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子育て?超越者(ヒュペリオン)  作者: 樽腹
第ニ章 子育て
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第14話 ひとりぼっち


「...どうしてだ?」


自分の声が、何処か遠くから震えて聞こえたような気がした。


楽しそうに食事をしながらもじゃれ合う子供達が、あんなにも楽しそうで。


今だって、尻尾を揺らしながら嬉しそうに動いてるじゃないか。


「それは最初から、あやつの瞳が無いからだ」


最初から無い。知ってる。


ずっと前からあの瞳があったのなら、あの子は俺の目の前で親に捨てられたりはしなかった筈だ。



なら...。


「この世界に延々といる事は、出来るのか?」

「...おそらく、それは」


首領オークは目を瞑って首を横に振った。


俺達の見ている先では、食事を終えた子供達が暫く活発に動いてた。


皆何処からともなく一箇所に集まって、こっくりこっくり船を漕いだり。


目をしょぼしょぼさせたりしながら次第に微睡み始め。


親狼達がそれぞれやって来ては、自分の面影を映した子供を優しく咥えて運んでいく。



...何故かそれが、今のこの幸せな時間の終わりを告げるようで。


不意に視界がぼやけて、元に戻る。



運ばれる子供達と、二匹の白狼に囲まれ舐められるラヴィネ。




「......ぴゃあ」



それらをたった一匹、離れた場所で黒いリンクスの子供はじっと眺めていた。


乳白色の毛を持つ親の面影など無きに等しい漆黒の毛並み。


親とは細部で違う掠れた金色の斑紋。


尻尾の造形と特性に至っては明らかに違う。


それでも。



それでも、瞳が...目さえあれば。


この子は今も親と一緒に暮らすことが出来ただろうか?


捨てられる事なく、親の愛情を受けて。


兄妹仲良く暮らしてゆくことが出来たのだろうか。


わからない。今となってはもう...


リンクスの子は何かを探すように視線を巡らせ。


「!ぴゃあああぁあああぁぉ!」



そして、俺を見つけて一目散に駆け出した。


また視界がぼやけていく。



首領オークの顔が霞む。




あの子の瞳が無くなる。




元に戻る。





刻限はすぐそこまでやって来ている。





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