


部屋の主は楽しそうに呟きながら、傍らに置かれた極彩色の羽で作られたペンを取り出し。



「吹けば消えるような星だが、生き長らえた七色の新参者にも『名前』を与えねばなるまい。はっはっは...面倒な事だ」



目の前のまっさらな頁を前に目を閉じ。

言葉とは裏腹に涼しげな笑みを湛えて、思考を巡らせる。



「...そういえば」



ふと思い出したように目を開いて、視線をずらす。



「近づいて居たな...確か、『君主』と──」



其処に一つの小さくとも強い光を放つ赤い星が、二つになった星へ近づいていた。



「...くっく、この数巡で新しい超越者が何人も生まれたが。はてさて、どうなるか...な」



そして、その小さな光を追うように、部屋の主が見据えたその先。



──三つの輝きを足してもなお、届かぬ程の輝きを秘めた星が。



ゆっくり、ゆっくりと、確実に近づいていた。



「やはり、消される定めか...それとも......」



最後の呟きは誰とも知らず。ただ闇に消える程に小さく、掠れていた。


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