2話 初めての自宅訪問
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「ふん♪ ふんふん♪ ふーん♪♪」
「えらくご機嫌ですね、白雪」
「だって、今日は瑠璃ちゃん家に行く日ですよ! お友達の家に遊びに行くなんて、初めてですっ!!」
今日は待ちに待った、瑠璃の家へと遊びに行く日。
白雪は朝からの興奮を抑えきれずに、ハイテンションであった。
先程も鼻歌まで歌って、周囲が呆れる程だ。
「あぁ、お洋服はこれでいいでしょうか? やっぱり、色はもっと地味な物の方が印象がいいかも、鈴はどう思います??」
気分が落ち着かないのか、何度も鏡を見ては鈴や翔に問い掛ける。
今日は水色のシフォンのワンピースを来ているが、この服も選ぶまでに昨日数時間悩みに悩んで選んだものだ。
「そのワンピースよりも……そのウィッグと眼鏡は取らないんですか?」
鈴は服よりも、そちらを気にした方がいいのではと思った。
白雪の正体が露見した以上、もうこれ以上本来の姿を隠す必要もない。
そして何より、もっさいのだ。
どんな服を選んでも、その髪型や顔を覆い隠す眼鏡では色々台無しであろう。
「う、何だか今更素顔で会うのは……ちょっと恥ずかしいんですよね」
え? 誰? 、みたいな反応をされたら立ち直れない自信があります。
「まぁ……確かにギャップあり過ぎて、驚くかも」
翔も瑠璃の立場を想像したのか、苦笑いで頷いた。
「や、やっぱりっ!? うぅ、やっぱりこのままで行きます……」
「いや、でもこれ以上秘密にするのもアレなんじゃない? 何で黙ってたのってなっても、俺達知らないよ?」
「なっ、翔、私を見捨てるんですか!?」
決心がついてからでもいいか、という白雪の甘えた考えを、翔バッサリと切り捨てた。
突き放すような翔の態度に、白雪は頬を膨らませる。
「嫌なら、今日は素顔で参加すればいいんですよ。私も後で泣き付いてきても、知りませんからね」
「鈴までっ!?」
しかし、そんな白雪に鈴まで追い討ちをかけた。
白雪は涙目だ。
2人とも白雪をからかって面白がっているのか、口角が少し上がってしまっている。
「ぅう、今日は、ウィッグと眼鏡は……置いていきます……」
瑠璃ちゃんに、怒られるのはいやなのです。
「賢明な判断です」
鈴はニコリと微笑で、化粧や髪を整える準備を始めた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
学園から離れた所にある、水の国。
今回は王族のお招きという事で特別な経路で向かった為、2時間もかからずに水の国へと到着した。
「わーぁっ、氷の国とは全然違いますねっ! 海の中みたいです、とっても綺麗です!!」
氷の国はあまり他国との交流が活発ではなかった為、他国の城を見るのは今日が初めてだ。
白雪は、初めて見る他国の城に興味津々だった。
氷の国の城は水晶のようにキラキラとした幻想的な城だとしたら、水の国の城はヒトデや貝殻をモチーフにした海の神秘を模したものであった。
「いらっしゃい、白雪。それに鈴さんと翔君も」
そんな白雪達を、瑠璃は苦笑いを浮かべて迎えた。
瑠璃ちゃん、あの後すぐにお家に帰ってしまったから心配してましたけど……元気そうで良かったです。
「はい! 今日はお世話になります!!」
「ふふ、白雪は相変わらずね……今日は本当の姿で来てくれたのね……想像より、とっても綺麗ね。お人形さんみたい……今度、またお洋服でも一緒に見に行きましょ」
そう言って微笑む瑠璃は、前の明るさを取り戻したように見えた。
ずっと、周囲やあの王子との婚約に悩まされていたのだ。
一気に解放されて、一時ピリついていた雰囲気が心穏やかなものへと変わっていた。
「はい、その時は巷で人気らしい双子コーデなるものに挑戦しましょう!!」
「えぇ、必ず」
2人は微笑み、頷き合う。
一難去って、更に仲を深めた白雪と瑠璃。
けれど、2人はまだ嵐が過ぎ去った訳でないことを、近いうちに思い知らされる事になる。
次は、乙ゲー転生の方を。




