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迷宮の輪舞(ロンド)  作者: いかすみ
迷宮制作編
2/27

02 初期設定

初期設定



そこには何も無い白い世界だ。


足元は雲でも踏んでいるような印象だった。


ふわふわしてたよりない。


視界は悪くない。


けれども、どこまでも果ての無い世界だ。


「ここは、どこだ・・・」


思わず呟いた。




「こんにちは」


今まで、だれもいなかったはずの背後から声が聞こえた。


あわてて、そちらに顔を向ける。


先程、見た彼女にそっくりの人が立っていた。


「はあ、・・・」


あまりの事態に挨拶も出来ずあきれるばかりだ。


「ごめんなさいね。突然招待して」


「どういうことです」


「私は、あなたが助けようとした女性の背後霊なの」


「はいぃぃ!」


「驚くのは無理ないと思うけど、あのままではあなたが怪我するから」


「それで、・・・」


「私が管理している世界で少し修行してこない」


「えっ?」


「危機的状況でも助かるための精神修養よ。一応これでも神様ですから」


「・・・・・・」


「疑っているわね。まあ、いいわ。遊びと思って楽しんできて」


そう言って、肩をポン通された。


軽く見えたけど、結構強い力だ。


思わず、たたらを踏みそうになり足を一歩後退させた。


その踏み応えは無いままに暗転する。


隆之は再び全く知らない世界に放り出された。





真っ暗な中に隆之の存在だけが判る。


下を見ても周りを見ても真っ暗だ。


目の前に浮かぶスクロールが浮かんでいた。


手で取ろうとしても手その物がない。


仕方なく内容だけ読む。




『ダンジョンマスターへの道』


目標、100階。


または、1億G。


練習期間、三階まで。


練習中は一度だけやり直せる。


後は、実践あるのみ。




『ダンジョンマスターへの道』と書かれて目標が書かれている。


「なんだ、これは! マニュアルではないのか!」


思わず、文句も言いたくなる不親切さだ。


いきなり、放り込まれて何をどのようにすればよいのか?


だいたい、どうやって迷路を作るんだ?


「迷路あれ!」とでも言えばいいのか!


そんな風に思った。


その時、目の前に通路が浮かんだ。


入り口から、俯瞰したような位置関係だった。


三次元迷路の『入り口』というよりもっと高い。


空港の管制室から立体的な滑走路を見ている印象の方が強い。


それと、四段に分かれて表示された数字だ。


01

100P

20P

10000G


これって、迷路?


どこまでも真っ直ぐな通路だ。


そして、壁のように行き止まりとなっていた。


迷路というならもっとクネクネと曲がっているものじゃないのか?


そう考えた途端、真っ直ぐな道は水平方向にくねくねと曲がっていく。


まるで、蛇のようにうねる。


でも、どう考えても一本道だ。


これでは『迷路』とはいえない。


でも、なんとなく動かし方の要領は掴んで行く。




最初は混乱していたので、蛇のように動いた通路。


少し落ち着けば、安定する。


『突き当たりまで』と思っていた長さも自在に変えられた。


グラフ用紙に大まかな腺を書くイメージだ。


けれども、分岐路が無くては迷路とはいえない。


そう考えた時、目の前の二段目の数字が大きく浮かんだ。


100Pだ。


そして、その数字が99Pに変わった。


一本道が途中で分かれた。


改めて迷路を考える。


二本をどこまでも広げていく。


『バリアゲーム』という物を知っているかな?


相手の動きを封じて自分だけをどこまでも伸ばしていくゲームだ。


二本の腺は生き物のようにフィールドを広がっていく。


孝之が停止を掛けないからだ。


どこまで広がるのか楽しみもあった。


バリアゲームと違い行き止まりはない。


追い詰められた先端は生き物のように相手と自分のラインを押しのけて戻って

いく。


まるで、木の根のように広がって平面を覆いつくした。


全部が広がって停まった雰囲気だ。


でも、入り口に近いところで二本に分かれただけだ。


所詮、迷路には程遠い。


しかし、二本で広がった都合で全体の大きさがわかる。


50×50の枡目にマッピングしている感じだ。




いくら、通路を延ばしてもその点は関係ない雰囲気。


ただ、カウントを使うごとに分岐の道が増えていく。


それが判ったので、とりあえず二本だけでいろいろ動かしてみる。


それは、それで面白い。


いろいろ試してわかった。


ある程度形を整えて停止をイメージするとその形で固まる。


そうすると、余った空間に二マス程度の細かい分岐が出た。


ただ、二マス以内の細かい分岐についてはカウントされない印象だ。


このとき、孝之はほとんどのスペースを埋めていた。


そのため、新たなる機能に気付かなかった。




隆之は試しを兼ねて分岐を次々と増やしていく。


一階だけで25Pを使ってしまう。


残り75Pだ。


迷路は複雑な様相を呈していた。


50×50が隙間無く埋められた迷路だ。


もし歩いたならどれほど脱出に時間がかかるか?


一マスを畳半畳でも結構な大きさだ。


でも、それでは剣を振れない。


ファンタジーの迷路ゲームなら一マスは最低3メートル四方はある。


それが、一辺で50だ。


最低150メートル四方あることが判る。


それだけの通路を『自由自在に扱っていた』と気付いた。


まさに、神になった心境だった。



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