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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第三章 村かと思えば街だった
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第8話 門の前で

20000pv到達しました!(´ω`)vありがとうございます!

これからも宜しくお願いします!


秋の枯れ色に染まりつつある林道を歩く。

右を見れば収穫を控えた穀物畑に、野菜の畑が見える。

鍋と籠を持った少女を先頭に、熊を担いだ俺がラヴィネと共に付いていく。

街を知らないと言った俺に対する配慮だ。


「あ、あぁの...」

「ん?」

「お、重たく...無いんですか?」

「ああ、大丈夫ですよ。故郷では熊を仕留めたらこうやっていつも運んでるので」


俺は彼女の目の前で片手で熊を上へぽんぽんと軽く上げて見せた。


「そ、そうですか...あ、此処でわっ、分かれ道です」


見れば左のほうに道が分かれて、その境に看板が地面に刺さっている。


残念だけど俺は文字が殆ど読めない。せいぜい自分の名前と爺ちゃんの名前を書くくらいだ。


聞けば大通りと思われる今進んでいる道が街に続く道で。左の道はしばらく歩くと天然洞を利用した人口のトンネルがあって、抜けた先に海と港があるとか。


「街の下水も...この道を通って、う、海に排出してるんです」

「なんと」「わふっ」


下水と上水の概念があるのか、水洗トイレは有難いな。


あれ?でも村は普通に汲み取り式だったし爺ちゃんと暮らした小屋も汲み取り。


あ、農作物に利用してたからか。

...でもこういう世界だし、地域格差もあれば技術格差もあるだろうな。


「下水は古代からずっとある処理施設を利用して、綺麗にして流しています」

「そんな施設があるんだ?」

「はい...ただ、現在でもその理論を研究してるのですが誰にも理解出来ず。せいぜいスライムを利用しただけの不完全なものしか作れません」


成る程。スライムにし尿や汚水を処理させているのか。


「もちろん、それで十分な事もありますが...古代施設の処理能力には遠く及ばず。問題になるところもあるそうです」


山や森だと動物の骨や死骸に糞を消化してたり、虫やネズミに食べられたりとしてたがそういう事か。

今度拠点に戻ったらこっそり確保してトイレに放り込もう。俺個人で出来る堆肥とか撒いても汚染にしかなるまい。


しかし、スライムだけでも良いと思ったがそれでは駄目なんだな。

好気性微生物と嫌気性微生物の働きをブロワを通して利用するのが地球式だけど、これはこの世界で通用するだろうか?


いや...


次亜塩素酸ナトリウムもどうやって精製するかもわからないし薮蛇になるだけだな。

土建屋だったが各々製造メーカーが用意した資材と機材を使って箱や施設を組み上げるプラモ屋のようなもんだしなあ...時として組んで来た箱をそのまま組み込むし。


うん...技術や知識を売って金を稼ぐとか無理みたいだ。


この世界はこの世界の技術があり歴史がある。

耐震技術や大工仕事は出来ても個人じゃたかが知れてるし。

金稼ぎは地味にこうやって獲物や採集物を売るだけになりそうだ。


「私はまだ、こうやってポーションを作らせてもらう事しか出来てませんが。いつか、おばあちゃんみたいに人の役に立つ事を研究したいんです」

「そっか...」


普段微妙に吃ってるけど、こういう物作りや研究に関する事だったら普通に話せるのか。

おまけに良い笑顔だ。


しかし、十三〜四歳くらいだと思うがもう働いてるんだなあ。


...労働基準法とは一体。

と、俺が異世界の労働事情に地味にショックを受けてるところ。


「あ、着きました」


林道が終わって農歩道のようなあぜ道が姿を表した。


枯葉で埋まった道は終わり、真っ正面に伸びる道が途中から合流する道と合わさって、それが大通りとなって門に続いている。

石で出来た砦を思わせる堅牢な壁が、街をすっぽり覆い隠していた。

しかしよくよく見れば所々古かったり新しかったりと補修の跡があちこちにあって歴史を感じさせる。


その大門には他所からやって来たであろう馬車や人が一列になって並び。

受け付けのように城壁に組み込まれた施設の中で、この街の兵士が通過の手続きをしているのが見えた。


...落ち着け。

首輪は見えていない筈だ。


俺は人知れず首に手をやるとステラの尻尾が俺の指に触れる。

ステラが喉を鳴らして俺の頬を舐めれば。ラヴィネが鼻を鳴らして擦り寄り、心配そうにこちらを見上げている。


この子達に気を使わせている自分が恥ずかしい。


大丈夫。どんなことがあっても、お前達だけは守ってみせる。


「?...どうか、し、しましたか?」

「いえ、大丈夫です行きましょう。あの門から入れば良いんですよね?」

「は、はい」


決意を新たに、一歩を踏み出したその矢先。


「おーーーい!ルンナちゃあああん!!」


女の子が前方から大声で叫んでこっちに向かって走って来た。


「ココちゃん...!」


ヘルメットを被り、鎖帷子にサーコートを着込んだこの街の兵士だろうか。

ヘルメットから覗く栗色のふわふわの髪が犬の長い耳のようで...というか本当に耳だなあれ。


背中に円形の盾を背負い、腰には刃渡りにして50〜60cmほどの...言わばショートソードと呼ばれる剣を吊るしている。


色と造りからして上等で、俺の持ってるブロードソードより明らかに質が良さそうだ。

おまけになんか鈍い輝きを放っているし。


...え?なんで分かるかって?


「うぉおおおおルンナちゃんに群がる害虫はああああああぁぁあ!」


その剣を抜きはなって、俺に向かって斬りかかって来たからだよ!


「ちねえええええええええええい!!」



ちょおおおい!?!!


(´ω`)此処まで読んで頂きありがとうございます!

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