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第112話 ハワイ攻略作戦


「いやぁ、久々に来たけどここの料理は絶品だよねぇ」

「酒も一級品だ。さすがは海軍御用達なだけはある」

「わたしの俸給ではちょっと来れませんな……」


 芝の紅葉山(もみじやま)に立地する料亭紅葉館(こうようかん)

 その奥座敷では3人の男たちがテーブルを囲んでいた。


 史実の紅葉館はベーブ・ルースなど名立たるVIPを接待してきた。

 水交社の近くだったために、海軍関係者も頻繁に利用していた。


 この世界の紅葉館は事実上の海軍御用達と化していた。

 誰かさんが海軍との付き合いで派手に金を使ったせいであるのは間違いないことであろう。


「ご注文の品をお持ちしました」

「ありがとう。ちょっと込み入った話をするから、しばらく誰も近づけないでね」

「かしこまりました」


 お盆を置くと女将はそそくさと立ち去った。

 ここから先は密談タイムである。


「……んで、海軍としてはどうするつもりなのさ?」


 赤玉ポートワインをグラスでちびちび飲む金髪碧眼のおっさん。

 奥座敷の主にして、駐日英国全権大使のテッド・ハーグリーヴスであった。


「もちろん、海軍としては見敵必殺です。立ちふさがるヤンキーどもは粉砕してやります」


 そう言いながら、オールドパーをラッパ飲みする禿頭。

 連合艦隊の変人参謀こと、首席参謀黒島亀人(くろしま かめと)海軍少将の辞書にTPOの文字は存在しない。


「もちろん俺も同意見だぞ。政府の言い分も分からんでもないが、前線の軍人の仕事は戦って勝つことだからな」


 何故か酒饅頭を頬張っている黒島の直属の上官。

 連合艦隊長官山本五十六(やまもと いそろく)海軍大将は下戸で甘いものが大好物であった。


「ところで、海軍内部で不満が高まっているってのは本当なのかな?」

「「……」」


 テッドの質問に渋い表情のまま沈黙する上官と部下コンビ。

 二人とも相当に気にしているらしい。


「これはうちの情報部が調べた情報なのだけど……」


 テッドがテーブルに置いた書類。

 それはMI6が調べ上げた北太平洋における戦闘の戦果を記したものであった。


「これはまた……よく調べてますね」

「流石は世界に冠たる大英帝国だ。敵に回したくない」


 書類を見た二人が目を剥いたのは言うまでも無い。

 同盟国とはいえ、海軍の機密が知られていたのだから当然の反応であろう。


「その反応だとこっちの調査は正しかったんだろうけど逆に不安になったよ……」


 テッドはテッドで、ショックを受けていた。

 帝国海軍の内部での不満の高まりが事実であることが証明されてしまったのであるから。


「戦果を馬鹿正直に発表すれば、米連を徹底的に叩こうと世論が傾くのは間違いない。米連との全面戦争は不可避となるだろうね。もう遅い気もするけど」

「それを避けるために戦果を過少に発表する。分からないでもないのだが……」

「命を懸けて戦っている前線の兵たちからすれば、侮辱されたと感じるでしょうな」


 帝国海軍は米連海軍相手に一方的に勝利を重ねてきた。

 しかし、実際は追いつめられている。あまりにも理不尽極まりない。


「ただまぁ、それに関しては怒りの矛先があるから当面は大丈夫だろう」

「えっ、それってただのサンドバッグじゃ?」


 あっけからんとした山本の様子に絶句しまうテッド。

 ヤクザと大差ない荒くれ者の怒りを一身に受けるなど罰ゲーム以外の何物でもない。


「こういう時のための上司だからな。(しま)ハンには頑張ってもらわないと」

「最近は痩せられたと聞きますが、健康に良いでしょう」


 さらっと、恐ろしいことを(のたま)う上官と部下コンビ。

 嶋ハンこと嶋田繁太郎(しまだ しげたろう)海軍大臣は、海軍将兵のサンドバッグとして恨みつらみを一身に受けている真っ最中であった。


「……でもまぁ、当面は問題なさそうで安心したよ。これで僕も安心して帰国出来る」

「「なっ!?」」


 ぽろっと出てしまったテッドの言葉に二人とも驚愕する。

 それはあまりにも不吉であった。


「なぁ、ドーセット公。まさかこのまま戻って来ないつもりじゃないだろうな?」

「困りますよ? いざという時に公が居てくれないと面倒ごとを押し付けられない」


 テッドが一時帰国するのは日常茶飯事であった。

 しかし、このタイミングだとフラグとしか思えない。


「いや、もちろん戻ってくるよ? 全権大使の仕事も続けるし」

「「ほっ……」」


 本人の目の前で露骨に胸をなでおろすのもどうかと思うが。

 今の帝国海軍にとって、テッドがそれだけ重要な人間であることの証左とも言える。


「ただ、ちょっと戻ってくるのが遅くなるかもしれない」


 テッドは嘘は言っていない。

 今まで放置していた仕事を片付けるから戻りが遅くなるだけで、それ以上でも以下でもない。


「「……」」


 しかし、それを相手がどう取るかは別問題であろう。

 無言のままテッドに二人はにじり寄る。


「えっ、ちょっ!? なんか怖いのだけど!?」


 目が据わった二人にテッドは焦る。

 しかし、山本も黒島も止まらない。


「まぁ、一杯やろうじゃないかドーセット公。ここは腹を割って話そう」

「そうですよ。隠し事はいけません」

「隠し事って、そんなんじゃっむがむがむがっ!?」


 テッドの口にねじ込まれる一升瓶。

 既にほろ酔いだったテッドに、大の男二人からのアルハラに耐えられるわけがなかった。


「あー、じつはドーセットに、帰るのはっ、理由があってぇ……」


 アルコールで、テッドの固い口もだいぶ滑らかになったようである。

 いきなり愛妻と愛人のスリーサイズとか性癖を口走ったのは流石に閉口したが。


「帰る理由は何なのです?」


 黒島が思わず身を乗り出す。

 山本は固唾をのんで見守っている。


「その理由はぁ……」

「「理由は!?」」


 このままでは、真の理由が暴露してしまう。

 その瞬間であった。


「「「そこまでです!」」」


 障子に映る複数の影。

 その独特なシルエットは、見る者が見れば一発で分かる。


「「「メイドレンジャー参上!」」」


 開け放たれた障子から現れたのはメイドたちであった。

 時間になっても帰ってこない主人に痺れを切らして――もとい、迎えに来たのである。


「あっ、いや、これはですね……」

「他意は無かったんだ。ちょっと酔わせて本音を語ってもらおうかなと……」


 慌てて申し開きをする二人。

 こんな展開は予想出来なかったのか、当人たちは完全に混乱状態であった。


「油断しちゃダメよっ!? この状態でもご当主さまは逃げ出すわよ!?」

「ボディチェックに手を抜かないでよ? 前回はそれで逃げられたんだから……」

「インシュロックで手足を縛っちゃえ!」


 しかし、メイドたちは無視してテッドに殺到する。

 その様子は凶悪犯罪者に殺到する警官隊の如しであった。


「……お二方には大変感謝しております。今度こそ悲願が成就出来るかもしれませんし」

「「は、はぁ……」」


 メイド長からの丁寧な謝辞。

 あまりの展開に二人は生返事をすることしか出来なかった。


「ここのお代はお支払い済なのでご心配なく。それではご機嫌よう」


 嵐のようにやってきて、嵐のように去っていくメイド部隊。

 紅葉館の奥座敷には、連合艦隊司令長官と首席参謀の二人が取り残されたのであった。







「準備は進んでいるかね?」


 戦艦『紀伊』の艦橋(ブリッジ)

 連合艦隊参謀長宇垣纒(うがき まとめ)海軍中将は、艦長の黛治夫(まゆずみ はるお)海軍大佐に作業の進捗状況を問いただしていた。


「作業は概ね順調に進んでいます。多少遅れが出ていますが、充分取り戻せる範囲です」


 紀伊が停泊しているのは択捉(えとろふ)島から南西に100kmほど離れた海域である。

 周辺を駆逐艦が遊弋し、上空は水偵が目を光らせることで海域は完全に封鎖されていた。


 択捉島には史実真珠湾攻撃で機動部隊が出撃した単冠湾(ひとかっぷわん)泊地がある。

 敢えて使用しなかったのは機密保持のために他ならない。


 単冠湾泊地の沿岸には天寧(てんねい)年萌(としもい)という集落があり、史実においては機密保持に大変な苦労がはらわれている。出撃の数日前に機密保持のための舞台を派遣して郵便局の電信電話回線をしたり、住民には湾を見ないよう指示したりとエトセトラ。


 そんな手間暇をかけて機密保持するくらいならば、最初から使用しないほうがマシと言える。わざわざ泊地に停泊しないでも、工作艦を派遣してもらえば済む話なのであるから。


 そんなわけで、封鎖海域には工作艦『明石』が派遣されて作業が進められていた。ブリッジにいても騒々しい音が聞こえるが、周囲10km以内にその音を聞く者は存在しなかった。


 ちなみに、世界の明石は史実以上に機能が充実していた。

 満載で1万5千(トン)超えの巨体には英国製の最新工作機械を満載しており、連合艦隊の平時年間修理量の半分を処理出来た。文字通りの移動する海軍工廠であり、あらゆる修理工事が可能であった。


「ふむ……」


 宇垣はブリッジから眼下を見やる。

 近い距離で停泊する明石をはっきりと見ることが出来た。


「おーし、一杯まで回していけ!」

「ヨーソロー!」


 宇垣が見つめている明石の甲板では、エンジンの試運転が実施中であった。

 ブンブンと排気音を出しながら出力を上げていく。


 英国が誇る変態ディーゼルエンジンがデルティックである。

 史実では魚雷艇用のエンジンとして1950年代に実用化された。


 このエンジンの凄さは駆動する様子がキモい――もとい、重量出力比(パワーウェイトレシオ)に尽きる。同時期の同等出力の20%のサイズ、つまりは同等のサイズで5倍のパワーが出せることになる。


 デルティック単体でも驚異的なのに、さらにターボコンパウンド化して比類なき大出力と燃費を両立してしまったのがターボコンパウンド・デルティックである。


 史実ではデルティックの改良型として1956年に試作されたのであるが、当時の英国海軍がガスタービンに浮気してしまったために開発は終了してしまった。


 この世界で陽の目を見ることになったのは、技術を惜しんだネイピア社の技術マッドたちのせいに他ならない。日本海軍がデルティックに興味を持ったのを、これ幸いと押し付けていたのである。


 しかし、ターボコンパウンド・デルティックを採用したのは結果的に正解であった。仮にガスタービンを採用したら、大失敗に終わったのは間違い無いことなのであるから。


 蒸気タービン搭載艦、ディーゼル搭載艦、そしてガスタービン搭載艦。

 これらの艦の煙突を見比べれば、ガスタービン艦の煙突の大きさが際立っているのがよく分かる。


 ガスタービンの問題点――それは、出力発揮に膨大な吸排気を伴うことである。

 構造的にはジェットエンジンと大差無いのだから当然と言えるが。


 ガスタービン機関を戦艦に搭載する場合、長大化する吸排気管の取り回しが問題となる。ぶっといパイプが装甲区画をぶち抜くので、確実に防御上の弱点となってしまう。


 ターボコンパウンド・デルティックを搭載すれば、そのような問題は回避出来る。さすがにパワーウェイトレシオには劣るが、戦艦に搭載する機関は軽ければ良いというものではない。


 ガスタービンが戦艦に不向きなのは、その軽量さにある。

 ただでさえトップヘビー気味な戦艦に軽量コンパクトな機関を搭載したらどうなるか?艦の復元性が悪化してしまうのは間違いない。


 もちろん、ガスタービンを搭載前提で適切な重量配分で設計すれば問題は無い。

 それが出来るかどうかは別問題であるが。仮に可能だったとしても、既存の戦艦からはかけ離れたものになるのは確実だろう。


「よーし、そのまま下ろせー!」

「いいぞ! そのまま、そのまま!」


 整備が終わったエンジンは、明石に備え付けられたクレーンで吊られる。

 そのまま紀伊の煙突の直上まで運ばれ、そして降ろされる。


 搭載している機関の特性上、紀伊はエンジン交換を前提にしていた。

 煙突基部の蜂の巣甲板が開閉出来るようになっており、煙突から機関室へアクセス出来るようになっていた。


「設置確認っ!」

「よーし、押せーっ!」

「「「おおおおっ!」」」


 メカニックたちが、降ろされたエンジンを人力で移動させる。

 機関室にはレールが敷かれており、台車に乗せられたターボコンパウンド・デルティックは比較的容易に移動することが可能であった。


「締め付け終わりっ!」

「締め付けトルクの確認を忘れるなよ?」


 所定の位置に移動されたエンジンは床にボルトで固定される。

 エンジン交換が前提のため、取り付け取り外しが簡単に出来るように配慮されていた。


「前々から思っていたんだが、こんな小さいボルトで大丈夫なのか? こっちとしては楽で助かるが」

「今のところ問題は起きてないだろ。あまりゴツいボルトだと外すのも大変だぞ?」

「そりゃそうなんだが……」


 エンジンが出力を発揮する際に、捩れ振動が発生する。

 回転軸がねじれて戻る動作を繰り返すことで発生する振動である。


 具体的にどのようなものかは、ラジコンを持ったままモーターで駆動輪を回せば分かりやすい。ラジコンを持った手にねじるような力が感じられるだろう。


 ターボコンパウンド・デルティックを接合するボルトは、出力に見合っているとは思えなかった。整備兵たちの疑問も当然と言えよう。


 デルティックは3組のシリンダーバンクを持ち、そのクランク軸は反対方向に回転する。着火を3組すべてのシリンダーバンクの間で交錯させることで、捩れ振動を軽減することが可能となる。


 捩れ振動が軽減出来るならば、エンジンマウントも簡略化出来る。

 取り外しも簡単になるので、まさに一石二鳥と言える。


「クラッチの接続終わったかぁ!?」

「ちょっと待て……よし、終わった!」


 エンジン取り付けが終われば、お次はクラッチの接続である。

 簡単に脱着出来るようになっており、作業はスピーディーであった。


 ちなみに、クラッチの脱着が簡単になっているのは能動的な動力切り離しが考慮されているためであった。この機能は被弾故障時を見越したものであったが、メンテ後の試験運転などにも有効活用されていた。


「……機関の点検完了しました。予定通りです」

「そうか。いよいよだな」


 黛の報告に、宇垣はニコリともせず頷く。

 その様子はいつもの黄金仮面そのものであったが……。


「嬉しそうですな参謀長」

「そう見えるのか?」


 黛は宇垣の表情の変化を見抜いていた。

 極々わずか、具体的には数ドットくらいは口角が吊り上がっていた。長らくの付き合いは伊達ではないということだろう。


「山本長官からは全面委任を受けている。よって、この作戦は好き勝手出来る」

「腕が鳴りますな。航空主兵主義者どもに戦艦の威力を見せつけてやります」


 一方で、黛は嬉しさを隠そうとはしなかった。

 思う存分に大砲を撃てる今回の作戦にもろ手を挙げて賛成していたのである。


 史実では宇垣は大艦巨砲主義の権現、黛は砲術のスペシャリスト。

 何の因果か、この世界では最強の組み合わせが実現してしまっていた。


 この凶悪タッグが前線に赴いたときに何が起きるのか。

 それを知る者は、この世界の何処にもいなかった。


 紀伊が単冠湾泊地から出撃したのは翌日のことであった。

 途中で合流して打撃艦隊となり、太平洋をひたすら東進する。


 奇しくも、そのルートは史実真珠湾攻撃の再現であった。

 ハワイの運命の日は、およそ2週間後に迫っていたのである。







「ようやくここまで来たな」


 オアフ島近海。

 紀伊のブリッジに立つ宇垣は、万感の思いであった。


 時刻は草木も眠る丑三つ時。

 周囲は戦闘照明で薄暗く、辛うじて周囲の人間が判別出来る程度であった。


「参謀長。作戦開始30分前です」

「予定通りだ。発艦準備!」

「発艦準備! ヨーソロー!」


 同時に艦内に響き渡るブザー音。

 これまで静かだった艦内が一気に騒々しくなる。


「照明照らせーっ!」

「機体をエレベータに乗せろ。時間が無いぞ!」

「俺の機体はどこだ!?」


 紀伊の後部甲板は電燈艦飾が如き明るさで照らされていた。

 口さの無い関係者からはイカ釣り漁船と皮肉られていたが、夜間発艦で有用なことは間違いない。


 ちなみに、この照明は電球ではなく蛍光表示管であった。

 電球よりも省電力で表示や形状に融通が利くので、紀伊の航空艤装に試験的に採用されていたのである。


「機体固定確認、よし!」

「作業員は速やかに機体から退避しろっ!」


 機体を発進位置に固定すると作業員は急いで退避する。


「射出可能圧力まで20秒!」

「……5、4、3、2、1、射出っ!」


 作業員が大きく手を振る。

 それを視認した搭乗員は敬礼。同時に機体が射出された。


 紀伊には油圧カタパルトが装備されていた。

 史実の米軍の油圧カタパルトを参考に平成造船が試作したものであり、重量8tの機体を140km/hで射出出来た。


 この時代の日本機ならば、それこそ無風状態でも発艦出来る。

 射出間隔も40秒と実用的なものであった。


 この装備のおかげで、紀伊は小規模ながらも通常の空母と同様の機体運用が可能になっていた。期せずして航空戦艦と化してしまったのである。


『まもなく目標上空だ。準備はいいか?』

『いつでもいけます!』

『よし、手筈通りにいくぞ!』


 目標上空に到着したゼロ戦隊は高度を上げた。

 同時に可能な限り速度を絞る。


『まずは俺からいく。後に続け!』


 隊長機が主翼に搭載された爆弾らしきものを投下する。

 しかし、4発搭載しているのに投下されたのは1発のみであった。


 投下された爆弾(?)は落下中にパラシュートが展開して減速する。

 爆弾もどきは闇夜のオアフ島上空を滞空し、そして……。


「上空で発光確認! 太陽のような明るさです!?」


 ゼロ戦隊が投下したのは爆弾ではなく吊光弾であった。

 オアフ島上空に出現した太陽は、照準するには充分過ぎる明るさであった。


「時間通りだ。撃ち方始めぇっ!」

「撃ち方始め、ヨーソロー!」


 同時に紀伊の主砲が咆哮する。

 世界最強の51サンチ砲は、重量2tの砲弾を初速780m/sでハワイの夜空へ撃ちだした。


『オアフ島要塞に弾着確認! 有効弾と認む』


 明かりの提供と弾着観測を兼ねるゼロ戦隊から初弾命中の通信が届く。

 あらかじめ計算された航路と速度、そして時間。さらには、砲術のスペシャリストとしての黛の技量も加わったことで、初弾から有効弾を送り込むことに成功したのである。


「艦長。よくやった。引き続き頼むぞ」

『もちろんです。徹底的にやってやりますよ!』


 紀伊のブリッジでは宇垣が満面の笑みを浮かべていた。

 戦闘照明で誰も見る者がいないのは幸いであった。


「よーし、続けていくぞ! 仰角そのまま。各砲0.1ずつ変更」

「ヨーソロー!」


 主砲射撃指揮所に陣取る黛は張り切っていた。

 世界最強の主砲を思う存分撃ちまくれる。砲術家としては夢にまで見た瞬間と言えよう。


「準備よし。警報!」


 艦内にブザー音が響き渡る。

 そして発生する轟音と衝撃波。


『ガッデム!? なんなんだいったい!?』

『要塞砲が吹き飛んでしまったぞ!?』

『いいから逃げろ!? ここにいたら死んでしまうぞ!?』


 紀伊の砲撃は、オアフ島要塞を射程外から一方的に粉砕していった。

 分厚いコンクリートで守られた要塞砲も51サンチ砲弾に対しては無力であった。


「航空隊からの通信です。オアフ島要塞は完全に破壊されたと認む。以上です」

「そうか」


 通信参謀には目の前の上官がいつもの鉄面皮に見えた。

 実際は笑っているのであるが。まだまだ修業が足りないようである。


「大和のほうはどうした?」

「こちらも先ほど連絡がありました。潜水艦基地を完全に破壊したとのことです」


 同時進行で戦艦『大和』による潜水艦基地攻撃が実施されていた。

 というよりも、本来はこちらが主目的のはずなのであるが……。


『俺たちの大和に汚れ仕事をさせやがって!?』

『あの鉄面皮いつか絶対ぶっ殺す!』

『俺のイマジナリー大和が泣いてる。慰めないと……』


 後にこのことを知った平成会の『戦艦大和愛好会』のモブたちは激怒したという。とはいえ、彼らは所詮モブ。鉄面皮に堂々と意見する度胸が無かったので、藁人形レベルの嫌がらせにとどまった。


 宇垣からすれば、潜水艦基地よりも要塞砲のほうが脅威であった。

 反撃される可能性が低い夜間砲撃とはいえ、万が一反撃されたら大和は無傷では済まされない。


 確実に要塞砲を叩くのであれば紀伊を使うしかない。

 そもそも、要塞砲を叩くことこそが紀伊の建造目的(レゾンデートル)なのであるから。


 連合艦隊司令長官から潜水艦基地を叩けと言われたので、ついでに要塞砲を粉砕した。どう見てもこっちがメインであるが、それは言わないお約束である。


 肝心の潜水艦基地はきちんと破壊したのだから何ら問題は無い。

 紀伊と大和を中核とする打撃艦隊は、行き掛けの駄賃とばかりにハワイの軍事拠点を執拗に砲撃してから撤退したのであった。







(うぅ、胃が痛い……)


 ざらざらと手のひらに乗せるのは大量の胃薬。

 それをコップの水で一気に流し込む。


「最近痩せたな……」


 嶋田海軍大臣は、鏡を見て思わず呟く。

 目の前にいるのは血色が悪い貧相な男であった。以前はもっと貫禄があったはずなのだが……。


(来たか……)


 ドカドカドカと力強い足音が聞こえてくる。

 誰か分かってしまうくらいには、長い付き合いをしていた。


「嶋田くん、これはどういうことかね!?」


 大臣室の扉を蹴破る勢いで入室してくる東條英機(とうじょう ひでき)総理大臣。

 怒りのあまりに禿げ頭が完全に茹で上がっていた。


「事前の話では船団の脅威となるハワイの潜水艦基地だけを叩くという話だったではないか!? 何をどうすれば米連のハワイの拠点を壊滅させることになるのだね!?」


 嶋田のデスクに叩きつけられる報告書。

 その書面には先日実施されたハワイ潜水艦基地攻撃作戦の結果が記されていた。


 詳細な数字は以下の通りとなる。


 戦果―オアフ島要塞(要塞砲を含め完全無力化達成)

    潜水艦基地(基地施設の完全破壊達成)

    ヒッカム飛行場(基地施設破壊と機体多数撃破)

    浮きドック(半数は完全破壊。他は少破)

    駆逐艦3隻(うち2隻は入渠中の浮きドックごと撃破)

    工作艦1隻

    港湾施設ほか


 損害―巡洋艦『高雄』『足柄』『夕張』少破

    駆逐艦『吹雪』『磯風』中破

       『島風』少破


 完全なパーフェクトゲームである。

 日本海海戦すら超える大勝利と言えよう。


「それは、その……当初は潜水艦基地を叩くのが目的だったのですが、それを為すためにはオアフ島要塞を無力化する必要があったわけで……あくまでも、現場の判断を優先した結果なのです」


 胃痛を堪えながら嶋田は必死に弁解する。

 あくまでもやむを得ない現場の判断だったと必死に責任転嫁したのであるが……。


「ならば潜水艦基地と要塞だけ無力化すれば良いだろう!? なんでハワイを壊滅させる必要があったんだ!?」

「あっ、ちょっ痛い痛い痛いっ!?」


 しかし、それは東條の怒りに火を注ぐだけであった。

 胸倉を掴む勢いで、いや、実際に掴んで嶋田を激しく揺さぶった。


「こんな戦果をまともに発表したらどうなる!? 米連恐れるに足らずと世論が沸騰してしまうだろうが!?」


 日本政府としては、カナダへの2個師団の派遣は日英同盟に基づいて実施しただけで米連と戦争するつもりは毛頭無い。しかし、現実は真逆なのであった。


「陸軍でも積極的攻勢を訴える者が増えている。間違いなく海軍の悪影響だぞ!?」


 普通であれば、海軍が戦果を挙げたくらいで海軍大臣を叱責することなどあり得ない。しかし、陸軍へ影響が出るとなるとそうも言ってはいられない。


 ましてや、東條は総理就任時に今上天皇から直々に戦争の不拡大を念押しされていた。もはや、海軍は味方ではなく諸悪の根源ですらあった。


「とにかくだ、今回の戦果も馬鹿正直に発表することはまかりならん。あくまでも潜水艦基地を無力化したことのみ公表したまえ!」

「そ、そんな……そんなことになれば、現場の士気に悪影響が出ますぞ!?」


 現場の士気に悪影響と宣ってはいるが、そんなことは欠片も心配していない。

 嶋田が心配しているのは別のことであった。


「今でも充分過ぎるほど血の気が多いだろうが!? むしろ士気が落ちたほうが落ち着くんじゃないかね!?」


 ぐうの音も出ない東條の正論であった。

 お説教タイムはその後も30分ほど続いたのであった。


「大臣っ! 何故、機動部隊にハワイ攻略を命じてくれないのです!?」

「我ら一同、ハワイ攻略のために命を懸けているのです!」

「大臣から長官にハワイ攻略を命じてくださいっ!」


 ようやくお説教タイムから解放されてほっと一息――とは、ならなかった。

 ほとんど間を置かずに海軍の航空主兵主義者たちが怒鳴り込んで来る。


 彼らの不満は、とにかく出番が無いことに尽きた。

 その筆頭である第一航空艦隊の甲航空参謀源田実(げんだ みのる)海軍大佐が同調者を巻き込んで日々日参していたのである。


「君らの不満も分からないでもない。しかし、政府としては戦争を終わらせる手段を模索している。余計な口出しはせんでもらおうか」

「そんなのハワイを獲れば済む話ではないですか!?」


 嶋田の慎重な言い回しを源田は理解していなかった。

 おそらく、理解しようともしていない。


(先日のハワイの戦果はとてもじゃないが見せられんな……)


 源田の話を聞くふりをしながら、先ほどの報告書をそっと引き出しにしまう。

 無駄に行動力にあふれる源田が知ったら、自分たちも同じことをすると言って暴走しかねない。


「君たちの意見は分かった。山本にも話しておくから……」

「絶対ですよ!? 信じていますからねっ!」


 酒の席で愚痴るつもりなので、一応嘘は言っていない。

 つまりは、彼らの意見などその程度だったのである。


「はぁ、もう辞めたい……」


 ようやく静かになった大臣室で思わず口にしてしまう。

 嶋田の偽らざる心情であった。


 実際、健康上の理由で既に辞意を申し入れたのであるが握りつぶされていた。

 陸軍主導の政府に同調出来る海軍将官をみすみす首にするわけがない。


 史実では『東條の男メカケ』と酷評されていたが、裏を返せば陸軍と協力出来る貴重な人材であった。政治的バランス感覚も持っており、軍政家としても有能なのは間違いない。


 平時ならば海軍の重鎮として辣腕を振るえたであろう。

 戦争になったことが、唯一にして最大の不幸だったのかもしれない。


 その結果、この世界では悲しき中間管理職と化してしまったのであるが。

 今日も辞めに止められず、上から下からサンドバッグにされる一日が始まるのである。







「グッドモーニング。今日も早いな」

「それはお互い様でしょう?」


 サンディエゴのロガン・バリオ地区。

 歴史的にメキシコからの移民が多い場所であり、ラテンな雰囲気たっぷりな場所である。


 そんな中、二人の男女がばったりと出会っていた。

 片や白人男性、片や日系人女性。


 双方共にジャージ姿で汗だくであった。

 ジョギング中だったのであろう。ちょうど良いとばかりに、立ち話に興じていた。


「最近の景気はどうだい?」

「良くも悪くもありませんね」


 たわいのない雑談であるが、気分転換にはなる。

 お互いに仕事が芳しくなかったのである。


「あぁ、そうそう。君の息子さん大丈夫かい? あまり調子よく見えなかったが……」

「!?」


 白人男性の言葉に日系人女性の表情が強張る。

 しかし、それも一瞬のことであった。


「息子が気になったので失礼します!」

「あぁ、早く行ったほうがいい」


 日系人女性は駆け足で去っていった。

 それだけ『息子』が心配だったのであろう。


(良かった。無事なようですね)


 サンディエゴ港が一望出来る場所に立つボロアパート。

 その屋上で双眼鏡を構えた日系人女性は、息子の様子に安堵する。


(ん? あれは……)


 しかし、彼女は双眼鏡のレンズ越しに無視出来ない異変を視認していた。

 いつもよりも往来する人間が目に見えて増えていたのである。


「……」


 屋上に隠しておいた短波無線機を取り出し、暗号ブック片手に発信する。

 今頃は日本のJCIA本部で解読が行われているころであろう。


 彼女は大日本帝国中央情報局(JCIA)のエージェントであった。

 目下の任務はサンディエコ港に停泊している空母部隊の動向の監視であり、定期的に位置情報を送信していた。


 米連を仮想敵国として定めたことで、日本は独自の情報収集手段を確保する必要に迫られた。いつまでもMI6におんぶにだっこというわけにもいかないし、そもそもMI6北米支部はアメリカ風邪や内戦の影響から未だに立ち直れていなかった。


 平成会も米連国内での情報収集の重要さは理解しており、大陸での活動がメインだったJCIAのエージェントを振り向けていた。米連におけるJCIA拠点はは軍事施設の近くに配置されており、件の日系人女性もその一人であった。


「……」


 今日も今日とて、彼女は双眼鏡で監視していた。

 視界の明るさと広い視野を確保できる7×50mm仕様の双眼鏡は、本人の夜目と相まってサンディエコ港を見通すことが出来た。


「いないっ!? いつの間に!?」


 しかし、この日は9隻いるはずの空母が1隻もいなかった。

 日中いたことは確認している。夜になってからこっそり出撃したとしか考えられない。


 こんな時間に演習などするはずがない。

 慌てて短波無線機を取り出す。


 しかし、彼女はここでミスを犯した。

 焦って深夜に電波発信をしてしまったのである。


 深夜帯になれば電波の発信量は減少する。

 それはすなわち、違法電波が特定されやすいことを意味していた。


「シークレットサービスだ! ここを開けろっ!」

「ここら一体は包囲済みだ! 抵抗は無駄だ!」


 その結果、10分も経たずに拠点が包囲されることになった。

 ここまで対応が早いのは、シークレットサービスが常日頃から違法電波の発信を監視していたことに他ならない。


 旧アメリカ合衆国末期、FBIは解体されてシークレットサービスに吸収されていた。アメリカ連邦に国体が変化してもシークレットサービスは健在であった。将来もそうである保証は何処にも無かったりするのであるが……。


「くっ!?」


 屋上から路上の様子を見た彼女は屋上の扉を施錠する。

 これで少しは時間が稼げるはずである。


「このっ!」


 踏みつけて短波無線機を破壊し、暗号ブックは破いて夜空にばら撒く。

 幸い、夜間で風もある。散り散りになったものを復元することは不可能だろう。


「あっ!?」


 屋上の扉が激しく叩かれるなか、アパートの雨どいを辿って地上へと脱出をはかる。咄嗟の判断ではあったが、途中までは上手くいった。雨どいがぶっ壊れなければ完璧であった。


「ど、どうしたら……!?」


 激痛で表情が歪む。

 右足が上手く動かせないのは、着地に失敗して捻挫したせいか。最悪骨折しているかもしれない。


 スパイに人権は無い。

 このまま掴まろうものなら、R-18Gであぁ~んな展開やこぉ~んな展開は間違いないだろう。


「乗れっ!」


 絶望した彼女の目の前にピックアップトラックが急停車する。

 ドライバーは先日立ち話をした白人であった。


「やれやれ、念のために備えていて良かった。あの時の大丈夫という言葉は君にも向けたものだったのだぞ?」


 白人は肩をすくめる。

 彼はMI6北米支部サンディエゴ支局のエージェントであった。


「面目ないです……」


 助手席の日系人女性はしょんぼりしていた。

 その様子がカワイイので、こっそり鼻の下を伸ばしていたりしたが。


 同盟国のスパイであろうと、身の危険を冒してまで助ける義理も必要性も無い。

 つまり二人はそういうことなのであった。


 サンディエゴを母港とする空母部隊の全力出撃は、ただちに日英両国の知るところとなった。直接相対することになるであろう帝国海軍は、空母の所在確認に総力を挙げることになるのである。







「……異常は無いか?」

「はっ、同行している駆逐艦ならび巡洋艦からは敵潜発見の報は入っておりません」


 ヨークタウン級4番艦『サバンナ』の艦長は不安で仕方が無かった。

 あの悪魔のような帝国海軍と直接対決せざるを得ない状況なのであるから、彼の心情も当然と言えた。


『日本には巨大飛行艇があるらしい。半個飛行隊が返り討ちになったそうだぞ』

『ジャップの戦闘機はバカみたいに強いらしい。うちの部隊がことごとく返り討ちになったってよ』

『ハワイ島要塞が無力化されたのはジャップの戦艦のせいらしい。まったく、嫌になるぜ……』


 米連海軍内部には厳重な箝口令が敷かれていたが、日本の船団に攻撃を仕掛けたヨークタウン級の艦載機の末路や、先日の日本艦隊のハワイオアフ島殴り込みなどは既に噂になっていた。


 開戦以来、あまりにも一方的なやられぶりは士気に深刻な悪影響を及ぼしていた。救いが無いのは、日米両国ががっぷり四つにぶつかりあったわけじゃないことであろう。


 日本側が消極的な対応に終始しているところに、米連が積極的に喧嘩を売って返り討ちに遭うパターンがあまりにも多すぎた。こんなことが続けば、士気が低下してしまうのも当然であろう。手を出さなければ損害を受けなかったのであるから。


 サンディエゴ港を出撃した9隻のヨークタウン級空母は、3隻ずつ異なる針路をとった。途中で駆逐艦と巡洋艦と合流し、3個空母部隊としてそれぞれ別個に太平洋を遊弋中であった。


 米連空母部隊の目標は、日本のカナダ行き船団、戦艦を中心とする打撃艦隊、未だに姿を見せない機動部隊。とどのつまりは、日本海軍全てを根こそぎにしようという魂胆であった。


 1個空母艦隊あたりの空母は3隻。

 運用する艦載機は200機以上。


 これを駆逐艦と巡洋艦合計各20隻で護衛する。

 輪形陣で一部の隙も無い布陣で臨んでいた。


「異様な電波を傍受しただと!? 内容は!?」


 1時間後。

 サバンナの通信班は微弱な電波を受信していた。


「はっ、先ほど傍受しましたが解読出来ませんでした。新種の暗号のようです」


 報告する通信参謀は困惑する。

 これまで見たこと無い暗号なので当然なのであるが、それ以前の問題が米連海軍には存在していた。


 米連海軍は帝国海軍についての情報が極めて不足した状態であった。

 旧合衆国海軍からして、情報収集能力に欠けていたので別に米連だけのせいではないのであるが。


 この世界の米連海軍が情報収集能力に欠けるている理由――それはかつての世界大戦にまで遡る。某少年が提案し、MI6が採用したメディア謀略作戦。この作戦がガッツリ決まってしまったおかげでアメリカ国内の世論は強烈な反戦に傾いてしまった。


 戦争特需を目論む軍需産業は、メディアを動員して様々な美辞麗句その他大義名分まで振りかざした。それでも反戦ジャンキーと化したヤンキーを目覚めさせることは出来なかった。


 この状況に拍車をかけてしまったのが禁酒法とアメリカ風邪であった。

 禁酒法で税収が大幅ダウンした状況で軍事費は軒並みカットを余儀なくされた。


 この状況でアメリカ風邪が発生してしまった。

 世界大戦に参戦出来なかったアメリカ陸軍は史実以上に弱体化してしまい、世紀末の如く乱れた国内の治安を維持することは出来なかった。


 アメリカ風邪集結後に裏社会が台頭したのは相応の理由が存在する。

 弱体化した警察と軍しか持たないうえに助けてもくれなかった連邦政府に対して、別の意図があったとはいえ助けてくれた裏社会。とちらを支持するかは自明の理であろう。


 そこから先は、坂道を下るように米軍は弱体化していった。

 予算不足で給料の遅配が日常化するような状況では装備が揃えらえるはずもなく。情報収集能力に至っては論外レベルにまで落ちぶれてしまった。


 時の大統領ジョン・ウィリアム・デイビスによるヴィンソン計画による海軍再建。これに加えて手駒として欲した海兵隊優遇政策によって米軍の戦力は、ある程度は回復した。


 しかし、情報収集能力は戻らなかった。

 戦う前から既に勝敗は決していたと言っても過言では無かったのである。


「対潜警戒を厳重にしろ。間違いなくジャップの潜水艦がいるぞ!」

「「「アイアイサー!」」」


 その後も不審な電波は空母艦隊のそこかしこで傍受された。

 空母を護衛する駆逐艦の艦長は必死になって潜水艦狩りをするものの、一向に成果は上がらなかった。


 裏社会に牛耳られて20年近い情報の断絶は致命的であった。

 潜水艦を探知する技術もノウハウも完全に失伝していたのであるから。


 そして来るべき時が来てしまった。

 ホーネットを旗艦とする空母部隊が闇夜の太平洋を航行中にそれは起きてしまったのである。


「なんだ、何が起きた!? 誰か見てこい!」


 ホーネットの艦長は、突然の衝撃で椅子から放り出された。

 艦長の命令で何人かがブリッジを飛び出していく。


「右舷で爆発を確認! おそらく魚雷です!」


 現場を見た副長が息を切らして戻ってくる。

 そうしている間にも艦が傾斜していく。


「おそらくとは何だ?! 報告は明瞭に行え!」

「暗闇で雷跡が見えません。しかし、このような場所に機雷があるとも思えません。よって、魚雷と判断……」


 副長は最後まで言葉を告げることが出来なかった。

 続く第2、第3の衝撃がホーネットの艦体を転覆させてしまったからである。


 同じような光景が他の空母部隊でも繰り広げられていた。

 日中の呂号潜の偵察で位置を特定し、駆逐艦による夜間水雷襲撃で仕留める。


 夜ならば航空機による攻撃は出来ないから空母は怖くない。

 残された駆逐艦、巡洋艦に対しては圧倒的長射程大威力の酸素魚雷で優位に立てる。


 鍛えに鍛えた雷撃の技量は普通に撃っても外しようがなかった。

 万が一外したとしても、ウェーキ誘導があるので命中は間違いない。


『だからやり過ぎと言っておろうが!?』

『手持ちで即応出来るのが水雷戦隊しかいなかったんですよ!?』

『加減しろと言っておるのだ莫迦!』

『夜間襲撃は危険度が高いんです! 下手をすれば、こっちがやられるんですよ!?』


 3個空母部隊は水雷部隊の夜間襲撃によって甚大な被害を受けることになった。

 東條が大臣室に再び殴り込んだのは言うまでも無いことであった。


 夜間に実施された攻撃故に、戦果に関しては即座に集計出来なかった。

 JCIAによる調査で後ほど提出された報告書では、全体的な損害率は60%程度とされている。


 ちなみに、帝国海軍の損害はゼロであった。

 損傷した艦は多数あったものの、撃沈までには至らなかったのである。







『……ここにハワイ王国の復興を宣言します!』


 ハワイ王国イオラニ宮殿。

 宮殿前広場では、女王として復位したカイウラニが建国宣言を行っていた。


『ばんざーい! ばんざーい!』

『ありがとう日本! 本当にありがとう!』

『日本とハワイの友好が永遠に続きますように!』


 広場はネイティブハワイアンで埋め尽くされていた。

 その様子はまさに熱狂的であった。


(どうしてこうなった!?)


 その様子を引き攣った表情で見守っているのが、首相秘書官筆頭のモブであった。彼は東條総理の代理として、今回のイベントに派遣されていたのである。


 米連の日本船団へのイチャモン付けから始まった一連の太平洋の戦闘は帝国海軍の完勝という結果に終わった。単なる勝利ではなく、文字通りのパーフェクトゲームであった。


 今回のハワイ王国復興についても文句は言ってきたものの、具体的なアクションは起こさなかった。行動したくても、行動出来なかったというのが正確なところなのであろうが。


 米連は一方的過ぎる敗北によって、太平洋方面でまともな大型艦戦力が存在しない状況にまで追い込まれていた。残された駆逐艦と巡洋艦で帝国海軍に立ち向かうことが自殺行為だということは流石に理解したようである。


「……我が国とハワイは歴史的に縁が深い。これを機会に再び友誼を結び、共に栄えていくこと切に望むものであります」


 秘書官モブが東條からの手紙を代読する。

カイウラニ女王を含め、宮殿前の大観衆が大いに感動したことは言うまでも無いことであった。


「秘書官殿。我が女王がお呼びで御座います」

「えっ? いや、わたしは代理なのでこういうのは……」


 式典が終わって帰途に就こうとした秘書官モブであったが、そうは問屋が卸さなかった。女王の元に強制的に呼び出しを喰らうことになったのである。


「じつは東條総理に伝えて欲しいことがあるのです」

「……うかがいましょう」


 秘書官モブには嫌な予感しかしなかった。

 しかし、立場上逃げることも出来ないのであった。


「我が国と安全保障条約を結んで欲しいのです」


 カイウラニはモブに親書を手渡す。

 大したことのないように言ってはいるが、その内容はあまりにも重大であった。


 安保条約と言ってはいるが、これでは片務条約になりかねない。

 防衛力皆無の地域を一方的に守る必要が増えるだけで、日本側に一切の益が無い。


 しかも、米連を全面的に敵に回すおまけ付き。

 これに関しては、今更のような気もするが。


「総理には必ず伝えますのでご安心ください」


 モブとしては破り捨てたい気分ではあったが、そういうわけにもいかなった。

 悲しきは宮仕えである。


『大日本帝国はハワイ王国と安全保障条約を締結いたしました』


 日本政府が日ハ安全保障条約の締結を発表したのは1か月後のことであった。

 ハワイ独立派を扇動して米連の介入を招いた過去があっただけに、今回はハワイ王国独立と安保条約締結を承認せざるを得なかった。


『やはり日本は頼りになるな。先んじて安保条約を締結して良かった』


 マハルリカ共和国大統領マニュエル・ケソンは、この知らせを聞いて己が先見の明を自画自賛したという。国民にとって、旧宗主国を日本がボコボコにしたことは胸がすく光景だったことは間違いない。


『あのアメリカを相手にここまで一方的に叩きのめすとは。我が国は日本から大いに学ぶ必要があるだろう』


 タイ王国の国王ラーマ8世も日本から支援を受ける気満々であった。

 米連が日本に喧嘩を売ってきた直後には対日中立を標榜していたのに、じつに虫の良い話と言えよう。


日本(イルボン)が強いとか生意気ニダ!?』

『だが、待つニダ。ウリナラはもっと強いはずニダよ?』

『つまりウリナラはアジア最強ニダ!』

『『『ウリナラマンセーっ!』』』


 日本のお隣の半島も、この話題で大いに盛り上がっていた。

 盛り上がったのは国民だけで、鬱陵島に事実上幽閉されていた大韓帝国皇帝高宗(コジョン)と王妃閔妃(ミンピ)は知りようも無かったのであるが……。


『ふざけんな!? ハワイ防衛とか何のメリットも無いじゃないか!?』

『全面的に防衛を請け負う形になるだろうから、ハワイの軍事施設を丸々使えるのは魅力なんだが……』

『海軍がハッスルし過ぎて大半をぶっ壊したじゃないか。あれを復旧するのにどれだけの時間と予算がかかると思ってるんだ!?』


 お約束と言うべきか、東條は日ハ安保の一件を首相秘書官ズに丸投げした。

 やっとマイホームに帰れるようになった思ったらこの仕打ち。


 流石は2代目丸眼鏡の悪魔を襲名するだけのことはあり、大した鬼畜上司ぶりであった。それだけ信頼していたと言えなくもないが。


『やらかしたの海軍だから海軍から兵力を抽出しよう』

『陸上兵力は陸戦隊を派遣するしかないな』

『思いやり予算とか期待出来ないよな。はぁ……』


 それでもきっちり仕事をするのは、ブラック社畜の鏡と言えよう。

 ハワイの防衛体制は秘書官ズの血と汗と涙と、ついでに血反吐と血尿によって成り立っていた。


 1943年8月以降、太平洋から砲声は消えることになった。

 太平洋の制海権は帝国海軍のものとなり、カナダ行き船団の安全は確保されることになったのである。


『認めよう。日本は強い、強すぎる。だが、勝てないわけではない』

『より強力な兵器の開発と量産、より優秀な兵士の育成を急がせます』

『頼んだぞ同志トハチェフスキー。最後に勝つのは我々なのだ』


 しかし、それは米連が大人しくなったことを意味しない。

 赤化したアメリカという悪夢の存在は、次なる戦いのために牙を研ぎ始めていたのである。






以下、今回登場させた兵器のスペックです。


紀伊


排水量:63000t(基準) 65500t(公試) 

全長:279.5m 

全幅:37.1m

吃水:10.23m

機関:ターボコンパウンド・デルティック40基4軸推進

最大出力:200000馬力

最大速力:31ノット

航続距離:16ノット/25000浬 

兵装:45口径51cm連装砲3基

   60口径15.5cm3連装砲6基

   40口径12.7cm連装高角砲6基  

   油圧カタパルト2基

   航空機20機(索敵・弾着観測・上空直掩用)  

装甲:舷側400mm(最大)

   甲板240mm(最大)

   主砲塔660mm(前盾最大厚) 


帝国海軍の新型戦艦。

ロンドン海軍軍縮条約が期限切れを迎えたことで建造された新型戦艦3隻のうちの1隻である。


艦政本部(藤本案)が設計を進めている新型戦艦に不満を持った海軍の戦艦派が平賀譲に個人的に依頼したものであり、ハワイ攻略のために51サンチという前例のない巨砲を搭載しているのが特徴である。


外観上の特徴は艦首に集中配置された主砲と艦体後部の航空設備である。

長大な艦体後部に設置される航空甲板によって、水上機ではなく本格的な航空機運用が考慮されている。


1940年に油圧カタパルトが2基追加装備されている。

これは史実米軍の油圧カタパルトを参考にしたものであり、重量8tの機体を140km/hで射出出来た。射出間隔も40秒で実用的なものであった。


徹底した集中防御がなされており、バイタルパートは全長の半分以下となっている。主砲と副砲、さらに機関部に至るまで箱状に構成された強固なバイタルパート内部に収納されており、2万ないし3万mからの46サンチ砲弾に耐えうる防御が施されている。


バイタルパートの圧縮と高速を発揮出来るだけの出力を維持しつつ、省スペースという矛盾極まりない要求を満たすために主機にはターボコンパウンド・デルティックが採用されている。これは英国海軍で魚雷艇用に採用されているデルティックをターボコンパウンド化したものであり、極めて小型でありながらも比類なき出力と燃費を両立出来る超高性能ディーゼルであった。


信頼できる技術に拘る平賀はこのエンジンの採用を渋ったのであるが、英国海軍がクイーンエリザベス(QE)型高速戦艦の主機にディーゼルを採用していることに加えて、機関のメンテがエンジンの交換で済むので迅速に復帰出来るメリットを力説されて採用に踏み切っている。



※作者の個人的意見

史実の戦艦大和(平賀素案)を46サンチ砲3連装から51サンチ連装に手直ししたものです。ちなみに防御は弄っていません。対応防御という観点なら51サンチ砲防御にするべきでしょうけど、46サンチに耐えられれば十分だと思ったからです。計算がめんどいというのもありますけどw


ちなみに、ターボコンパウンド・デルティックなんてゲテモノ(誉め言葉)を主機に採用したのはQE型高速戦艦に搭載している艦船用デルティックの情報提供を求めたらネイピア社が押し付けて来たからです。新機軸を他所様で実験する英国の悪い癖が出てしまったようですw


でもまぁ、この世界のデルティックは信頼性は充分なほど確保されていますのでそれほど酷いことにはならないでしょう。定格を落として5000馬力で運用すれば5000時間くらいはノーメンテでいけるはず。実際はフル出力での運転なんかそうそうしないのでメンテまでの期間はもっと伸びるでしょう。定期点検でドック入りしたついでにエンジンを交換しちゃえば良いのです。


40基搭載ということは、1軸あたり10基ということになります。

搭載場所に困りそうですが、ターボコンパウンド・デルティック(C18)のスペックは全長3.15m、全幅1.65m、全高1.96mで5t未満という超小型なのでどうとでもなります。効率を突き詰めるなら多段配置してしまうのが正解でしょうね。その場合、出力を統合するギアボックスの設計で苦労することになるかもしれませんけど。


あとこの戦艦が建造されたら運動性は劣悪極まりないと思います。

全長が長いから直線だけなら30ノット出せるでしょうけど、トップヘビーなので史実ネルソンのようにタンカー呼ばわりされることでしょう。


計画案から油圧カタパルトを2基追加しました。

この時代に実用化出来たら、大概の日本機は発艦出来るでしょう。冗談抜きで航空戦艦になってしまいましたw






三菱 零式艦上戦闘機 二二型改


全長:9.237m   

全幅:11.0m    

全高:3.57m     

重量:2100kg    

翼面積:21.30㎡

最大速度:555km/h

実用上昇限度:11200m

航続距離:1100km(増槽込み:1500km)

武装:13.2mm機銃×2(翼内) 20mm機関砲×2(翼内)

  :30kg爆弾2個 or 60kg爆弾2個 or 30kg小型ロケット弾4発

エンジン:三菱 金星六二型 空冷星型14気筒 1560馬力

乗員:1名


1940年に制式採用された海軍の主力艦上戦闘機。

この世界におけるゼロ戦であり、その中身は史実の六四型もどきである。


史実の六四型は中島製『栄』の代わりに直径は大きいが出力も大きい自社製エンジンの『金星』を採用した機種であった。この世界では平成会の技術チートの恩恵で三菱のエンジン技術も加速しており、早期に金星を完成させたことで初期タイプから金星を搭載することが可能になっている。


機体の設計は史実と同じく堀越二郎が行っている。

全体的なシルエットは史実のゼロ戦と大差無く、曲面を多用した流麗なシルエットになった。


大きく違うのは厚板構造が採用されたことである。

板厚を増す代わりに主翼の桁数を減らしており、部品点数の削減と強度の維持を両立している。


この世界の日本では100オクタン燃料が潤沢に供給されているので、史実で装備されていた水メタ噴射装置とタンクは搭載されていない。噴射装置とタンクと水メタを合わせて200kg近い軽量化が可能となった。


浮いた重量は主翼内燃料タンクの自動消火装置とコクピット周辺の防弾装備に充てられている。そのおかげで、この世界の零戦は異様にタフでしぶとい戦闘機となった。


カタパルト射出に対応した装備を追加されたモデルは二二型改と呼称された。

戦艦紀伊に搭載された機体を急遽改造したためにこのような名称となったのであるが、他の機体も全てカタパルト射出対応に改修されたので改型は紀伊に搭載されたゼロ戦を指すことが多い。



※作者の個人的感想

やっぱりゼロ戦を出さなきゃというわけで、作ってみました。

なんのかんの言っても1500馬力級なので、この時代に出せば無双出来るでしょう。


自動消火装置は史実のキ83に装備されてたやつです。

タンク内に窒素を充填して被弾時に気化したガソリンが爆発するのを防いでくれます。これが有ると無いとでは大違いで、この世界のゼロ戦は被弾してもしぶとく生き残れるでしょう。


13.2mmと20mmの組み合わせ史実通りです。

金星の搭載でエンジンルームに余裕が無くなったので全て主翼装備です。


最初は20mm4丁積もうと思ったけど、すぐ弾切れになりそうなので止めました。12.7mも考えたのですが、そもそも史実の13.2mmはブローニングのコピーで命中精度も悪くないとのことなので、そのまま採用しています。


でも20mm4丁でもいけるとは思うんですよね。

史実と違って厚板構造で機体強度はあるし、長銃身の2号銃を使えばそこまで命中率は悪化しないはず。派生型で出すのはありでしょうね。






ブルックリン


排水量:9700t(基準) 

全長:185.4m 

全幅:18.9m

吃水:6.9m

機関:バブコック・アンド・ウィルコックス式重油専焼水管缶8基+パーソンズ式ギヤードタービン4基4軸推進

最大出力:100000馬力

最大速力:33.6ノット

航続距離:15ノット/10000浬 

乗員:868名

兵装:47口径15.2cm3連装速射砲5基

   25口径12.7cm単装高角砲8基

   56口径40mm4連装機関砲4基 

   70口径13mm連装機関砲2基

   エリコン20mm機銃24門   

   ブローニング12.7mm機銃8門

   カタパルト2基

   水上機4機

装甲:舷側127mm

   司令塔125mm

   甲板51mm

   砲塔165mm(前盾)

      38mm(側盾)

      51mm(天蓋)


旧アメリカ合衆国のヴィンソン計画によって大量建造されたブルックリン級巡洋艦のネームシップ。

同形艦は『フィラデルフィア』『ナッシュビル』『サバンナ』『フェニックス』『ボイシ』『ホノルル』他40隻。

 

旧アメリカ合衆国の主力巡洋艦にして、現在の米連海軍の主力巡洋艦である。

1943年の太平洋での戦闘によって太平洋方面に配備されていた20隻はほぼ全滅の憂き目に遭っている。



※作者の個人的意見

今回大量に沈んでくれたので、艦名を考える手間が無くなりました(酷






ウィンスロー


排水量:1850t(基準) 2597t(満載)

全長:116.15m

全幅:11.28m

吃水:3.96m

機関:水管ボイラー4基+蒸気タービン2基2軸推進

最大出力:50000馬力

最大速力:35ノット

航続距離:12ノット/6500浬

乗員:194名

兵装:38口径5インチ連装砲4門

   56口径40mm連装機銃1基

   70口径20mm機銃6基 

   投下軌道2条

 

同型艦は『ポーター』『マクダガル』『ウィンスロー』『フェルプス』『クラーク』『モフェット』『バルチ』他多数。         


ヴィンソン計画によって建造されたポーター級駆逐艦の3番艦。

これまでの旧式駆逐艦を一気に入れ替えるべく、60隻という異例の数が建造されている。


ポーター級の大量建造を脅威と見た日本海軍は、特型駆逐艦の高性能化を促進することになった。特型改3型(バッチ3)の建造と魚雷の高性能化に着手することになる。



※作者の個人的意見

60隻も作ると艦名に困るというのは贅沢な悩みなんでしょうねぇ。

史実だとフレッチャー級が175隻建造してるけど、艦名に苦労したんだろうなぁ。かといって、無味乾燥な番号にしてしまうと士気に影響が出てしまいますし、難しい問題ですよね。






呂号潜水艦(後期生産型)


排水量:914t(水上) 1089t(水中)

全長:72.7m

全幅:7.2m

吃水:4.1m

機関:三毘式ディーゼル2基+電動機2基2軸推進

最大出力:3000馬力(水上) 1600馬力(水中)

最大速力:17.5kt(水上) 13kt(水中:シュノーケル使用時) 10.5kt(水中:モーター使用時)

航続距離:8.5kt/3800浬(水上) 5kt/85浬(水中:モーター使用時) 25kt/10浬(水中:緊急離脱用ヴァルターロケット使用時)

乗員:40名

兵装:40口径8cm高角砲1基

   25mm連装機銃2基

   53cm艦首魚雷発射管4基(艦首)

   緊急離脱用ヴァルターロケット2基

   魚雷13本


帝国海軍に配備されている小型潜水艦。

1936年から各部の改良が実施された後期生産型が建造されている。


主な改良はソナーシステムの性能向上、射撃方位盤の改良、緊急離脱用ヴァルターロケットの装備などである。全般的な性能が向上しているが、その反面で魚雷の搭載数は減少している。


バランスの取れた性能と扱いやすさもあって、通商破壊や島嶼防衛、沿岸哨戒など様々な任務に投入されている。



※作者の個人的意見

拙作の自援SS『変態日本海軍事情―ヴァルター潜水艦開発編―』で描写した呂号潜の改良型です。


それにしても、呂号潜水艦が猛威を振う世界……紺碧艦隊かな?(マテ

蓋を開けたら米連がめっちゃ弱かった?(;´Д`)

いやいや、この世界の日本が強すぎるんですってばw


技術があってもノウハウが失伝してしまうとどうしようもないのです。

それこそ、史実ドイツがビスマルクを作ってしまったように。


もちろん、米連がこのまま終わるわけがありませんのでご安心ください。

より強大になって戻ってくるのは確実なのです。


>赤玉ポートワイン

日本の甘味果実酒のパイオニアです。

甘く濃厚な味わいで100年以上の歴史を持ち、現在は赤玉スイートワインとして親しまれています。


>オールドパー

吉田茂や池田勇人など政治家に愛されたウィスキーとして有名だったりします。

クラックルボトルというひび割れ模様の入ったボトルが特徴。


>「「「メイドレンジャー参上!」」」

意外とノリが良いメイドたち。

時折主人を逆レイプしたがるのが玉に瑕。


>「インシュロックで手足を縛っちゃえ!」

本編第25話『IRA』参照。


>連合艦隊参謀長宇垣纒(うがき まとめ)海軍中将

おいらの爺さまに所以があったりしますので、悪く書けないんですよねぇw


>史実では魚雷艇用のエンジンとして1950年代に実用化された。

この世界だと円卓チートで1920年代には実用されてたりします。


>ガスタービンを搭載前提で適切な重量配分で設計すれば問題は無い。

史実の白露型駆逐艦がやったように外板を厚くしてバラスト代わりにするとか、やりようはあると思います。


>蛍光表示管

白熱電球と比較すれば薄くて軽いし、省電力。

これはこれはもう使うしかないですねw


>『戦艦大和愛好会』

自援SS『変態日本海軍事情―新型戦艦建造編―』参照。

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― 新着の感想 ―
ハワイ独立かあ・・・正直この時点でここまで行くとは思ってもみなかったw アメリカ風邪で白人全滅したから、言われてみればそうなんだけど。 >「困りますよ? いざという時に公が居てくれないと面倒ごとを押…
 やたら強いな。アメリカが村松キャップにフルボッコにされた三面怪人ダダ見たいな事を言い出したぞ。
陸では間違いなく強いんだろうけど、太平洋でどうやって逆襲するんだろうか。やっぱり物量チート?
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