第10話 野宿をしよう
トイレも無事済ませ、焚き火を前に木を背負って胡座をかいた。
ラヴィネとリンクスの子のフンからは、虫は一切出てこなかった。
一安心。
しかしこの世界で獲物を散々解体したが、魔石を持った存在からは寄生虫が一切出てこなかった。
しかし...
兎、鹿、猪に先の大ネズミに関しては、内臓に限りそれっぽいものを発見した。
過去の記憶では熊に関してもそうだった。
うーん...皮膚や筋肉にはいかないのだろうか?
あと魔石持ちは何かしらの力が、寄生虫の定着を防ぐようだ。
でもこの世界の寄生虫は、基本消化器系に留まっていて...それはそれで生で食べるのが凄く怖い。
この地方のみの特徴とも考えられるし、魔石持ってても駄目とかいうのもあり得る。
なので内臓は毎回火に焚べて灰になるまで燃やしてるし、血を一旦煮沸するのはその為だ。
でもいつか知識と設備が整ったら、この子達用にブラッドソーセージにも挑戦したい。
食後はおしっこを漏らしたラヴィネと、ついでにリンクスの子をムクロジ擬きと灰を溶かした水で極力薄めて使って洗う。
水は湖の水だ。
生臭くない綺麗な水だった。
記憶の中でタリオン自身が、故郷の川や沼で爺ちゃんと泳いでた事があったのを思い出し。
解体の事もあって、今更充血線虫が居るとも思えなくなった。
未だに前世の知識は俺の行動に無駄な労力を発生させているらしい。
うーん...間違ってるのかなあ。
ともかく洗いあがって二匹ともドリルさせたあと、乾いたマントで拭いた。
二匹とも洗いあがるまで大人しくじっとしてくれるので助かった。
使ったマントは洗って枝で作った物干しに掛け、焚き火で乾かしてる。
マントが布地で毎回助かってるが、いい加減タオル使いたい...。
二匹は今、俺の胡座の中で無防備な寝顔を晒してスヤスヤと眠っている。
この世界で一番可愛い寝顔を見ることが出来るのは親である事の特権だ。
頰が自然と緩むのをとめられない。
...おかげでオークの魔石も残り十数個を切っている。
ええ、ラヴィネもリンクスの子もあれからたくさん食べました。
明日村でこの世界の物価を聞くのがすごく怖くなって来たぞ...。
二匹を膝の上に乗せてる俺の横では。
太ももくらいの太さを持った蛇が。
木の一番太い枝に二つ折りで身体を霜つかせ、だらりとぶら下がっている。
こいつは二匹を洗ってる最中。湖面から姿を見せずに、ずるずると近くまで忍び寄っておそいかかろうとした所を。
逆に掴んで首を潰してひねり壊した。
幻獣と比べてあまりにも拙い、姿と気配の消し方。10メートル先からでも、近寄って来る事は分かりきってた。
ともあれ殺しに来た以上は、子供達を守る為に殺さねばならない。
今は肉は必要なく、持ち運びもできない為に解体はしない。
血清の取り方とか毒の有無が分からんのでこうして死体を保存して売る他ない。
魔石は多分持ってるだろう。
はあ...
村に入る前に、余計な荷物が増えたなあ...。
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