第15話 一緒に暮らす?
「よろこぶのはまだ早い」
え?まだなにかあるの?
浮かれてた俺は手渡された二枚の書類の内片方をアルナさんに横から掻っ攫われた。
「もう用は済んだね?ほら二人共帰るよ」
「は、はい」
証書を畳んで懐に入れて、アルナさんが立ち上がった。
俺の肩を掴んで。
「え?俺も?」「わふっ?」「ぴゃあ」
膝から降ろされたラヴィネが床に着地し、慌ててステラを持ち上げて肩に乗せたら、尻尾を俺の首へ巻き付ける。
そして何よりも一番大きな反応したのが、
「どど、どどどどういうことですか!?」
珍獣だった。
「どうもこうもねえよ...身元の保証には当然住む場所や仕事内容の提示も含まれる。元々この街で定期的且つ平和的に仕事してたり取引してたら保証書だけで済んだが、タリオンはそうじゃない」
それまで保証はあくまで仮だと言って、アインさんはゆっくり立ち上がった。
「仮保証の人間がたった一日其処らで居なくなったら問題だろう?だったら今後罪を犯さず為さず、ばあさんのところで暮らして真面目に働いたらいい。何の問題もなく過ごして三か月もすりゃあ、仮保証から仮が外れる」
そこまで言って伸びすると首をゴキゴキ鳴らして肩を回す。
どうやら話は本当にこれで終わりらしい。
しかし、今日からアルナさんとルンナさんの住んでる場所で暮らすのか。
...そう言えばルンナさんの御両親ないしアルナさんの御家族は一緒に暮らしてるんだろうか?
「やだあああああ!!!そんなのやらあああ!!ルンナちゃんの家にこんな害虫置いとけません絶対にルンナちゃん狙いますよ!!」
おい
「いいですかルンナちゃんはわたしのお嫁さんですよ!いいですかお嫁さんです!!大事なことなので二回言いました世間が認めないんじゃなくて世界が認めてるこれは真理ですはるかぜに舞う花びらのような可憐でかわいくてケーキのように甘くていい匂いのルンナちゃんが害虫を寄せ集めちゃうのはもはやしかたないことですが私は諦めません勝つまではたとえ便所の隅に隠れていようとも絶対に探し出してこの匂いをとめてやりますそれは坂道を転がり落ちるボールのようにエヴァフリークの空を急転直下した熊を囲う人参畑の土竜が挨拶をナイフがわりにバスケットを焼く人類の終りを告げるハンカチそy──」
「おら墜ちろ!」
「ぎゅべぇええ!」アインさんの裸絞めで汚い声をあげる珍獣ココ。
...おちたな(確認)
しかしルンナさんへの過剰な保護欲と思いきや単なる変態だったとかこれもうわかんねえな。
「ああ、熊は後で俺らでギルドに届けておくよ。そのまま持ち歩いてちゃ騒ぎになるからね」
落ちた変態をソファに寝かせて、アインさんが思い出したように手を打った。
「すみません、とんだご迷惑を」
「いいのいいの!ルンナ嬢にもしものことがあったら、俺と犬っ娘の首が飛んでたからねえ」
ヘラヘラと笑うアインさんをアルナさんが睨みつける。
「まったくだよ、むしろ物理的に飛ばないだけでも感謝するんだね」
怖っ!
「いくよ...」
そして何事も無かったように、あ...ちょっとこめかみ抑えてる──アルナさんがドアを開けてそのまま出て行く。
「はは、はい!それではアイン隊長、ココちゃんも今日はあ、ありがとうごっ、ございました...」
「ありがとうございました、それでは失礼します」
「わん!」「ぴゃぁ」
最後に俺とルンナさんが一礼し、二匹が鳴いた。
「ほいほい、またねえ」
アインさんはにこやかに手を振った。
こうして俺達三人と二匹は詰所を後にした。
(´ω`||風邪が治らないまま夜勤突入
此処まで読んで頂きありがとうございナス!




