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本日最終話です。
アイリッシュはステファニーの顔に自分の顔をぐっと近づけた。
「ステフの瞳、近くでみるとアメジストみたいに輝いてる。紫の色がとても濃いのね。だから、離れて見ると色に気がつかなかった。」
あの件以降、瞳の色が変わるのではと思ったが、ステファニーの瞳の色に変化は見られなかった。だからこそ、瞳の色が心の色を表すなどやっぱり嘘だとみんなで話をしていたところだった。
「やっぱり、あの時に変わったのかしら。」
ステファニーは、首をかしげた。
「気がつかなかっただけで、最初から濃い紫だったのかもよ。だって、癒しの魔法が使えるオリビア先生だって青みがかった紫だったもの。ステフは、学園に通う前から癒しの魔法が使えたでしょ。きっとそうよ。良かったわね。これで、瞳の色をバカにする人達を黙らせられるわね。」
アイリッシュは、興奮気味に話した。
「いや、これは、ここだけの秘密にしよう。」
ブラッドリーだけは、あわてて公表することを否定した。
「どうして?本当は紫だって分かったら、ステフを変な目で見る人が減るのに。」
「だって、近づいてみないと分からないんだろう。それを口実にステフに顔を近づけてくる奴がたくさん現れたらどうする。危険すぎる。」
「ステフ、どうする?」
「確かにそんな方々が増えたら困りますわね。親しくない方に顔を近づけられるのは嫌ですわ。ここだけの秘密にしましょうか。エイミーもみんなに話しちゃダメよ。」
「はい。内緒にいたします。」
ステファニーの言葉にブラッドリーは、小さくガッツポーズした。そしてそんなブラッドリーをみたアイリッシュはため息をつき、お茶を飲んだ。
実は、ステファニーが瞳の色を他の人に話すのを秘密にしたのは、他の理由もあった。
瞳の色が紫なのを話せば、両親は喜ぶだろう。娘が黒い瞳だといじめられることがなくなるのだから。
でも、もし瞳の色が生まれた時からこの色だといわれたらどうだろう。闇などもたず、紫だったと。きっと両親は、自分自身を責めるんじゃないかと思った。なぜなら、ステファニーを黒い瞳だと初めに断定したのは両親だからだ。
生まれた時は闇などなく、黒い瞳だからと他人から隔離するような生活が闇の種をステファニーの中に作ってしまったのではないかと考えるだろう。そうなれば、間違いなく両親は自分自身を責める。それは、どうしても避けたかった。
確かに、黒い瞳だと言われ、辛いこともたくさんあった。人の愛を信じられないこともあった。でも、そのお陰で今は、瞳の色に関係なく、ステファニー自身をみて仲良くしてくれる人がたくさんいる。大切だと思える友達も出来た。
ステファニーは、今とても幸せだった。
そう、今のステファニーにとって瞳の色など重要なことではないのだ。瞳が何色だろうと、ステファニー・リッチモンドはただ一人なのだから。
今日まで読んで頂いてありがとうございました。
初めての小説で最後までちゃんと書けるか心配でしたが、なんとか最終話を迎えられました。
これからも、頑張りますので、感想や評価を貰えると嬉しいです。




