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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第四章 超越者
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第23話 苦戦

【連休明けの労働】


効果:無能は死ぬ


更新遅れてごめんなさい(;_´ω`)_


次の瞬間、キリルの影より漆黒の炎が円を描くように舞い上がり、首領達に襲いかかる。


「うおおおおおお!!!」


否。


大剣を盾のように掲げて走る首領だけを狙い。黒炎が滝のように真上から降り注いで包み込んだ。


瞬く間に姿が見えなくなり、悲鳴をあげるハイオーク達。


くそっ!フォローし切れなかった!!


一瞬遅れて盾を持った骸骨の頭上を掠め、ライフル銃を持った兵士達に魔術結晶が着弾する。


地球では見覚えのない形状。制服。

いかなる世界のいかなる文明であるかは定かでは無い。


(ゴオッ!!)


爆炎。


紅玉のように綺麗な宝石が、着弾と同時に壊れて吹き荒れる炎の嵐を巻き起こした。


その場に現れたキリルの手駒達が、銃の性能を見せる事無く炎に焼かれてのたうち回る。



「不意打ちとはいえ翼竜を倒す程の手駒だ。交換条件としては悪くない」



人の形をした者が炎に焼かれて蠢く様は、自分で巻き起こした事ながらあまりにも悲惨だ。


だが、銃を持った相手だからこそ。障害物のない平野部では、現れたと同時に排除せねば瞬く間にこちらの不利となる。


キリルは自分の手駒が焼かれたにも関わらず。

人ののたうちまわる様子を見て、うっとりと眺め、


「【再生(rebirth)】」唱えた。


生きた松明と化した彼の手駒が、突如ボロボロに崩れ落ちる。


炭のように黒い泥となって一つになって溶けて混ざり合って...一つの黒い卵となり。



「きゃああおおっっっっ!!!!」



その黒い卵を破り、奇声を発して一匹の魔物が飛び出した。


手足の長い醜悪な姿と異臭。

全身を覆う鱗としなやかで剣呑な尾。

強固で鋭い...毒液の滴る鉤爪。


「この手駒は私のお気に入りでね。君も気に入って貰えると良いのだが──」


息つく間もなく。進行方向に居た骸骨を数体巻き込み破壊しながら奇声をあげ、襲いかかって来た。


すれ違うように振り下ろした鉤爪を余裕を持って躱す。


毒液の落ちた地面が、じゅうじゅう音を立てて悪臭を放ち...抉れた。


あからさまにヤバい敵が現れ。慌てふためきながら、此方に向かおうとしているハイオーク達に指示を出す。



──大丈夫だ!飛び道具でキリルを狙い続けてくれ。接近戦はしなくていい。


「「「!ふごっふ!!」」」


支持を受けて落ち着きを取り戻した彼等が、飛び道具を持ってキリルに立ち向かう。


「ひゅああああ!!!」


一方で魔物の攻撃を避けながら考える。


しかしこれを相手に、接近戦で武器を交えるべきではないだろう。

体内体外を問わず、毒液が降り掛かっただけでダメージは免れない。


(ドギュッ!バスッ!)


瞬時に矢を放って、魔物の頭と胴体を撃ち抜く。

呼び出されたばかりの魔物が、衝撃で吹っ飛び地面に落ちた。


俊敏さは目を見張るものがあるが、それだけだ。


制動の甘さから、攻撃しながら動くたびにたたらを踏んで僅かにバランスを崩す。


その瞬間を狙った。


駆け引きも戦術も必要ない。だが...


「無駄だ」


一瞬動きを止めたものの、ダメージは無いのか。

魔物は何事も無かったかのように飛び起きて、再び動き出した。


頭と身体を貫く矢を物ともせず。

地面を駆ける度に、衝撃と毒液で地面が荒れていく。


音速域に近い速度で襲いかかる鉤爪を、毒液ごと余裕を持って躱して横に動く。

釣られてこの醜悪な魔物も横に動いてついて来る。



一方でハイオークが、飛び道具が届く距離で敵の総大将目掛けて投射し始めた。



「面倒な事をする...おい、アレの相手をしろ」



キリルが飛び道具を鎌で防ぎながら、骸骨の後ろへ後退していく。


既に最初に作られた壁から離れて戦場は動いている。


盾をこちらに構えていた骸骨が、一斉に動き出してハイオークに向かっていった。



「さて、私の銃を壊す()()の記述だけしか持っていない訳ではあるまい?君の手の内を見せて貰おう」



そうして手が空いた途端に、余裕綽々の笑顔で向き直る。


慢心か、それとも確信か。

自分の力量と経験が、敵を上回っている事を理解しているのだろう。


記述も道具も使う事なく。

大鎌を肩に余裕を持って戦場を見渡している。

向こうではハイオーク達が、飛び道具から普通の武器に持ち替え戦っていた。


...この野郎。


一発でも喰らいたくない攻撃をかわし続けながら考える。


この魔物が魔術結晶で死ねば良いが、炎で倒す場合にはあの毒が高熱に晒された場合。

環境と人体にどう影響を及ぼすかわからない。


光および風の魔術結晶を使うにはまだ早く。


今ある手持ちの攻撃手段では、キリル相手に直接打撃を与える事は難しい。


...エアは確かコイツを雷で始末したと言っていたが。


魔術結晶を手札として見せてしまった以上、対策を取られるのは間違いないだろう。


先程から俺の懐と手の動きに注視している。


使える手段は二つ。


ルンナさんに手渡された魔導具か、あるいは【鍛冶場(forge)】に属するもの以外の記述。



...此処で、このカードを切るしかないのか。



覚悟を決めたその時。



「ぬうう!」



いまだ燻るように燃え続けていた黒炎の中より、鎧を身に纏った巨体が飛び出した。




此処まで読んで頂きありがとうございナス!(´ω`)v

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