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突然抱きしめられたステファニーは、驚いて固まってしまった。
「ごめん、ステフ。つい嬉しくて…。」
ブラッドリーは、あわてて離れた。
「大丈夫ですよ。では、改めてこれからもよろしくね。」
ステファニーは、ブラッドリーに手を差し出し握手を求めた。
「わかった。よろしくね、ステフ。」
ブラッドリーとステファニーは握手すると笑いあった。
それから、ステファニーの屋敷には、ブラッドリーとアイリッシュが遊びに来るようになった。
アイリッシュが遊びにくるようになり、屋敷の者は喜んだ。
初めて屋敷にアイリッシュが来た時、マリアンヌに紹介すると、
「ステファニーに女の子の友達ができるなんて。」
と、涙を浮かべるほどとても喜んだ。
そして。セドリックに紹介した時は、
「ぜひ、ブラッドリー殿がいらっしゃる時にはアイリッシュ嬢もいらして下さい。我が家はいつでも歓迎ですので。」
と、アイリッシュの手を握り歓迎の意をしめした。
挨拶が終わると、アイリッシュとステファニーは、庭園を散歩した。
「ステフ、いくつか聞きたいことがあるんだけど。」
アイリッシュは、ステファニーに首をかしげながらきいた。
「何かしら?」
「歓迎されるのは嬉しいんだけど、ちょっと大袈裟じゃないかしら。」
「今まで、ブラッドしか来たことが無かったから。女の子が来てくれて喜んでいるだけよ。」
「そうなのかしら。それと、ブラッドって何かやらかしたの?」
「え?なんで?」
「セドリック様がブラッドがここに来るときに私もきてほしいっておっしゃったでしょ。何となくブラッドとステファニーが二人きりになるのを危険視しているような…。」
「そんな事はないわよ。ただ、三人の方が楽しいってことじゃないかしら。」
「それだけじゃない気もするけど。わかったわ。セドリック様の願いお受けしますわ。」
アイリッシュは、ステファニーにまかせなさいと胸をはった。
(みんなきっと私が人と繋がるのが嬉しいだけだわ。大丈夫。私は大丈夫よ。)
アイリッシュがとても社交的であり、女の子同士ということもあり、ステファニーとアイリッシュは急速に仲良くなった。そしてやがて、アイリッシュをアイルとよぶようになった。
セドリックの願い通り、アイリッシュはブラッドリーが来るときは出来るだけ遊びにきた。
ステファニーは友達が集まってお茶が出来ることを喜んだが、ブラッドリーはなぜか機嫌が悪い。




