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圭吾はタクシーをとめるのにかなり苦労していて、11時半を回ったあたりで僕たちは決断を余儀なくされた。4キロの道を歩くのはさすがに骨が折れるので、相談の末、最後の1キロはタクシーで向かうことにした。
頼人が待つラーメン屋はチェーン店といえるのか微妙な店数を誇るお店で、7年前に少しはやったことを今でも自慢にしているのは、それが唯一の自慢だから、これに尽きる。
行きつけの喫茶店でタクシー運転手と待ち合わせをすることになり、12時10分にタクシーに乗ることが決定した。
12時10分といえば僕がドリアを食べ終えてから約1時間が経つ。頼人について僕はよく知らないので、タクシーに揺られながら圭吾に「頼人って誰?」と聞いた。
圭吾は「ただの知人だ。——しいて言えば高校の同じサークルの、影が薄い後輩。社会人になって取り立てで困っているらしくて俺に白羽の矢が立った」とそっけない返事を返した。
圭吾はそっちの世界ではかなりの稼ぎ手だった。
僕はそっちの世界に入るのは3往復目で、まるで初心者のサウナ―が自分を上級者に見せるために奮闘して、水風呂とサウナとを短期間で何往復もしているような状態だった。
改革しよう――そうとは思っても、じゃあどうする? と間髪入れずに問いが入ってくる。こう問われるのは慣れている。
答えを考えているうちに日が暮れて、朝がやってくる。僕はまるで宿題を提出せず、先生にも呆れられている子どものようだ。
タクシーはラーメン屋の前でとまった。僕は2人を代表して1260円を支払うと、足早にその場から去り、ラーメン屋と、隣の焼き肉屋の駐車場への、緩やかな上り坂を歩きだした。




