3話 舞踏会への誘い
明けましておめでとうございますm(_ _)m
暫くは週一更新を目指して、頑張りたいと思います……と言いつつ、携帯ゲームに絶賛ハマり中だったり……スランプ真っ只中だったり……
瑠璃の家を訪れて数日──
白雪の元に、1通の招待状が届けられていた。
「行かなきゃいけないのは分かってますけど……何だか気がすすみませんねぇ」
白雪は机の上に置かれた招待状を指で摘まむと、ピラピラと前後に振りながら言った。
その招待状が届けられてから、白雪は瑠璃の家を訪ねてからずっとよかった機嫌がだだ下がり中であった。
「仕方ないです、白雪。氷の王族として、その存在が公になった以上、誰も彼もが白雪と縁持ちたいのですから」
鈴も白雪の気持ちが理解出来るのか、少々苦笑い気味で白雪をたしなめた。
「でも、この舞踏会って今回は光の国主催じゃないですか。あんな目が悪い嫌みーな人が王族の国の舞踏会に行くなんて……まぁ、双季君はいい人だと思いますけど……」
白雪が招待されたのは、年に1度の1度規模の大きい舞踏会だ。
各国合同で行われており、毎年主催する国が変わるので、交流を深めるだけでなく国の威信を示す為の場所にもなっている。
そして招待制である為、平民の参加はほぼ不可能で巷では年若い少女達の憧れの舞台でもあった。
「社交界嫌いは相変わらず直りませんね……思えば、貴方は氷の国が閉鎖的なのを良いことに、小さい頃から舞踏会やお茶会の招待も逃げてばかりでした……」
今度も逃げなければいいですけど、と言うように、鈴は溜め息をついた。
「うぅ……流石に、今度のは逃げませんよ……直系の王族はもう私しか居ないのですから、王族としての責務を果たします」
過去の所業を一応覚えている白雪は、しどろもどろしながら首を横に振った。
「けど、白雪の行きたくないって気持ちも分かるけどね。行けば、縁談の申し込みが殺到するだろうし」
「翔っ! 折角、白雪がその気になっているのに、余計な事を言わないでくださいっ!!」
翔の何気ない言葉を姉である鈴は叱ったが、言っている事は事実だ。
氷の精霊の加護を持つ者なんて、例え低位だとしてもどの国も喉から手が出る程欲しい存在だ。
それが高位の精霊の加護を持つ王族の姫となれば、なおさらだろう。
故に、それを聞いた白雪は更に機嫌を下降させた。
「う、ぅぅー、やっぱり行きたくない……」
行きたくないが、行かなければならない。
白雪は儘ならない状況に、足をジタバタとさせる事しか出来なかった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「さぁ、私が迎えに来たのだから、行きますよ白雪っ!」
舞踏会当日、行きたくなくてだらだらとしている白雪を、瑠璃が馬車に乗って迎えに来ていた。
瑠璃にも王族という事と、前回のお詫びも兼ねて招待状が光の国から届けられていたのだ。
「瑠璃ちゃん……何でそんなに行く気満々なんですか……?」
「何でって……今までは一輝様と嫌でも長時間共に過ごさなければならなかったので苦痛でしたが、無事婚約破棄となった今は心から舞踏会を楽しめそうですから! それに、私は無実とはいえ、婚約破棄を大衆の面前で言い渡された女。舞踏会に参加する殿方には避けられるしょうから、白雪と違って気楽なものです!!」
瑠璃は白雪の質問に、生き生きと答えた。
実に、いい笑顔だ。
あの断罪イベントの後、瑠璃の父親は有言実行で一輝との婚約を破棄した。
光の国の王は子供の過ちだと婚約を続行させたかったようだが、結局は水の国に有利な形で破棄する事になったのだ。
それでも多くの視線に晒されるであろう今回の舞踏会への参加は、白雪の為であった。
そういった場に不馴れな白雪をサポートする為に、瑠璃は好奇の視線を厭わずに参加を決めたのだ。
「むぅ、瑠璃ちゃん、ズルいです!」
「ふふ、まぁ安心してください。白雪に悪い虫が近付くなら、私が追い払って上げます! 一応、これでも昔は悪役令嬢として恐れられた女、生半可な殿方にはお引き取り頂きます!!」
頬を膨らませてブー垂れる白雪に、瑠璃は胸を張ってそう言った。
穏やかな性格の瑠璃だが、容姿は少しきつめの美人。
そんな美人に睨まれる、普通の男はそれだけで怯む。
それに加え瑠璃の厳しいチェックを越える男など、数える程しかいないだろう。
「おぉっ! 瑠璃ちゃん、カッコいいです!! 一生、瑠璃ちゃんに着いて行きます!!」
瑠璃の言葉に、白雪は眼を輝かせた。
舞踏会で落ちていた気分も少し上がって、瑠璃と参加する舞踏会が少し楽しみになった。




