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伴侶

今回で何とか最終話です。


 わたし達はマトラ旧市街、、があった場所へと戻って来た。


 空を焦がした炎がおさまった後、街の辺りに激しい雨が降っている。

 熱せられた地面が雨で急激に冷やされた為、大量の水蒸気が霧となりあたりの視界は狭い。

 その中をわたし達は、グライダーの部品から作られた雨傘を差して歩いていた。


「うひょーッ! 見事に何にもなくなったなーッ!」


 マトラ旧市街は全てが新地に帰っていた、既に新市街へと拠点を移したマトラがここを再度復興させるつもりがあるかはわからないが。


『広場はどこら辺でしょうね』

「うーん、やっぱり一番焼けてるとこか?」


 わたし達は薄暗い中で、閃光によって溶けた焦土で少し前まで広場だった場所を探した。


「おんやぁ? あれを見るのだ」

 ルビーが指差した先に、細長い物体が横たわっているのが見えた。

『あれは見覚えがありますが、何でしたっけ?』

「さぁ? なんだったっけかな」


 近づいて細長い物体をよく見ると、その半分程は蒸発したのか消えてしまっている。

 残った部分の半分はなんだかわからない程に変化して、辺りはたんぱく質の焦げる様な匂いがしていた。


「なんだか急にお腹が減ってきたぞぉ?」

『この状況でお腹が減るなんて、流石はルビーさんですね』


 ――その時


《誰が……私……の高貴な純血を……》


 またあの言葉が聞こえた。

 だが、その声はか細く途切れ途切れで小さかった。


「まさかと思うけど、あんたが物真似したんじゃぁないよな?」

『わたしも今それを聞こうと思った所です』


 細長い物体の先端を辿って行くと、そこにはやはり元が何だかわからない様なものがあった。


「そうか?

 コレは元から何だかわからなかった程の作りだった気がするぞ」


《……欲……して……》


 何だかわからないものは、なおも言葉を発していた様だ。


『いません!』


 わたしはプラズマで細長い物体の全てを消去した。


「結局このウナはなんだったんだ?

 ラスボスにしては本当にどうでもいい感じだったけど」


 ルビーの言う「ウナ」とは川魚のウナギの事だ。

 わたしは前に行った街に、ウナギの美味しいお店があったのを思い出した。


『探し物が見つかったら食べにいきましょうか』

「そうだなッ! やっぱ仕事の後はウナだよなッ!!」

「ウナだよなッ!! ……じゃねェェェーッ!!!」


 という大声がして、わたし達の立っていた地面が持ち上がりわたし達は尻餅をついた。


「うぉっ! 何もねぇや……

 ずいぶんまぁ、、派手にやってくれたものだなぁ」


 その声はわたしのすぐ横から聞こえた。

 わたしとルビーはラピスの両肩に乗せられていたのだった。


「ふわぁーッ! 無傷だよッ!

 ラピスってやっぱり伝説の勇者さまだったんだなぁ」

『もしかしたら無意識のうちに手加減したのかもしれません』

「この……あくまで負けを認めない負けん気の強さと来たら……」

「あ……」


 ラピスは思い出した様な声を出し、わたし達を肩から下ろした。


「オレは……取り返しの付かない事をしてしまったんだな」


「ふむ」


 ルビーはその様子を、少し離れた所にしゃがみ眺めはじめた。


『ラピスさん、何が言いたいのですか? ハッキリ言って下さい』

「おまえをこんな目に合わせてしまって言うのも何なのだが……

 オレはそれなりの責任を取ろうと思っている

 やはり苦労もあるだろうし」

『つまり哀れみで言っているのですね』

「いや違う、そういう事じゃなくてだな……オレは……

 ずっとおまえの側に居て守ってあげたいと思っているんだ」

『それは伴侶として行動したいと言う意味でしょうか?』

「あ……あぁ」

『そうですか、言いたい事はわかりました』

「やっぱり無理か……」

『なぜすぐ諦めるんです

 そんな事では守れないですよ?』

「あいや、それを決めるのはおまえかと思ってだな」

『あなたが決めて下さい

 わたしはそれに従おうと思います』

「…………マジかよ」


 ルビーは頬杖をついたまま、静かにわたしとラピスを変わりばんこに見ている。


「そう言えばまだお前の名を聞いてなかったな」

『ふふっ、聞かれませんでしたからね

 クリーダ・ヴァナディンです」

「ク、、クリーダ、これからはオレと共に生きろ」

『……はい』


 真っ赤な顔をしたわたしとラピスを見て、ルビーは目を閉じるとやれやれと言う仕草をした。

 そしてここでやっとラピスはある事に気が付いた。


「あぁ!?

 クリーダ……おまえ……手が生えてないか?」


 その後、わたしとラピスは行動を常に共にする事となった。

 そのお話はまた今度。


Blogで思いつきに書き始めた「科学魔導士」はこれで終わりです。

最後までご覧頂き、ありがとうございました(^ω^)

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