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【第47話】私、やっぱり許せません

大変お待たせ致しました( ˘ω˘ )


感想ありがとうございます!

とっても嬉しいです!!


誤字報告ありがとうございます。

申し訳ございません。

2023/02/03修正いたしました。



「はわあああっ」


私たちは今神殿に来ている。

初めて入る神殿は、かなり前世での教会のイメージに近い。


私が声をあげたのは、ステンドグラスを見てのことだが、ステンドグラスそのものにではなかった。

ステンドグラス背景のお兄様を見られると分かり、その期待に声が漏れてしまったのだ。


ステンドグラスも綺麗だが、ステンドグラスとお兄様、どちらが綺麗かと言われたら、お兄様一択なので。


「アメリアは神殿が気に入ったのかな?」

「はい!お兄様の背景として、申し分ないかと!」

「……うん?申し分…?」


私たちは、お母様とお父様がお布施をしている間、大聖堂の椅子に座っているように言われ、二人で歩いて向かっているところだった。


「見てください!あのステンドグラスなど…お兄様を、より引き立てると思いませんか?!」

「……圧倒的にステンドグラスの方が綺麗だと思うんだけど……」

「お兄様の方が綺麗です!!絶対ですよ!!」


拳を握って前のめりになる私に、途中で耐えられなくなったのか、お兄様は片手で顔を覆ってそっぽを向いてしまった。


「アメリアったら…本当に、もうっ……」


(ああ!!照れても手は繋いだままでいてくれるお兄様、プライスレス!!)


実は、お母様に「はぐれて迷子にならないように手を繋いでね」と言われて、手を繋いでいたのだ。


両手で覆いたいのを、片手で我慢するお兄様も素晴らしい。


おかげで私は、迷子になりそうなところだと、お兄様と手を繋げるという事を覚えてしまった。


(ふっはっは!25歳児がそう簡単に迷いはしないけど、役得、役得!!)


幼児であるメリットを、存分に味わう私だった。



神殿は、月末に魔法発現の洗礼を行っている。

その月に誕生日を迎えた10歳の子供達を、纏めて洗礼しているのだ。


私たちハワード家も、6月末日の今日、先日誕生日を迎えて10歳になったお兄様の洗礼を受けに来た。


勿論、6月生まれの子供は他にもいるので、チラホラと子供連れが居るが、私はお兄様しか見えない。

私の目はイケメンを鑑賞するためにあるので。


最初はお兄様も、人前に出るのを不安そうにしていたが、隣にいる私の方が手が焼けるのか、今はあまり周りを気にしていないようだった。



大聖堂に入り、入り口に近い、祭壇からは遠い席の端っこに座る。


儀式では一人ずつ祭壇の前に出て洗礼を受けるそうなので、その時に、祭壇の奥の高いところにある、この教会最大であろうステンドグラスの前に立つお兄様が見られるだろう。


今日のお兄様の衣装を見た時、私は震えた。

神々しいが過ぎたのだ。


儀式用にあつらえた衣装は純白で、縁取りや、襟元の刺繍は全て金。

マジ王子様で、マジで神だったのだ。


他の子供達も同じような衣装ではあるが、申し訳ないが全くの別物に見える。

よく言って、ぽちゃ天使vs(たい)最高神みたいな感じである。

同じ純白でも、そこには隔絶した差がある。



家系に出てきた魔法を参考に、あの魔法もお兄様に似合う、アレでもいいな、などとお兄様とおしゃべりをしていると、聞き覚えのある声が聞こえて来て、そっと後ろを見やる。


「父上、僕も父上と同じ炎の魔法が良いです!」


(おっまっえっかーーーい!なんでよりによって、同じ6月なんだよぉ!)


マルセール家のカインだった。


お兄様とカインが会う機会などない方がいい。

彼が理性の人では無いのは明白だから。

それなのに、お兄様と同じ年で同じ月に生まれてたなんて。

今後お兄様と同じ時期に、学園に通うということだ……。


神は試練も与える存在だという事を思い出した…。



(最悪だ……。何も無いと良いけど……)


私はすぐにカインの方から目を背けた。

高位貴族から話しかけられなければ、目下のものから声をかけてはいけないという作法を、あえて利用させてもらう事にした。


「おや?……そこに座って居るのはハワード家のアメリア嬢ではないかな?」


(ああああああああっ)


見事、私の目論見はぶち壊された。

カインの父、マルセール公が私に気がついてしまったのだ。


声などかけたく無いのをグッと堪えて、にこやかに立ち上がる。


「…覚えていてくださったのですね。お久しぶりでございます。ご機嫌よう…マルセール公爵様。カイン様も、先日はお茶会を楽しませて頂きまして、ありがとう存じます」


公爵はニコニコだが、カインは既に意地の悪そうな笑みを浮かべている。


「やぁ、やはりそうだったか。相変わらず愛らしいね、アメリア嬢は」

「やぁ、アメリア嬢。お茶会以来だね。…今日は兄君の付き添いかな?」


(これは、お兄様も挨拶しなきゃだ……最悪も最悪だ!)


「はい。隣が兄ですわ…」

「お初にお目に掛かります。ハワード家長男、ユリシスでございます。どうぞ、お見知り置きを」


立ってはいたが、控えるようにして顔を俯けていたお兄様は、一歩前に出て顔を上げて挨拶をした。

お兄様は頭を下げたあとは、また少しだけ顔を俯けた。


顔を見せるのが不敬な事であるかのような、”気を遣ってそうしている“という振る舞いだった。


(これがこの世界の常識なの?!)


「……なるほど。これはこれは……話に聞く通りだ。レーバン・マルセールだ。こちらが、当家の跡取りのカインだ」


にこやかだったマルセール公は、憚りもせず顔をしかめ、カインは盛大にオエっみたいな顔をした後、目を逸らしたままに挨拶した。


「カイン・マルセールだ。アメリア嬢のような妹がいて、本当に幸せ者だね、ユリシス殿は」

「「……」」


流石関わりたく無い家No.1のマルセール家の親子だ。

隠しもしない嫌悪の表情とカインの言葉に、思わず無言になってしまった。


(本当に、この親にしてこの子ありなんだよなぁ!なぁーにが話に聞くじゃ!なぁーにが幸せ者だねーっだ!)


「ええ、アメリアが居てくれて、本当に僕は幸せ者です」


そう言ってこちらを見たお兄様は、あんな事を言われたのに、私に甘い笑顔を向けていた。


(甘ぁぁあいっ!私が居るのが幸せって、真に受けて良いですかぁ?!)


「ふふふっ。お兄様ったら……」

「「……」」


見つめ合う私たちに、今度はマルセール公爵家側が無言になった。


「……どうやら、お茶会で聞いた通りのようだね。せっかくアメリア嬢()こんなに美しいのに、残念だよ」

「あらカイン様。お言葉ですが、私は残念になど思っておりませんの」


思わず反抗的な事を言ってしまう私。


(()って強調すんなー!ダメだああ!お偉い様相手でも許せねえええ!)


「まぁ、いつかアメリア嬢の趣味が変わって、後悔しないといいね?」


(ねーーよっ!)


「ご心配には及びませんわ」


ニッコリ言う私にカインは一瞬見惚れたかのような顔をしたが、すぐにまた嫌な顔に戻った。


(この美幼女の事は諦めてくださいねぇ!)


「そう。じゃぁ、僕たちはもう行くよ。いつまでも目に入れていたいものでも無いしね」

「ああ、そうだな。それではね、アメリア嬢」

「……ご機嫌よう」


お兄様は頭を下げるだけで見送った。

私だけを指して挨拶するマルセール公へ、頭を下げてあげるお兄様は心が広い。


「ごめんなさい。お兄様……。私が反抗的な事を言ったから、余計に嫌な事を言ってきたのだと思います」

「いや。アメリアは悪く無いよ。あれくらいが普通だからね。それにしても……カイン様にも話したのかい?」


あれくらいが普通だというお兄様に、この世界の現実を、まざまざと突きつけられた。

表立ってであれでは、見えないところではもっと酷いに決まっている。


「……はい。カイン様の婚約者候補には、絶対になりたくなかったので。……私はカイン様みたいのは趣味ではありませんと言ってしまったのです」

「……なるほど。僕も、彼はアメリアには相応しく無いと思うから……。それでよかったと思うよ」


そう言ってお兄様は慈しむように笑って、私の頭を撫でてくれた。


(イケメンからヨシヨシして貰っちゃったぁーー!!ふぁ〜!手つきが優しぃんじゃぁ…)


イケメンからのナデナデに、お兄様に抱きつきたい衝動にかられたが、なんとか誘惑に耐えた。

6歳児としては、多分兄に抱きついても問題ないのだろうが、流石に理性が咎めたのだ。


このイケメンを罪悪感なく愛でられるように、早く育たないかなと、思ってしまう私だった。



その後、また座って待っていると、お母様達が合流したので、さっきあった事を言っておいた。

反抗的な態度を取ってしまったことも伝えると、お父様は何でも無い顔をして言った。


「そうなんだね。公爵家は一つでも無いし、必ずしもこちらから関わらなければならないと言うことも無いから、それくらい大丈夫だよ。こちらが侮辱したわけでも無いしね」

「そうよ!気にしなくていいわ!こちらこそ侮辱されたのだから!」


お母様は公爵家側に怒ってるようだったが、あれくらいの侮辱では、格下からは正式に抗議できる範囲では無いので、「もっとひどい事をされたら、絶対に抗議しようね」と、お父様が宥めていた。



そうこうしていると、儀式の開始を知らせる鐘がなった。



読んで頂き、ありがとうございます( ˊ̱˂˃ˋ̱ )


ブックマーク・☆評価・イイね!して頂き、ありがとうございます。

とても励みになります( ˘ω˘ )g

書け次第投稿していきますので、不定期更新ですが次回もよろしくお願いします(*´꒳`*)


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