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「ステファニー・リッチモンドでございます。ミルハント侯爵婦人メイリーン様、本日はお招きありがとうございます。」

ステファニーは、優雅に挨拶をした。

「ずっとお会いしたかったのですよ。さあ、あちらにお茶の用意がしてますの。姪のアイリッシュもいますのよ。」

メイリーンは、ステファニーを庭へと案内しようとした。いざ歩き始めようとした時、クルッとブラッドリーをみると嫌そうに話を始めた。

「そういえば、ブラッドも一緒にお話したいのですか。」

「もちろんです。母上。」

ブラッドリーは満面の笑みをメイリーンに向けた。

「せっかくかわいい女の子達だけでお話したかったのに。女子の会話に入るなど。」

「ステファニーは、恥ずかしがりやなのだとお話したではありませんか。一人ぐらい知人がいないとかわいそうです。」

ブラッドリーは、絶対引くまいと笑みは崩さずはっきりと言った。

「わかりました。でも、私達の邪魔はしないでね。」

メイリーンは、諦めたように歩き始めた。

「ステフ、大丈夫?疲れなかった?」

ブラッドリーは、ステファニーを気遣うように声をかけた。

「ブラッド、ありがとう。大丈夫よ。」


庭の東屋では、アイリッシュが先に座っていた。

「アイリッシュ、ステファニー様がいらっしゃいましたわよ。」

アイリッシュは、スッと立ち上がると深くお辞儀した。

「アイリッシュ・モンタギューにございます。本日はステファニー様にお会い出来て本当に嬉しいです。」

「ステファニー・リッチモンドでございます。今日はよろしくお願いします。」

挨拶が終わると四人は椅子に座り、お茶会が始まった。

「メイリーン様、今日はお招きありがとうございました。そして、先日は月下美人をありがとうございました。直接お礼を申し上げるのが遅くなりまして申し訳ありません。今日は、メイリーン様とアイリッシュ様にお花とポプリを持ってまいりました。気にいっていただけると嬉しいのですが。」

ステファニーは近くにいるメアリーに声をかけると二人に花束とポプリを渡してもらった。

「まあ、素敵なお花。先日いただいたお花も綺麗だったけど、今回いただいたものもステファニー様みたいにとてもかわいらしい。ありがとうございます。」

「このポプリもとても良い香りですわ。ステファニー様ありがとうございます。」

二人がとても喜んでくれて、ステファニーは、ほっと胸をなでおろした。

「実は、ブラッドにステファニー様の話を聞いてずっとお会いしたかったんです。」

アイリッシュは、ステファニーをみると微笑んだ。

「私もずっとお会いしたかったのですよ。ブラッドからステファニー様はお花のようにかわいらしいと聞いていましたか、お噂通りのかわいらしい方ですわ。私もステファニー様みたいなかわいらしい娘がほしかったわ。」

メイリーンも、ステファニーを見ると微笑んだ。

ステファニーは、もしかして二人は黒い目の事を知らないのかと思った。黒い瞳を知っていたら、そんな風にステファニーを思うことなどあり得ないからだ。

(瞳を見られたら、きっと二人を不快にさせてしまうわ。)

ステファニーは下を向き、瞳をかくした。


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