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魔女は竜と謳う  作者: Fe
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第二十五楽章 破壊と契約

ボレアスの宮殿を飲み込んだ触手の群れ。それらは宮殿を飲み込むだけでは飽き足らず、右腕に引っ張られるように飛び込んできたアルベルトをも飲み込んだ。


「アル!?嘘でしょ……」


(落ち着け!我がこうして顕現し続けている以上、奴は生きている!)


リンドヴルムに言われ、小春の頭も幾分冷える。その声はセーラにも届いていたようで彼女も決然とした表情で頷いた。


「アルにはまだ6体の竜がいるわ。なら彼を信じて、私達はこの化物を食い止めるわよ!」


「ええ、やりましょう!」


言葉には出さなかったが、小春には一抹の不安があった。もしこの状況が未だにアルベルトが持て余している破壊竜が望んだものだとすれば、アルベルトは外から迫る化物と内側から迫るヒューベリオンと両方を相手に戦わなければならないという事実が。









その頃、アルベルトは肉塊の中である物を見つけていた。


「これは腕?……ッ!ヒューベリオンの腕か!」


七竜戦争の折、魔女クリスタによってもぎ取られたというヒューベリオンの左腕。それがこの塊の内部にあるという事実に、アルベルトはその原因を考える。


「まさか《ウロボロス》の奴等、ヒューベリオンの腕を核にしてこの化物を作ったってのかよ!?」


それはヒューベリオンも激怒して当然だろう。人間にもぎ取られた自分の一部がこんな醜い化物の核にされているのだ。自分に置き換えて考えれば、確実に暴れる自信があった。


「だが目の前に現れたのならそれは僥倖、取り返してやるよ!」


(待て!やめろ!!)


唐突に叫んだのはバハムートだった。


「何だよ。いきなり止めるって」


(考えてもみろ。貴様が我等七帝竜を全て受け入れているのは、その存在が全て魂のみで構成されておりその分弱体化している為だ。だが目の前にあるヒューベリオンの腕は物質としてこの世に存在出来る程の力を持っている。つまり今の貴様がこの力を受け入れたらそのまま肉体が崩壊しかねんぞ!)


「へえ、心配してくれてるのか」


(馬鹿を抜かすな!貴様が倒れれば我等も一蓮托生だからに決まっているだろうが!!)


アルベルトは苦笑しながら手を伸ばし、ヒューベリオンの左腕に触れた。


「バハムート、1つ教えてくれ。ヒューベリオンの本質……こいつは本当にリンドヴルムが言ったような残忍で凶悪な竜なのか?」


(どういう意味だ?)


「ずっと引っかかっていた。確かに力は凄まじいし、幾度と無く暴れさせろと俺の中で癇癪を起こしてくれる……でもその時の感情は常に混じり気のない純粋な怒りに満たされていた」


(ほう……)


まるで赤子のような心。欲しい物が手に入らずに泣き、寂しいと泣き、親を求めて泣く子供と何も変わらないように思えたのだ。


「本当に残忍な奴等を見てきた俺からしたら、ヒューベリオンの怒りは余りにも純粋過ぎる。バハムート、お前なら知ってるだろ?」


(……我等の種族については知っているな?ヒューベリオンは《滅竜ヴァヴェル》だが、同族である竜は存在しない。それが答えだ)


その強大な破壊の力故に竜からも距離を置かれ続けた唯一の《滅竜》。かつて居場所を与える為に七帝竜の席を用意したとバハムートは言ったが、結局そこでも避けられた結果が現状なのだろう。


「だったら……!」


ヒューベリオンの左手を掴み意識を集中させる。まるで豪雨で氾濫した大河の如き勢いで力の波動を叩き込まれ、アルベルトは全身を砕かれるような痛みに思わず絶叫した。


(貴様一体何を聞いていた!?)


「聞いてたさ……!聞いていたからこそ、俺はこいつを放っておけなくなった。それだけだ!!」










同刻。セーラと小春はリンドヴルムの背から幾度となく攻撃を仕掛けていたが、焼け石に水の有様に歯噛みしている状態だった。


「こうなったら仕方ないわ……初陣の相手がこいつというのは物凄く不本意だけど……!」


首にさげていたペンダントを取り出し、セーラは懐から鍵を取り出した。


「顕現せよ!我が力、百邪を討ち果たさんが為!!悠久の調べと共に天駆ける騎兵とならん!!」


鍵がペンダントに差し込まれ、眩い光を放つ。光が収まった時、セーラの鎧は大きくその意匠を変えていた。まるで神話のワルキューレを髣髴とさせる純白と翠の戦装束を身に纏い、兜は白い羽をあしらった赤。剣と盾こそ変わっていないものの、その姿は魔法騎士というよりも神話の天使を思わせた。


「セーラ!?その格好は……」


「そう、かつて非業の死を遂げた《戦乙女ヴァルキリー》セシル王女の纏った防具よ」


剣と盾はかつての戦いで失われたらしく、現存はしていない。アスリーヌ家では贖罪の意味も込めて《戦乙女》の防具をずっと保管していたのだ。


「来なさい!エクレール!!」


嘶きの声と共に沖合いで避難者の収容を行っていた《エクスカリバー》からセーラの愛馬が飛び出してくる。しかしその背には巨大な翼が生えていた。


「え、えええええ!?」


「言ってなかったわね。この子、神獣ペガサスなのよ」


シャロンが前以て取り付けてくれていたらしく、鞍も手綱も準備万端。セーラはリンドヴルムからエクレールに飛び移り、武器を剣からエクレールに取り付けられていた馬上槍に持ち替えた。


「コハル!確か貴女は浄化の魔法が得意だったわね?」


「そうよ」


「なら私が切り込んで時間を稼ぐから、その間にこの外郭だけでも浄化して!」


エクレールの手綱を巧みに操り、次々と繰り出される触手の攻撃を片っ端から斬り捨てながらセーラは叫ぶ。小春も頷いて更に高度を取った。


「織江聞こえる!?五芒星結界でこの帝都そのものを覆うわ!」









「なんですとおおおおおお!?」


《エクスカリバー》のブリッジで趨勢を見守っていた織江は小春の発案に飛び上がった。


「いやいやいや、小春あんた自分が何言ってるか分かってる!?この帝都を覆う規模の五芒星結界って、そりゃあんたの十八番だけどこの規模は流石にさぁ」


(お願い!そっちに帝都の地図があったらそこで五芒星の起点を探して!!)


「……ああもう言い出したら聞かないんだから!」


この地に来る前に地図はトロイの部下から受け取っている。織江は作戦立案を行う机に地図を広げた。


「化物に呑まれた宮殿を術の焦点にあわせ、五芒星を描くと……」


てきぱきと地図にポイントを書き込むと、それをトロイが上から覗き込んだ。


「ふむ……よし、起点に何か術の素体となる物品を設置するのならそれは私達が引き受けよう」


「マジ?助かるけど」


「ああ。我が国の問題解決に他国の手を借りておいて、自分達が何もしないなど軍人の沽券に関わる問題だ。是非やらせてくれ」


織江は大きく頷き、工房室に通信を繋いだ。


「ミスティ聞こえる?」


「うん、よく聞こえる」


モニターに映ったミスティに頷き、織江はやっとこさ使い方を覚えた端末でデータを送信する。


「その組成で大きさはこれくらいの端境玉を作って欲しいんだ。出来れば十分以内に五個」


「五分でやるよ!」


それだけ言ってミスティは通信を切った。


「さて、鬼が出るか蛇が出るか!」


織江はニヤリと笑みを浮かべ、地図を見据えた。










痛みが臨界点に達し、アルベルトは意識が吹き飛ぶ。そう思った矢先、彼は何も無い真っ白な空間に1人佇んでいた。


「何だ此処……?」


当てもなくぶらぶらと歩いていく。しばらく歩くと同じようにこの空間に佇む1人の少年と出会った。一見すると紫の髪を持つごく普通の少年だったが、彼には左腕がなかった。


「まさか、ヒューベリオンか?」


少年はアルベルトを見上げ、ふいと目を逸らした。


「バハムートから聞いたぞ。ヒューベリオン、お前は……寂しかったのか?」


「だったら何だ」


「全てを憎み、無差別な破壊を生むのは八つ当たりにしかならない。お前も七帝竜なら分かっている筈だろ?」


その瞬間ヒューベリオンの周囲に靄が浮かび、アルベルトは衝撃を受けて吹き飛ばされた。


「ぐがっ……!」


「だったらどうしろと言うのだ!誰もが遠ざける、誰もが逃げる……この手は破壊する事しか出来ないと言うのに!」


「は……破壊するものを選べって言ってるんだ!」


呼吸を整えて立ち上がりながら、アルベルトは再び歩み寄って手を伸ばした。


「俺はミスティに約束した。新たな世界を見せてやると」


「それは聞いてる」


「見せる世界はこれから作るが、その為にはカビの生えた古い秩序やルールが邪魔なんだ。俺はそれをぶっ壊したい」


ヒューベリオンは初めて正面からアルベルトの目を見た。同時にアルベルトも始めてヒューベリオンの目を見たが、思っていたよりも澄んだ目をしていた。


「手を貸してくれヒューベリオン。これは契約だ」


「契約……」


「ああ。俺はお前も仲間に入れ、友になる。お前は俺の望む古い秩序を破壊する」


ヒューベリオンは肩を震わせ、低く笑い声をあげる。


「良いだろう……結ぶぞ、その契約!」


アルベルトは頷き、ヒューベリオンの額に触れた。


「我が意に従い、我が声に応えるべし……」


両手に《アポカリプス》が顕現し、アルベルトとヒューベリオンを繋ぐ一筋の光となる。


「それは古きを破壊する未来への導。この日この時、革命を望むならば答えよ」


ヒューベリオンの口元にはっきりと笑みが刻まれる。アルベルトはそれに意を強くして詠唱を進めた。


「その名は破壊竜ヒューベリオン!我は汝の鎖を手繰り、破壊を新たな秩序へと変える者……アルベルト・クラウゼン!!」


「我が破壊をもって汝の契約に応えん!!」


白い空間が閃光に斬り裂かれた。









時間を少し巻き戻す。ミスティが作った巨大端境玉を持ち、トロイの部下達がそれぞれ小隊を組んで各々の持ち場に向かった時の事である。


「こちら第二小隊、指定位置に設置完了しました!」


「うむ。これで全員だな」


ミスティが宣言通りに五分で作ってくれたのと、トロイの部下達が織江の想定を超えて雪原での行動に慣れていた事(当たり前だが)が予想以上のスピードで準備を整える事が出来た理由となっていた。


「こちら第三小隊!野生のものではない魔物の攻撃を受けています!!」


「応戦しその場を死守しろ!」


「ちょ!?」


織江は思わず飛び上がった。誰も捨て駒にはしない、常に犠牲を出さずに勝つのはアルベルトが掲げる大前提だ。それを覆されてはたまらないと彼女はトロイを見た。


「アルベルトには伝えておけ。我々を数に考慮する必要はないと」


「いやそれあの馬鹿には伝わらないから!五秒前まで殴り合ってた相手の事も心配する、小春とどっこいのお人好しだから!」


「何を勘違いしている?確かに貴殿等《逆十字聖騎士団》には遅れを取り醜態を晒したが、元より我々の本分は専守防衛。信じて任せて貰おう」


考えてみれば、《逆十字聖騎士団》の白兵戦での主力であるリザードマンはこの《北国》の寒さでバレリアを含め全員が冬眠状態なのだ。ドワーフの部隊を向かわせようにも今からでは間に合わない可能性のほうが高く、徒に被害を増やすだけのようにも思える。任せるしかなかった。


「安心しろ。我々《北国》の軍隊の精強さ、存分に見せてやろう」


「そりゃどうも」


何時の間にか自分に指揮権が来ている事に軽く戦慄しつつ、織江は次に何処を守るべきかに頭を巡らせていた。









リンドヴルムに乗ったまま、小春は眼下の帝都に五芒星結界を描く準備が整った事を知った。


「よし……!」


化物とセーラは今も熾烈な戦いを繰り広げているが、スタミナの差でセーラのほうが幾分辛そうだ。何しろ相手は幾度斬ってもこたえないのだから仕方が無い。


「五行の意思を我が前に。木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生す。これ即ち五行相生。木は土を吸い、土は水を吸い、水は火を呑み、火は金を焼き、金は木を切る。これ即ち五行相克。生まれ消える五行の意思は此処に有り!開け、降魔の結界よ!!」


リンドヴルムの頭に立ち、錫杖を振るって言霊を放つ。地上に設置された端境玉が光り輝き、光の線が五芒星を描き出した。


「森羅万象の名において我、汝を断罪す!汝……罪有り!!」


錫杖を脇に挟み、拍手を1つ打つ。結界はその効力を遺憾なく発揮し、化物の外側で蠢く触手を纏めて消し去った。


「今よセーラ!」


その声に応えるように、ペガサスと化したエクレールを駆りセーラは急降下した。









「はあああああああ!!」


触手を薙ぎ払われ、単なる肉の塊と化した化物目掛けてセーラは愛馬を走らせる。手にした槍に魔力を込めて全力で振るった。


(見つけた……!)


歓喜の声を必死で堪え、セーラはありったけの力で手を伸ばした。


「アル、掴まって!」


「おう!……ってセーラお前何なんだその格好!?」


「後で説明するわ。早く!」


伸ばされた右手を掴み、セーラは一気にエクレールを飛翔させた。


「悪いセーラ。ちょっと馬の背中貸してくれ」


「え、ええ。いいわよ」


自分の後ろにアルベルトを乗せ、セーラはまた触手を再生しつつある化物を睨んだ。


「さあ、初陣だヒューベリオン!お前に相応しい戦場が整ったぞ!!」


「はあっ!?」


今までの何処か怯えた表情とは違う、何時もリンドヴルムやサラマンダーを召喚する時のような自信に満ちた顔でアルベルトは右手を振るった。


「いざ刮目して仰ぎ見ろ!破壊竜の真髄をなぁ!!!」


空中に力が渦巻き、『八本の腕』を持つ紫の竜が躍り出る。セーラが目を見開くのとほぼ同時にヒューベリオンは口を開き、重力砲を放って化物を丸ごと叩き潰していた。


「……あら?」


当然来るものと思っていた衝撃も周囲への被害もない。見事に制御された破壊の爪痕にセーラは二重の意味で絶句していた。


「アル、貴方あの中で何をやったの?」


「んー、決意表明と契約?」


全く意味が分からなかった。









その後。事後処理(というか跡形もなく消し飛んだ宮殿の被害総額とかの計算)が終わり、何とか帝都の民総勢43万人の避難は無事完了していた事が分かってアルベルト達は胸を撫で下ろしていた。


「この度は我が国の不始末の為に多大なご迷惑を」


「いやいい気にしないでくれ。こっちもこっちの敵を討っただけだ」


モニカにはたはたと手を振り、アルベルトは軽く笑った。


「それよりも今は今後の事を考えないとだろ。俺は詳しく知らないが、《北国》の寒さって実際のところどれくらいだ?」


「今日はまだ暖かいほうだけど、それでも気温は平均して氷点下だしね。厚い壁に囲まれた家と暖炉やストーブがなかったら確実に凍死する人が続出するわ」


ミスティの言葉にアルベルトは頷いた。


「なら帝都の復興作業が終わるまでの間でいいか。帝都で暮らしてた人間は全員纏め、《エクスカリバー》で保護しよう。まだ空き部屋はあるよな?」


「そりゃ余裕だけど、本気?」


「困った時はお互い様ってな」


言い出したら聞かないのはアルベルトもらしい。ナオは苦笑気味に頷き、呆気に取られているモニカに微笑んだ。


「モニカ、諦めなさい。彼はああいう性格だし、王としての英才教育も帝王学も何もないから……損得勘定よりも目の前の善意で動いちゃうのよ」


「……」


それでいいのかと目で問うモニカにセーラは苦笑して肩を竦めた。


「そんな彼にすっかり心を奪われちゃった私が言っても説得力ないかしら?」


「ううん、大丈夫よセーラ。まあ1番心配なのはその大好きな相手が治める国に大使として来て、まともに政務を執り行えるのかという点だけど」


「う」


思わずセーラは唸った。実際彼女の判断基準はかなりアルベルトに寄っており、とてもではないが《中央》の国益の為に《逆十字聖騎士団》と折衝を行える状態ではなかった。


「やっぱり。昔からセーラって世話焼きなところがあったけど、心底好きになった相手だとこうまで尽くせるのね」


「お願いだからそれ以上言わないで。自覚はあるけど改めて言われると恥ずかしいから」


モニカはくすくすと笑い、アルベルトにも礼を告げて改めて頭を下げた。


「それからゼーヴァルト将軍」


「はっ」


畏まるトロイにモニカは少し厳しい表情でそれを告げた。


「現時刻を持って貴方を海軍提督から解任します。しばらくは休暇がてら《逆十字聖騎士団》に留学し、多くの事を学んできて下さい」


「……分かりました」


意図を察したトロイは微笑んで敬礼した。


「アルベルト殿。約定通りエルリック家の人間を全員そちらの管轄とします。それからこちらのトロイも貴方の許で働かせてやって下さいな」


「こちらこそ望むところだ。みっちり鍛えて返すと約束する」


こうして《北国》を中心とした騒動は一応の終局を迎える。だがこれはアルベルト達にとって始まりに過ぎなかったのかもしれない。








後日、トロイについて《北国》の若手兵士の実に8割が軍を辞職して《逆十字聖騎士団》への合流を望んできたのには流石のアルベルトも肝を潰したが。









それから数日後。ボレアスの住人達もある程度ではあるが《エクスカリバー》での暮らしに慣れてきた時の事だった。


「♪~」


森林として作られているエルフ居住区で、何時ものように上機嫌でハミングしているケーナをアルベルトが何となしに眺めていた時だった。


「ケーナと言ったか、その歌は何処で覚えたものだ?」


客将という扱いで《逆十字聖騎士団》に合流したトロイが興味深げにケーナを見た。


「覚えてないらしい。トロイはその歌に心当たりがあるのか?」


「ああ。私が生まれ育った地方から少し離れているが、その地域でしか歌われていない民謡だ。専ら子守唄として歌われているが、歌詞は確か……」


トロイが歌い始めた途端、楽しげに囀っていた小鳥達が一瞬にして飛び立ち周囲は静まり返った。


「トロイ、あんた……歌は尋常でなく下手なんだな」


「……言わないでくれ。エミリアを連れて来る」


がっくりと肩を落としてその場を立ち去るトロイを見送り、アルベルトは未だに耳鳴りのする耳と痛む頭を持て余しながらもケーナを介抱(トロイの壊滅的な歌声で失神していた)する事にした。











後にエミリアが正しい歌を歌ってみせた事により、《逆十字聖騎士団》はケーナの記憶と彼女のルーツを探るべく進路を北へ取る事となる。












            続く

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