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精霊と亡国の姫君  作者: 皐月乃 彩月
3章 断罪は強制シナリオ
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9話 約束

毎日何かしら更新も、そろそろ厳しくなってきました。

…勉強しなきゃいけないので。

在庫が切れたら11月後半まで、またとびとびになるかもです。

  

「親交……」


「水の国は、利益を独占するつもりなのか?」


「氷の国の利権狙いとは……」


水の国の王の言葉に、ざわざわと様子を伺っていた貴族達が動揺をみせる。


「……私、一個人としてなら貴方は瑠璃ちゃんのお父様なのですから、良き関係を築けたらと思います……ですが、王としての立場からなら、今この場で軽率に答える訳にはいきません」


水の国の王は本気で話している。

故に、白雪も何時もののほほんとした空気を一変させて、凛とした表情で答えた。

白雪は氷の国の民を背負っている以上、感情に任せて決めてしまう事は出来ない。


「……そうか。いや、気にしなくてもいい。それでこそ、王位にある者としての言葉だ」


水の国の王も白雪の回答は予想がついていたのか、大して気に求めずに手を差し出した。


「ありがとうございます。検討は必ずさせて頂きます」


白雪もその手を取り、ぎゅっと握り返す。


「ありがとう」


簡単に決めていいことではないが、白雪はきっと自分がこの手を取るだろう事を予感した。

それは紛れもなく、氷の国の王としての勘が告げていた。


この人は信用出来る人のように思えます……流石は、瑠璃ちゃんのお父様です!


「……水の王よ、そろそろ場所を変えませんか? ここは些か悪目立ちが過ぎます」


先程まで白雪を微笑ましそうに見詰めていた双季だが、周囲に視線をやった後水の国の王に提案した。


「そうだね。周りも煩いし、パーティーも先程の輩のせいで台無しになったのだしもう出ようか。白雪殿、後日是非家へと遊びに来てくれ。まだ、ろくにお礼も出来ていないしね」


水の国の王も双季の言葉に頷くと、従者に視線をやって帰りの支度を始めた。


「お礼、なんて……私は感謝されるような事はしていません」


瑠璃はああ言ったが、白雪が瑠璃を見て見ぬ振りをした事は本当の事なのだ。

責められこそすれ、感謝される事には違和感を感じてしまう。


「では、ただの友人として来てくれないかな? 実は瑠璃は友人を家に招いた事がなくてね……私や妻も、普段の学園での瑠璃の様子を聞きたいのだ」


親としては失格だね、と少し寂しそうな顔で水の国の王は言った。

娘に国の為に、不自由を強いたことを心苦しく思っているようだ。


「そう言う事であれば、喜んで! 一杯お話し出来る事があると思います!」


白雪は胸を張ってそう答えた。

出会ったのはこの学園からであったが、濃い時間を共に過ごしてきたという自負がある。

三日三晩話し続けたところで、話のネタは尽きないだろう。


「そうかい、それは楽しみだな」


そんな自信満々の白雪を見た水の国の王は、今度は憂いなく微笑んだ。


「はい!」


瑠璃ちゃんは、美人で優しい私の自慢の大親友なのです!


白雪が元気よく返事をする横で、瑠璃は頬を赤く染めてうつ向いていた。


「(何でそう恥じらいもなく貴方はっ! 聞かされる私が恥ずかしいじゃないですかっ!)」


と、心の中で抗議を上げるも、勿論白雪に届く筈がなく───

白雪は何を話そうかと、1人胸を踊らせていた。



次から新章です。

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