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今日も読んで頂いてありがとうございます。最終話まであと数話となります。
最後まで頑張りますので、よろしくお願いします。
ブラッドリーが、固まっているとまた誰かが入ってきた。
「ブラッドが、ステファニーとそんな関係だったとはな。詳しく聞かせてもらわないとな。」
「私も聞きたいわ。でも、プロポーズの前に、まずは交際を申し込むのが先じゃないかしら。」
今度は、ミルハント侯爵夫妻が入ってきた。
「どうして…。」
ブラッドリーは固まった。
「大事な息子が命をかけてステファニーを救っているなんて聞いたら飛んでくるだろう。」
カーティスは、ブラッドリーの頭をガシガシ撫でた。
今度は別の声が聞こえてきた。
「今回は、三人が無事に助かったから良かったものの、どうしてお前は後先考えず行動するんだ。アイリッシュ、聞いているのか。」
ミルハント侯爵の後ろからは、アイリッシュの両親であるモンタギュー伯爵夫妻が入ってきた。
「お父様、それは…。」
父親の怒りにアイリッシュもビックリして固まった。
「どうか、アイルを叱るのはやめて下さい。二人は、私の命を救ってくれた大切な友達です。怒るなら、もともとの原因である私をしかってください。」
ステファニーは、二人の為に頭をさげた。
「二人には、ステファニーを助けて頂いて本当に感謝している。私達からも二人を叱らないようお願いしたい。本当にありがとうございました。」
そういうと、アルフレッド、マリアンヌ、セドリックも頭を下げた。
それにモンタギュー伯爵は、驚いた。
「リッチモンド侯爵、頭をあげてください。今回は、娘を不問とします。侯爵に頭をさげられてお願いされては、受け入れるしかないではありませんか。」
モンタギュー伯爵は、困り顔で答えた。
「僕もブラッドリーを叱ったりしないさ。むしろよくやったと誉めてやらないとな。」
カーティスとメイリーンは笑顔でブラッドリーを見た。
親たちの言葉にアイリッシュとブラッドリーは、安心し胸をなでおろした。
その後、ステファニーの闇は他生徒に被害が及ばなかったこともあり、続けて学園に通う事が許された。今回の件で噂をされることもあったが、アイリッシュとブラッドリーと一緒に乗り越えた。
そして、ステファニーは、自分の気持ちをはっきりと言うようになったからか、前より明るくなった。友達も増え、楽しく学園生活を送っている。
生徒会長のエドワードだが、あの件以降学園には登校しておらず、副会長のクラークが代わりに会長の仕事を行っていた。これに関してもさまざまな噂がたったが、真相は分からなかった。
クラークに訪ねても、
「エドワードが登校するには、たくさんの壁を乗り越えないと無理だろうな。」
と、誤魔化すだけだった。




