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精霊と亡国の姫君  作者: 皐月乃 彩月
4章 偽りの姫君
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2話 初めての自宅訪問

只今、毎日何かしら更新中です。

 

「ふん♪ ふんふん♪ ふーん♪♪」


「えらくご機嫌ですね、白雪」


「だって、今日は瑠璃ちゃん家に行く日ですよ! お友達の家に遊びに行くなんて、初めてですっ!!」


今日は待ちに待った、瑠璃の家へと遊びに行く日。

白雪は朝からの興奮を抑えきれずに、ハイテンションであった。

先程も鼻歌まで歌って、周囲が呆れる程だ。


「あぁ、お洋服はこれでいいでしょうか? やっぱり、色はもっと地味な物の方が印象がいいかも、鈴はどう思います??」


気分が落ち着かないのか、何度も鏡を見ては鈴や翔に問い掛ける。

今日は水色のシフォンのワンピースを来ているが、この服も選ぶまでに昨日数時間悩みに悩んで選んだものだ。


「そのワンピースよりも……そのウィッグと眼鏡は取らないんですか?」


鈴は服よりも、そちらを気にした方がいいのではと思った。

白雪の正体が露見した以上、もうこれ以上本来の姿を隠す必要もない。

そして何より、もっさいのだ。

どんな服を選んでも、その髪型や顔を覆い隠す眼鏡では色々台無しであろう。


「う、何だか今更素顔で会うのは……ちょっと恥ずかしいんですよね」


え? 誰? 、みたいな反応をされたら立ち直れない自信があります。


「まぁ……確かにギャップあり過ぎて、驚くかも」


翔も瑠璃の立場を想像したのか、苦笑いで頷いた。


「や、やっぱりっ!? うぅ、やっぱりこのままで行きます……」  

「いや、でもこれ以上秘密にするのもアレなんじゃない? 何で黙ってたのってなっても、俺達知らないよ?」


「なっ、翔、私を見捨てるんですか!?」


決心がついてからでもいいか、という白雪の甘えた考えを、翔バッサリと切り捨てた。

突き放すような翔の態度に、白雪は頬を膨らませる。


「嫌なら、今日は素顔で参加すればいいんですよ。私も後で泣き付いてきても、知りませんからね」


「鈴までっ!?」


しかし、そんな白雪に鈴まで追い討ちをかけた。

白雪は涙目だ。

2人とも白雪をからかって面白がっているのか、口角が少し上がってしまっている。


「ぅう、今日は、ウィッグと眼鏡は……置いていきます……」


瑠璃ちゃんに、怒られるのはいやなのです。


「賢明な判断です」


鈴はニコリと微笑で、化粧や髪を整える準備を始めた。












◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆









学園から離れた所にある、水の国。

今回は王族のお招きという事で特別な経路で向かった為、2時間もかからずに水の国へと到着した。


「わーぁっ、氷の国とは全然違いますねっ! 海の中みたいです、とっても綺麗です!!」


氷の国はあまり他国との交流が活発ではなかった為、他国の城を見るのは今日が初めてだ。

白雪は、初めて見る他国の城に興味津々だった。

氷の国の城は水晶のようにキラキラとした幻想的な城だとしたら、水の国の城はヒトデや貝殻をモチーフにした海の神秘を模したものであった。


「いらっしゃい、白雪。それに鈴さんと翔君も」


そんな白雪達を、瑠璃は苦笑いを浮かべて迎えた。


瑠璃ちゃん、あの後すぐにお家に帰ってしまったから心配してましたけど……元気そうで良かったです。


「はい! 今日はお世話になります!!」


「ふふ、白雪は相変わらずね……今日は本当の姿で来てくれたのね……想像より、とっても綺麗ね。お人形さんみたい……今度、またお洋服でも一緒に見に行きましょ」


そう言って微笑む瑠璃は、前の明るさを取り戻したように見えた。

ずっと、周囲やあの王子との婚約に悩まされていたのだ。

一気に解放されて、一時ピリついていた雰囲気が心穏やかなものへと変わっていた。


「はい、その時は巷で人気らしい双子コーデなるものに挑戦しましょう!!」


「えぇ、必ず」


2人は微笑み、頷き合う。


一難去って、更に仲を深めた白雪と瑠璃。

けれど、2人はまだ嵐が過ぎ去った訳でないことを、近いうちに思い知らされる事になる。




次は、乙ゲー転生の方を。

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