授業初日
フィラとの再会から翌日。
軽く朝食をとった後制服を着て、身だしなみを整え学校へ向かうために寮を出た。
「おーい!レイジ!」
のんびり歩きながら通学していると後ろからグランが声をかけてきた。
「よおグラン。遅刻するかと思ってたぜ」
なんとなく思っていた事を言うとグランは「心外だ」と言わんばかりに反論してきた。
「俺はそんな事しない!まだ入学式が終わったばかりだぞ!授業初日だっていうのに遅刻なんてできるか!」
やるときはやる男ってやつだな。
「で、本音は?」
「始めはキチンとしたイメージを先生方に見せてないと成績が下がるからな!」
まぁそんなこったろうと思ったぜ。
ある意味予想を裏切らないなグランは。
でもあの怠慢教師なら遅刻しても問題ない気がするが……これは言わなくてもいいか。
「じゃあ遅刻しないように早く行こうぜ」
「おう!」
俺たちは走って教室に向かった。
余裕を持って教室に着き、相変わらずグランと駄弁っているとロイド先生が遅刻して来た。
おいおいあんたが遅刻してきてどうすんだよ。
「あー、おはようさん。遅刻者はいないな?よしよし。さて今日の予定だが、1限目は魔法実技だったか?Sクラスと合同だったはずだ……おそらく。多分場所は闘技場だろうな。なんででSクラスと合同か気になるやつもいると思うが向こうで話す。遅刻するとSクラスの担任が煩いから遅刻するなよ。以上」
それだけ言うとロイド先生は教室を出て行った。
おい、いくら何でも適当すぎる。いや、あんたみたいな先生でもいいって言ったけどさ、コレは酷すぎだろ!?なんでキチンと情報は覚えてないんだよ!よく教師になれたな!
「なぁなぁレイジ?」
「なんだよグラン?」
「1限目ってあと10分もしないうちに始まりそうなんだが」
「おい!早く行くぞ!」
割と大きな声を出して俺はグランとともに教室を飛び出した。数秒の沈黙の後、他の奴らもヤバイ事に気付いたのか慌てて飛び出していた。
校舎裏にある闘技場。外見は円形のドームのようになっており、屋根は開閉が自由になっている。基本的に屋根は閉じているが何かしらのイベントの際に開けられると学校案内のパンフレットに書いてあったな。
内部は砂の固い地面で、周りに観客席がひな壇状に広がっている。
急いで来たため何とか授業が始まるまでに着くことができた。ただ既にSクラスの生徒は全員集まっており、まばらに来る俺たちCクラスの生徒を見ては嘲笑している奴がいた。まぁ、大半は俺たちに気にせず喋ってる奴らだから別に問題ねえな。
俺はそう思いながら授業が始まるのを待った。数分後、授業開始の鐘が鳴り、それと同時我がクラスの担任が堂々と闘技場に登場した。
いや、なんであんたが一番最後なんだよ!
「よし、これから授業始めるぞ。SクラスもCクラスも遅刻者、欠席者いないな。じゃあ先生、後はよろしく。」
そう言ってロイド先生は来た道を帰ろうとしてーー
「いや何私に丸投げしようとしてるんですかロイド先生!貴方も一緒にするんですよ!」
Sクラスの担任に止められていた。
ロイド先生……ぶれないな。
その後先生同士で少し色々あったみたいだががSクラスのとある生徒の「早くしてください」の一言でようやく授業が始まった。
「ええでは、今日の授業のついてですが今回は魔法の説明と魔法の練習をします」
どうやら説明はSクラスの担任がするらしい。絶対ロイド先生は面倒だとか考えたんだろうな。
「初めに魔法の説明からしますかね。魔法には火、水、土、風、光、闇の6つの属性があり、これを属性魔法と言います。理論的に魔法使いは6属性全ての魔法が使えるのですが自分が得意な属性、苦手な属性、簡単に言えば楽に扱うことができる属性と頑張らないと扱うことができない属性があるため、基本的に一つか二つの属性魔法を使うのが一般的です。
また属性魔法には段階があり、初級、中級、上級、最上級、特級と別れています。初級から特級にかけて魔力のコントロールの難易度、魔力の消費量が増加していきます」
そういえばグランの得意な属性って何だろう?練習で使う魔法をみればわかるか?
まあ後で聞いてみよう。
「また魔法使いには属性魔法の他に、皆さんが契約している神魔の力を借りて発動するものがあります。これを特殊魔法と言います。特殊魔法は契約した神魔によって変わりますが、属性魔法よりも強力ですので無闇に使用しないでくださいね。まぁ、学校内での魔法の使用は禁止なのでそうそう無いとは思いますが……だいたいこの位ですかね。ほとんど皆さんが知っていることだと思いますがきちんと覚えておいてください」
説明が終わりSクラスの先生はロイド先生の方を向く。ロイド先生は露骨に嫌そうな顔をした後生徒の方を向いた。
「あー、今から魔法の練習だが練習するのは初級、中級に限定する。後は必ずとは言わないが、できるだけ別のクラスの奴らと練習しろ。上手い奴を参考にしたり、直したほうがいいところ教えてやれ。じゃあ始めろ」
そう言ってロイド先生は離れていった。Sクラスの先生も一緒に行ったことから、どうやらサボりではなく邪魔にならないように隅で待機するみたいだな。
「練習しようぜレイジ!」
すぐ傍にいたグランから声をかけられた。俺はすぐに了承の返事を返そうとしたが、ふと思ったことがあり聞いてみる。面白半分で。
「せっかくSクラスの奴らと一緒にいるんだ。水の貴族様でも誘ってこいよ」
「お、俺にそんなことできるわけないだろ!なんて恐れ多いんだ!それに……Sクラスの奴らと一緒には無理だろ」
そりゃそうか。今だってSクラスとCクラスはそれぞれ別々に集まって塊になっていて、誰も別クラスの奴らと練習していない。
Sクラスは実力のない奴らとはやりたくない、Cクラスは馬鹿にされるだろうからやりたくないとか考えてんだろうな。
「冗談だ。とりあえず練習するか」
そう言って俺はグランを連れて人がいないところへ行った。




