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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第三章 村かと思えば街だった
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第25話 新しい家とお金の価値

(´ω`||ベッドに横になったら朝でした





「しばらくの間あたしからのポーションの材料採取の募集はしないよ。孫娘(ルンナ)の専属狩人がやるからね」


ルンナさんの専属ということをこれ見よがしに強調するアルナさん。

言われた彼女は耳まで真っ赤になって顔を手で覆って隠している。


「ふうむ、若いもんはみな新しく発見されたダンジョンに夢中じゃで...仕方ないか」


瓢箪の栓を外してグビリと一飲み。


門番のソレとは違う品の良い香りがする。

安酒と高級酒の違いだろうか?


ただ...酒の事は全く知らないし、二匹が嫌がるので今後も飲む機会はないだろう。


「そういえば錬金術師協会って何処にあるんですか?」

「ああ、それはね──」


錬金術師協会はギルドの本部からわずかに離れた場所にあった。

建物の中では協会職員が忙しく働いているらしい。

顔を出すと余計な重圧を掛けるという事で、後日俺とルンナさんだけで改めて伺う事となった。


「会長の仕事なんざ外部への顔出し程度のものさね」


アルナさんは何処かめんどくさそうに吐き捨てた。

組織のトップは極端にブラックになるか超絶暇かの二択と聞いたが、アルナさんは後者のようだ。


登録と換金が済んだので、受付嬢二人にギルド長と別れて広場を出る。

俺達以外に人が殆ど居ないのは皆連れ立って新たに発見したダンジョンに向かったからだそうな。


「行き着くところまで捜し廻って目新しくなくなりゃこっちに戻って来るじゃろ」


少し寂しそうなギルド長にまた来ますと挨拶して立ち去った。


今向かっているのは、俺の新しい住処となる家だ。


アルナさんの元で指導を受けながら働いて、今は独立してこの街を出た弟子達に与えていた借家だそうな。

今は誰も住んで居らず...名義はアルナさんのもので、すぐ隣に二人の住む家があるのだとか。

アルナさん家のメイドさんが時折管理の為に掃除するとの事。


メイドさん...やっぱ居るんだなあ。


「文字と勉強と魔法は明日からだね。家に着いたら其処で解散だが...そのあとはこの金で着替えと生活に必要なものを買い揃えてきな」


そう言って俺に金貨を二枚手渡しする。


「え?でもギルドで──」

「でももくそもあるかい。今日からアンタも『家族』だからね」

「ぅ...い、頂きます」


言葉に詰まってしまった。



家族か...



金の価値がどれほどのものかはわからないが、この世界での価値は──


金>銀>銅


──なのは確かに間違いなく。


それぞれの通貨も日常で使いやすいように別の金属を混ぜて作るのだそうな。


基本的に

銅貨十枚が

大銅貨二枚と

銀貨一枚に価値が一緒で。

銀貨十枚が

大銀貨二枚と

金貨一枚に価値が等しくなって。


金の上は白金で価値は一気に跳ね上がる。

金貨100枚が白金貨一枚の価値だ。


ひと月に人が稼ぐ平均点な賃金が金貨約三〜四枚。


銅の下が黄銅貨になっていてこれも10枚で価値が上の通貨と等しくなる。


さらにごく稀に記念通貨として白銅貨が出回るらしい。


価値は大銅貨に等しいらしいが蒐集家が高額で買い取って集めるというが果たしてどんなものなのか...。



街の大通りから突き当たりの役所を真ん中にとらえて左へ曲がった。


大通りから若干外れて歩いていくと、次第に喧噪とは程遠い静かな場所にやって来る。


人通りが少なくなるとラヴィネがたまに俺から離れ、尻尾を振りながら二人の周りを行ったり来たりするようになっていた。


「ほっほっほ...元気だねえ」


二人とも優しくラヴィネに接してくれるし、ルンナさんは俺以外に出会った二番目の人間だ。

出会いが少々特殊だったが、狼的に思うところがあったのだろう。

ルンナさんの表情も明るく、今ではすっかり仲良しになってる。


ステラの事といいラヴィネには世話になりっぱなしだ。


親の尊厳などすでに無いかな...


先を行くラヴィネが振り返って目が合うと、笑うように目を細めて耳を倒し...回すように尻尾を振るって突進してくる。


うん。


せめて明日から魔石の心配が無いように朝一で狩りと確保に走ろう。

俺は胸に飛び込んで来たラヴィネを抱きあげながら固く決心した。


「やっぱり育ての親が一番なんだねえ」

「う、羨ましい、です」


そ、そう?



うへへ...「ぴゃぁ」


自分も忘れるなと言わんがばかりにステラも頭をぶつけ始める。

抱き上げたラヴィネに頰を舐められ、肩に乗ったステラに頭をぶつけられながら歩く。


立ち並ぶ煉瓦造りの建物に、等間隔で植えられ整え街路樹が新鮮ながらも何処か懐かしさを感じさせる。


立ち並ぶ家は道行く程にどんどん立派に、豪華になっていく。



街路樹が途切れ、水路の上の橋を渡ってすぐのところでアルナさんが立ち止まった。


「ついたよ」


(´ω`)此処まで読んで頂きありがとうございナス!

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