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ダーティー・スターという男

街の大いなる危機に大国アドで伝説の存在

《煉獄のアルケミスト》を探すリュカ

そこでリュカはアルケミストの妹だと言うアシュラに出会う。

兄を探すアシュラと共に「星は惹かれ合うという」

兄の言葉を信じマオーヌ地方の星ライアン王の元を訪ねたリュカであった。




「血で払ってもらうぞ!!

 ……ぜぇーぜぇーぜぇ ヒュ―ヒュ―  ごっほっごほ。」


威勢よく吼えたライアン王、そのライオンのような毛並みと牙はまさに百獣の王と呼ぶにふさわしい獅子のようだしかし何故だろうか星の貫禄が何か心もとない。


「弱そう。」


「失礼だがその通りだな。」


「違うのです!あの状態では先生は力を発揮できません。

 先生に光を当てるな!みんな傘だ!」


すると素早く生徒たちが傘を持ってライアン王の元に影を作るように陣形を組んだ。

すると見る見るうちにライアン王の肌ツヤは良くなり体も肥大化していく、

そしてライオンのような毛束は逆立ちうねり始めた。


「はーっはっはっは、勢い余って広場などに出たのが失敗だった。

 お前たちたちよ決して影をずらすのではないぞ。一撃で決める。」


「キサマなぜここにいる。」


「決まっているだろう貴様らのお仲間は全て!

 この私が!堪能してやった。不味かったがな。」


「キサマァァ!」

侵入者の男は大きなつぶてを投げつけた、

男の体半分はあるのではないかとという大きな塊だった。


「よく見ろ貴様私は今影の中だぞ。そして何気なく砂たちを狙うな。」


ニヤリと笑みを浮かべ臆することなくライアン王は礫の前に移動する。それに伴ってライアン王が砂と呼ぶ生徒たちも影をスライドさせる、そして飛んできた礫をあろうことか拳で殴り返した。殴り返された礫は飛んで来た倍の速度で男にまっすぐに飛んでいった。


「そんな、ばかぁな。いぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


どしんと大きな音を立て石は男の上でとん挫していた。

男は逃げようとするが石はビクともしない、男はバタバタともがいていた。


「砂たちよ捕獲し洗いざらい吐き出させろ!」


「はっ!」


ライアン王の強さにこれが星と呼ばれる者の実力なのかとリュカは感動した。


「旅のお方よ、これがかのライアン王でございます素晴らしいでしょう。

 あのドラキュラ一族でありながらこの熱砂の大地で民を束ね信頼を勝ち取り、

 そして何度も厄災を退けた、それがドラキュラード=ライアン王そのものです。」


「いかにも私がライアンだ。

 砂たちよ傘を1つ私サイズの物をそうそれだありがとう。何か用ですかな客人。」



傘をさしたままかなりの距離をジャンプしてこちらに飛んできた、

スケールの違いを感じていると大きな傘を差してライアン王は言った。


「ガンズイお前も挨拶はしておるのか?」


「すいません申し遅れました。私ガンズイと申します、

 一応ここの生徒たちのリーダーでございます。」


「恐れ入ったライアンどの私はリュカ。」


「わたしはアシュラよろしく。」


「早速だが《煉獄のアルケミスト》について何か知らぬだろうか偉大なる王よ、

 私達は彼を探して旅をしているのだ同じ星として何か知っておるかと思うのだが。」


「わたしの兄さん、知りませんか?」


「むむ驚きました妹さんがいたとは、そうですかかのアルケミストどのをお探しか、

 私と並び立つ武勇そして狙われる身でもある。私はこうやって危険に晒しながら生きておるが

 彼はそういうタイプではない。今人気物ですからな色々な意味で。」


「色々な意味とは?」


「シンプルに!狙われているといった方がよろしいか。我々星の中ではトレンドな話題ですぞ!

 アシュラ殿あなたのお兄さんは今狙われている、そう簡単に会えはしないでしょうな。」


「兄さんが...」


「そう暗い顔をするものではありませんよ、少し移動しながら話しましょう。

 そしてリュカ殿あなたに話したいお話があります。」


『さすがとしか言う他ないな、やはり感ずかれているか。』

「砂たちよ少し出かけるガンズイあなたは付いてきなさい。」


「はい!先生。」


すると地面からいかにもなドラキュラ御用達の黒い馬車が現れた、

馬車を引くのは勿論コウモリ馬だ。


「諸君三人に着いて来てもらうのは他でもない。奴らのアジトに、

 そう《黒猫》には今日をもって解散して頂きます。それではコウモリ馬よ引けえぇぇぇぇ‼」


「?!?!」

「?!?!」

「?!?!」


三人があっけにとられている間に馬車は物凄い勢いで馬車を引く、きもーち少し馬車が浮いている気さえする。いや浮いている、小さなコウモリ馬が馬車の下にも入り込んでいるようだ。


「なぜ急にライアン王よ!」

「そうですよ先生!」


「なぜと言われましてもあれは良い噂は聞きませんし、ギリギリ私の国の領地内ですし。

 あなたも無くなった方が良いのではリュカ殿、やつらあなたの名前を言っていましたぞ。」


『何!?やはり手のものが』


「気になって居たのですがリュカ殿あなた《ウキヨエ国》のものでしょう?」


「…さすがですライアン王。その通り私はウキヨエ国から国の危機を救うため

 《煉獄のアルケミスト》様を探しに旅に出たのです。」


「リュカウキヨエ国の人だったの?」


「そうでしょうな人間のアシュラどのには分からないでしょうがリュカ殿からは

 私と同じ魔物の香りいや妖気といった方がとよろしいのか?

 まあ純潔のヴァンパイアである私にはすぐわかりましたよ。というとあの噂は本当でしたか。」


「はい国では怪事件の数々から盗みや辻斬りなど多くの事件が起きています、

 国では三年前の大乱を彷彿とさせる嫌な雰囲気が蔓延しています。」


「そしてあれも盗まれたと。」


「あれって何?」


「あれというのは丸薬のことだ。我々ウキヨエ国の者は基本的に半妖だ、

 人にも化けられるが通常体のどこかに妖怪の部分を残している。それを隠すのが

《人体変化》だ今私もその状態である、

 そこから半妖の姿に戻ろうとする時丸薬というものが必須なのだ。

 それが工場から丸ごと盗まれた今我々は他地域との交易をやりにくい状態なのだ、

 この姿ではどうしても相手を脅かしてしまう。まだあの姿におびえる物も多い、

 丸薬は我々の社会のつななのだ。」


「大変でしょうな、しかし見てみたいですなリュカどのの妖の姿というのも。」


「わたしも気になる!」


「大したものでは無い。ただ我らの一族がその姿にならねば本力を出せないのも事実、

 私の友人が次にできた丸薬を届けてくれる手はずなのだが。いつになるのやら。」


「リュカがよーかい…」


シェラは目を輝かせていた、私の妖怪の姿がよほど気になるのだろう。

ガンズイは静かに三人の話を聞いていた。


「ライアン王は何でアジトがわかったの?」


「それはですな私がやつらにわざと捕まった時、

 やつらは間抜けなのか私に聞こえるようにアジトの場所を話していました。

 それからやつらを八つ裂きにしてラフォーレに戻りました。

 …殺しては居ませんよ♡」


「ただし罠でしょうな大概。こういう時は罠と決まっている、

 しかし近頃このマオーヌでも不穏な影があるのも事実。

 何か()()があるかもしれません。

 ぜひお二人と私の一番弟子にも修羅場を見せてあげようと思いましてね。

 成長出来ますぞはっはっはっはっは。」


「しゅらば?!」

アシュラはとても嫌そうな顔をしている。その時コウモリ馬が足を止めた。


「着きましたかな。」

四人が下りるとコウモリ馬はまた地下に姿を消した。


「着いたようですな《ランプ渓谷》、

 別名明かりが無ければ進めない谷ですがどうやら明かりの準備はあるようですね。」


谷には私たちを導くように明かりが壁に沿って無数に付けられていた。


「日も静まりましたし私も本気が出せそうですよ。

 リュカ殿の本気が見れないのは残念ですが良い経験にして下さい、

 なぁに私がいれば死人はださん!!」


狂気を宿したライアン王を先頭に四人は谷に下りて行った。






_______《黒猫》アジト

「やつらまんまと入って来おったな。

 黒猫の雑魚どもには用はないせいぜい時間を稼いでくれればそれでいい。」


「ガルダ出番ぞ。」


「ブオブォオォォォォォ!!!!!!」


「くくくくく、これでリュカ=オズワルドの死体が見れる。ガルダの面倒は頼んだぞ。」


「言われなくても、この俺様にしかできないだろうがじじいが。」


『生意気な真の反逆のカリスマなどど調子に乗りおって。まぁいい貴様も…』


「じじいお前は俺に任せておけばいいのだ。いくぞガルダ。」


「ブオブオブォォォォォォォォォ!」



洞窟入り口_______________________


谷を下るといかにもという大穴がぱっくりと口を開けて待っていた。そこはまさに魔物の口のように入ってくる獲物を待っている。


「いかにもだな。」


「そうだな。」


「こわい。」


三人が言葉を漏らす中ガンズイは静かに後ろをついてきていた。ガンズイという男ライアン王の前ではなんと大人しい。


「リュカはなんの妖怪なのかなー。」


シェラはまだ言っている。少々しつこいくらいに、しかも凄く悪い顔をしている。自分は魔法使いであるという秘密を言ったのに自分だけ秘密を隠していたことが余程気に食わないのだろう。



道中黒猫の暗殺者どもが襲いかかってくるがライアン王は羽虫を避けるかのごとく入口の方に放り投げていた。「貴様らは本日で解散でーす。」と言いながらほいほいと暗殺者を投げていくライアン王はまさに狂気の人であった。



「私の予測ではこやつらなどでは無くもっと()()()()()が罠を張っていると思っていたのですがな。検討違いでしたか。」


「ライアン王流石です、ここまでお強いとは。」


「褒めても何も出ませんぞ。はっはっは」


「褒めなかったらなにかでるの?」


「アシュラどのは面白いことを言う。」


何故か道中はライアン王が凄すぎてむしろ和やかに進んでいた。


「緊張感が足りないな。」


何者かの声に一気に緊張が走った。そこは洞窟の中でも少し開けたドーム状の広い空間であった、シェラとリュカ達が警戒する中ライアン王は落ち着いていた。



「やあやあ俺の名前はバタフライ・スター。

 貴様ら特にリュカ=オズワルド君お前だけは確実にお命頂く。」


「お前が私に黒猫の輩を仕向けたのか!」


「そうだ、何か文句でもあるのか?」


「目的はなんだ!」


「分かっているだろう、三年前と同じさ。御託はいい行かせてもらう。」


「リュカ殿ここは私に任せていただこう。」


「ほぉう かのライアン王がお相手か、ならば出し惜しみは無しだ。ガルダ!!」




『ブォォォォォ。 ブォォォォォォォ!!』


「なんだこの気味の悪い声は。」


「こいつはトロールとゴブリンのハーフ、

 素早さと怪力を持った化け物、ガルダァァイッツショウタイム!」


『ブォァァァァ!!!』


現れたのは相手をすり潰すと言わんばかりの粗末な棍棒とトロールにしては筋肉質で知能を感じさせるギラついた目、そしてゴブリンにしてはあまりに大きすぎるサイズのモンスターであった。


「そして俺様バタフライ・スター様は一級の暗殺者、

 そう《反逆のカリスマ》とは俺のことを指す。俺たちの二重攻撃をかわせるかな?」


するとガルダとバタフライ・スターはものすごい速度でドーム状の洞窟を様々な角度で跳躍し始めた。特にガルダはあの巨体で右へ左へ、上へ下へと的を絞らせない程の速さで移動していた。



「ここが貴様の墓場だ大王!」


ガルダとバタフライ・スターが同時に飛び出す、ガルダの生き物をすり潰すような棍棒と

バタフライ・スターの奇っ怪な武器がライアン王に襲いかかる。


「ライアン王!!」



しかしライアン王は落ち着いていた。その場の誰よりも落ち着いていた。


「私の力はこの熱!太陽を克服するためこの熱砂の大地で天から!

 地から体を焼かれ克服すること叶わなかったが、しかしその熱は我の力となった!

 民を照らし悪を焼き尽くす。俺の炎は国のための炎だ。燃え尽きろ!」



ライアン王が『燃え尽きろ』と唱えた瞬間であった。ライアン王の体から高熱が前方に吹き出したのであった、その熱は後方にいたリュカ達ですら火傷をしそうな程に感じた。


「折角の暗闇の中ドラキュラらしく倒しても良いのですが、

 私の客人を殺そうと言うやつには熱砂の炎がお似合いでしょう。」


「お二人ともこれがライアン王が《炎龍の尻尾》と呼ばれる所以です。

 太陽を克服しようとし、失敗の末に自らの体に太陽を宿したお方。」


「まぁ使いすぎると自身も火傷しますがな。はっはっは

 お前達は悔い改めろ、生き物は簡単に殺して良いものではない。慈しみを知るがいい。」



「くそうくそうくそぉー、俺はダーティー・スターみたいにはなれなかったがだかやはり奴は本物だ。 ダーティー・スターは本物の反逆のカリスマだった我らを毛嫌いし、しかし目的のためなら手段を選ばず我らとも組む。やつは正確には目的のためなら反逆を厭わない、真の反逆のカリスマというわけだ。」ぶつぶつ




ガルダは黒焦げになり全く動かない、バタフライ・スターは辛うじて躱かわしたが足を焼かれ動かないでいた、そして意味のわからない文言を小さい声でぶつぶつと唱えていた。




「三人とも()()()準備をしなさい。当たりを引きましたよ。」

ライアン王が言ったその時暗闇から何かが滑ぬめりと這い出た。それは黒く黒く闇に溶け込んでおりその男と暗闇の境界はとても曖昧あいまいであった、その男こそまさに正真正銘《殺し屋》という言葉が似合う男だった。


リュカ


◆主人公 ウキヨエ国出身 半妖


持ち物:王家の七つ道具

残り6個。 その内の一つ《絶えずの××××》



アシュラ(シェラ)


◆《煉獄のアルケミスト》の妹

魔法使いであり、光を操る。


ヴァイオリンを弾ける。



《煉獄のアルケミスト》

◆アシュラの兄


◆運命を変える者をそう呼ぶ



ライアン王

◆マオーヌの王であり星と呼ばれる者の一人  ヴァンパイア  基本的に傘をさしている。


《炎龍の尻尾》と怖れられている。


その力は日光を浴び続けたことで体に宿った太陽ともほぼ等しい熱量。 素でも強い。



バタフライスター

◆反逆のカリスマ 黒猫の一味?


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