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あれから、ステファニーは、ますます教室に居づらくなり、図書館や中庭で一人で過ごした。そして、エドワードからは距離を置くようになった。

そんなある日ステファニーが中庭で本を読んでいると、エドワードがやってきた。

「なんか元気が無いね。何かあった?そういえば、最近図書館で見かけても挨拶してくれないじゃないか。どうして?」

エドワードはステファニーの隣に座った。

「実は変な噂がたってしまいまして。エドワード様にもご迷惑をかけて申し訳ありません。」

「そのことか、大丈夫だよ。確かに僕は君の事が気になってるし、ついつい君の姿を探してしまうことがあるからそれも原因かもしれないし。」

「それは、どういう意味ですか?」

ステファニーは、エドワードの言葉の意味が分からなかった。

「そのままの意味だよ。僕は君を気に入っているんだ。はっきりと言えなくてごめん。察してくれるとうれしいな。」

ステファニーは、エドワードが自分に好意を向けてくれると理解し頷いた。

「さて、そろそろ行かないといけない時間だ。僕は君の力になってあげたい。だから、なんでも相談してくれ。分かったね。」

そういうと、エドワードはステファニーの頭を撫でて帰って行った。

ステファニーは、エドワードに向けられた好意がとても嬉しかった。同情ではなく、ステファニーを気に入っていると言われたことがステファニー自身を愛してもらったように感じていた。

それから、ステファニーは、エドワードを心のよりどころにするようになった。アイリッシュやブラッドリーに相談していたように、エドワードにもいろいろ相談した。そのたび、エドワードは、ただ話を聞いてくれるだけだったが、

「そっか。大変だったね。」

その一言をもらえるだけで心は癒された。

そして、エドワードの優しい笑顔が、ステファニーは大好きだった。優しい笑顔を向けられるといつも自分は愛されているんだと感じていた。エドワードならすべてを受け入れてくれるのではないかと思った。

そしてある日、意を決して癒しの魔法が使えなくなったことを相談した。

「エドワード様、実は最近癒しの魔法が使えなくなってしまったのです。」

「え!癒しの魔法が…。何か理由があるのかな?」

「詳しくは言えないのですが…。」

ステファニーは、詳しく理由を説明出来ず下を向いた。

「そっか…。ステファニーは、他の魔法も使えるのかな?」

「いいえ、ありません。私には癒しの魔法しかなくて。それが使えなくなって、どうしたらよいか分からないんです。」

「そっか。でも、ずっと使えなくなったって決まったわけじゃないし。大丈夫だよ。」

そういうとエドワードは、ステファニーの頭を撫でて励ました。

「そっか。癒しの魔法が使えなくなったのか。それは残念だね。」

エドワードは独り言のように呟いた。

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