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緊張がほぐれぬまま、馬車は学園についてしまった。
「ステファニー様、いってらっしゃいませ。授業が終わる頃お迎えにまいります。」
「わかったわ。行ってきます。」
ステファニーは、深呼吸するとすっと前を向いて歩きだした。
入り口には、ブラッドリーとアイリッシュが待っていた。
「「おはよう、ステフ。」」
「おはよう。ブラッド、アイル。」
ステファニーは、笑顔をひきつらせながら二人に挨拶した。
「すごい顔が怖いよ。大丈夫かい?」
ブラッドリーは、すごい心配そうにステファニーを見ている。
「なんとか…。」
「ステフ、大丈夫よ。私達がいるから。もし、変な事言われたら私が懲らしめてあげるから。さあ、行きましょう。」
アイリッシュは、ステファニーの手を握ると歩きだした。
学園で、ステファニーのことは、すでに噂になっていた。珍しい科目等履修生であり、しかも黒い瞳である少女をみんな興味津々で見ていた。
「何か見られてる気がする。」
「大丈夫よ。気にしない。さあ、胸を張って。」
アイリッシュに励まされながらステファニーは学園を歩いた。
今日は、学園内の説明を受けたあと「魔法の発動と制御」の授業を受け、午前中には授業が終わる。
「ステフは、今日は午前中だけ?」
「うん。午前中授業を受けたら帰るわ。」
「残念だわ。今度、学園の食堂でランチ一緒にしましょうね。」
ステファニーを職員室まで案内すると、ブラッドリーとアイリッシュは自分たちの教室に戻っていった。
「じゃあ、また後でね。」
自分が受ける授業の担当教師に挨拶がすむと、一人の生徒を紹介された。
「初めまして。生徒会長のエドワード・ディルエダです。」
「もしかして、エドワード王子でございますか。失礼いたしました。ステファニー・リッチモンドでございます。」
ステファニーはあわてて、深くお辞儀をした。
「やめてくれ。学園ないでは、爵位や王位などは関係なく同じ学生として生活することになっているんだ。僕は、ただの生徒会長だよ。さあ、頭をあげて。」
「わかりました。」
ステファニーは、頭をあげたが目を見ることは出来なかった。
(王子に瞳をみせるのはまずいわ。)
「君が黒い瞳なのは、知っているよ。大丈夫。顔をあげて。」
ステファニーは、おそるおそる顔をあげた。
「さあ、学園を案内しよう。」
エドワードは、ステファニーの瞳を見て何も言わなかった。
エドワードに連れられ、ステファニーは学園を歩いた。実習室や図書館など学園の建物の中から中庭まで丁寧にエドワードは説明してくれた。休み時間になったのか、廊下や中庭には生徒がたくさん歩いていた。
「セドリック様だわ。」
「一緒に、いるのは誰かしら。」
「噂の黒い瞳よ。」
「怖いわ。目を合わせたら大変よ。」
いろんなところから声が聞こえた。




