9話 約束
毎日何かしら更新も、そろそろ厳しくなってきました。
…勉強しなきゃいけないので。
在庫が切れたら11月後半まで、またとびとびになるかもです。
「親交……」
「水の国は、利益を独占するつもりなのか?」
「氷の国の利権狙いとは……」
水の国の王の言葉に、ざわざわと様子を伺っていた貴族達が動揺をみせる。
「……私、一個人としてなら貴方は瑠璃ちゃんのお父様なのですから、良き関係を築けたらと思います……ですが、王としての立場からなら、今この場で軽率に答える訳にはいきません」
水の国の王は本気で話している。
故に、白雪も何時もののほほんとした空気を一変させて、凛とした表情で答えた。
白雪は氷の国の民を背負っている以上、感情に任せて決めてしまう事は出来ない。
「……そうか。いや、気にしなくてもいい。それでこそ、王位にある者としての言葉だ」
水の国の王も白雪の回答は予想がついていたのか、大して気に求めずに手を差し出した。
「ありがとうございます。検討は必ずさせて頂きます」
白雪もその手を取り、ぎゅっと握り返す。
「ありがとう」
簡単に決めていいことではないが、白雪はきっと自分がこの手を取るだろう事を予感した。
それは紛れもなく、氷の国の王としての勘が告げていた。
この人は信用出来る人のように思えます……流石は、瑠璃ちゃんのお父様です!
「……水の王よ、そろそろ場所を変えませんか? ここは些か悪目立ちが過ぎます」
先程まで白雪を微笑ましそうに見詰めていた双季だが、周囲に視線をやった後水の国の王に提案した。
「そうだね。周りも煩いし、パーティーも先程の輩のせいで台無しになったのだしもう出ようか。白雪殿、後日是非家へと遊びに来てくれ。まだ、ろくにお礼も出来ていないしね」
水の国の王も双季の言葉に頷くと、従者に視線をやって帰りの支度を始めた。
「お礼、なんて……私は感謝されるような事はしていません」
瑠璃はああ言ったが、白雪が瑠璃を見て見ぬ振りをした事は本当の事なのだ。
責められこそすれ、感謝される事には違和感を感じてしまう。
「では、ただの友人として来てくれないかな? 実は瑠璃は友人を家に招いた事がなくてね……私や妻も、普段の学園での瑠璃の様子を聞きたいのだ」
親としては失格だね、と少し寂しそうな顔で水の国の王は言った。
娘に国の為に、不自由を強いたことを心苦しく思っているようだ。
「そう言う事であれば、喜んで! 一杯お話し出来る事があると思います!」
白雪は胸を張ってそう答えた。
出会ったのはこの学園からであったが、濃い時間を共に過ごしてきたという自負がある。
三日三晩話し続けたところで、話のネタは尽きないだろう。
「そうかい、それは楽しみだな」
そんな自信満々の白雪を見た水の国の王は、今度は憂いなく微笑んだ。
「はい!」
瑠璃ちゃんは、美人で優しい私の自慢の大親友なのです!
白雪が元気よく返事をする横で、瑠璃は頬を赤く染めてうつ向いていた。
「(何でそう恥じらいもなく貴方はっ! 聞かされる私が恥ずかしいじゃないですかっ!)」
と、心の中で抗議を上げるも、勿論白雪に届く筈がなく───
白雪は何を話そうかと、1人胸を踊らせていた。
次から新章です。




