第6話 錬金術師の玉子
このお話は主人公から視点を変えてお送りします(´ω`)
「ま、待っ...」
私と同い年だろうと思われる男の子は、止める間もなく。薬草の入った籠を持って行ってしまった。
その首に、尻尾を巻き付けた猫ちゃんを肩に乗せて。
でもあの猫ちゃん凄く手がでかくて...それに模様まで付いてて、ちょっとおかしい。
「わふっ...!」
白い狼の子供...あの人がラヴィネと言ってた子が。お鍋の中を覗き込んで、みぞれのような氷を生み出した。
「わっ...」
人の滅多に来ない雪山に存在すると言われてる白雪狼。
自然の猛威たる吹雪や雪崩を巻き起こすと言われ、図鑑の挿絵でしか見たことのない本物の存在に、思わず感嘆のため息が漏れる。
「すごい...」
「わん!」
ラヴィネちゃんが私の方を振り向いて、吠えた。
あ、そっか...スカートを洗わなくちゃ。
あの人は私に気を使って、薬草を理由に遠ざかってくれたのだろう。
粗相をしてしまった事で濡れてしまった下着のとスカートが、今は冷たくてとても気持ち悪い。
私はベルトを外してスカートの留め具を外す。
うぅ...
ショートローブのお陰で、な、なんとか隠れているよね?
物凄く恥ずかしくて...でも、此処にはラヴィネちゃんしか居なくて。少しだけホッとする。
座って出してしまったことが幸いだった。
靴は無事で、被害は私のパンツとスカートだけで済んだ。
この際洗ってしまうのだから、スカートの端で濡れた足とデリケートな部分を拭う。
...うん
帰ったら、お風呂に入ろう。
水で満たされたお鍋に、渡された泡立実のうちの一つを端を石とナイフの柄で潰す。
粘り気のある汁を全部鍋に入った事を確認してからパンツとスカートを入れる。
ざぶざぶと動かすたびに泡立つお鍋の水。
はぁ...どうしてこうなんだろう。
近くに生えてた薬草はもう殆ど摂っちゃったから、少し遠くに来ただけなのに。
...でも。
あの人が居なかったら私、きっと死んじゃってた。
黒髪に黒い瞳の不思議な男の子。
礼儀正しくって、気遣いが出来て。
同じ年頃の男の子とは思えないくらい、優しくって。
...それに、物凄く...強い。
熊を殴って一撃でやっつけちゃう人を、私は知らない。
たったの一撃を振るうその姿が、物凄くかっこよくって。
...
でも、私は...きっと汚い女の子だって、思われてるだろうな。
...
...ううん、いいんだ。
私はひとりぼっちでも、いい。
でも...いつかきっと、おばあちゃんみたいな立派な一人前の、えらい錬金術師として生きていくんだ。
でも。
...でも、もしかしたら。
こんな私でも、お、お友だちになって...くれる、かな?
一方その頃(´ω`)
タリオン「お、薬草の上位互換見っけ」
ステラ「ぴゃあ...」




