第十四話 ちと体育館裏まで…
投稿が遅れてしまいました。ごめんなさい。
唐突だがスライムが進化した。転生者である俺の遺伝子を繰り返し吸収した事が直接の原因らしい。
んで、こうなった。
[個体名: なし(仮名クレム)
種族: 知的粘性魔生物(特殊変異性固有体)
種族職種: なし
格: 知的粘性魔生物
特殊特性: 吸収NO・分解NO・再生NO・形状変化ST・弾性変化ST・硬質化NO
種族特性: 分裂・分離・合体・感情感知・熱耐性・麻痺耐性・石化耐性・毒無効・細菌無効
備考: 絆領域の信頼度→愛人形]
な、な、なんと、知性を得てしまったのである。この世界初の事例である。
コンさん曰く、吸収した俺の遺伝情報が核内に入り込み、核自体が変異、進化を遂げて、脳と同じ様な機能を備えたとか、なんとか?
正直言ってよくわからんのだが、知的粘性魔生物という唯一無二の存在となったスライムさんは晴れてユニーク個体となったのである。
当然の話ではあるが、知性を得たとは言ってもまっさらさらな赤ん坊状態。で、この生まれたてスライムに御執心なのがコン先生だ。
どうやら俺を通さずに色々と教え込み、裏でなんやかんややっているみたいなのだ。
その成果が即座に現れたのが6つのレアスキルである。形状変化と弾性変化はSTにまでなっちゃってるし、硬質化なんてスキルは元々は持ってなかったスキルなのに…。なにやってんだが…。
今現在も鉄鉱石を中心に様々な鉱石や魔草、毒草なんかも食べさせて、せっせと吸収させている。本当なにやってんだか…。
俺への信頼度が性玩具から愛人形になったのはその名の通りである。
形状変化のST化に伴い人型への形状変化が可能になったのだ。更に弾性変化のST化により使用感も倍率ドンの更に倍! という訳で俺の初の人型のお相手は粘性魔生物だっのでした。俺もなにやってんだか…。
それと、仮名も付けさせていただきました。人型形状の時の姿が、某宇宙鉄道の食堂車に勤務するウェイトレスさんにそっくりだったので、それをモジってクレムとなりました。
コンちゃんが光苔や発光石なんかも食わしてるんで、そのうち光ことも出来る様になるかも。砕け散ったりはしないでね、くれぐれもね。
と、まあ最近の変化としてはこんなとこっすかね。
『アルジドノ、ゴホウコクガ』
『どうしたケンゾウ?』
周囲の警戒に出ていたケンゾウから念話による報告がくる。いつもの事だけど、今日は報告の声に少しだけ緊張が混じっている気がする。
『マモノガ3タイ、アルジドノノホウニムカッテイマス』
『魔物が、種族は?』
『ゴブリンデス』
ゴブリンか、この森にゴブリンはいない筈だがそれが3体。例の件と関係あるのかな?
『どう思う、コンちゃん』
『答: わかりませんがタイミングが良すぎます。例の者と関係がある可能性が高いです』
『例の奴に動きは?』
『答: 小鬼の来訪には気付いています。現在は遠巻きにその3体の後を追っている模様です』
少し前から俺達を監視している魔物の影がある。特定こそ出来ていないが俺のスキル【魔素子感知】を使用してコンちゃんがその動向を監視していた。
今回現れたゴブリンとは無関係な可能性もあるが、さてどうしたもんか…。
『告: 小鬼達に気を取られている隙をつき、例の者の特定に成功しました』
『おお、グッジョブ! んで奴の正体は?』
『答: 夜鬼です。小鬼と同じく鬼族の為、関係がある可能性が高まりました』
なるほどね、とりあえずは刺激せずに様子をみるか。
『ケンゾウ、お前の方はゴブリン達には?』
『キヅカレテハイマセン』
『よし! そのまま気づかれない様に監視してくれ。手は出すなよ』
『ココロエマシタ』
『ゴブリン達とは俺とリンコで会う。クモミ、ケンタ、ケンスケ、クレムは身を隠して待機してくれ』
『リョウカイシタ』
『ワチキハキジョウノアミデタイキスルデアリンス』
『エー、ボクモアルジサマトイッショガイイ』
『ダメッスヨ、ケンタノアネキ。オレラハヤブノナカデタイキスルッスヨ』
『・・・・・ウン』
ケンタがちょっとだけごねたみたいだけど、みんな素直に俺の言う事を聞いてくれる。可愛い奴らなのだ。
俺は出先から根城にしている大樹の所に戻ってリンコと合流。コンちゃんによるとゴブリン達は真っ直ぐに此処に向かって来ているらしい。まあ、魔素を隠してもいないから真っ当な魔物ならば感知しているだろうしね。
さて、どんな用件でゴブリン達は此処へ来たのか気になるところだけと、はてさて…。
□■□■□
「デダ、オメエハコノサキノホラアナヲナワバリニシテイタゴブリンノムレノイキノコリデマチガイナイダカ?」
ゴブリン達は挨拶もそこそこに本題を切り出してきた。この先の洞穴って言うなら間違いなく俺のいた群の事だろうな。
「ああ、そうだけど」
「ナラオメエサガムレノボスダベカ?」
「え、いや、違うけど。ボスなら多分、人間に襲撃された時に殺られたと思うぞ」
実際、俺はボスが倒されたところを見たわけじゃない。見たわけじゃないが、あの時の状況からいってあの群の生き残りは俺と1本角のゴブリナの2体だけだと思う。
「ソラオカシイベ、ソノムレノホブゴブリンハボスダケダトオラタチハキイテイルダガ」
聞いてる? 誰にだよ。いまいち話が見えねーな。
「俺がホブゴブリンに進化したのは群が壊滅した後だよ。ライダーになったのも壊滅後だしな」
「ホエー、ソウダッタダカ。ゴブリンライダーガイルッデノモオラタチハキカサレテイネカッタシナ」
だから誰にだよ! でもまあ、どうやらコイツらは前の群の生き残りを探してるみたいだな。
でもなんでだ? 調査か? 誰が? 何の為に?
「いい加減に本題を言ってくれねーかな。群が壊滅した時の状況でも聞きに来たのか?」
「アヤ、スマネエ、キキニキタワケデネエダ。オラタチハソノムレノイキノコリヲアツメデツレカエルヨウニメイレイサレテキタダヨ」
連れ帰る? 命令された? だから誰に?
「つまりは俺に一緒に来いと、誰の命令で?」
「ゴブリンロードサマダデ」
ゴブリンロード? ゴブリンロードだと!
『コンさん、どう思う?』
『答: 鬼卿とは種族名ではなく格の事です。任命権者は鬼王。鬼王は魔王の内の一人であり鬼族は全て鬼王の支配下にあります。ここからは推測になりますが、あの群の首領は鬼卿の部下の一人であり、群壊滅の報を聞き、自分の元に生き残りを集めるつもりだと思われます』
うわっ、面倒くさっ! 元親分のそのまた親分からの呼び出しかよ! しかも魔王の配下って、マジか!
「断ったら?」
「ソラコマルダヨ、ツレカエラネバオラタチガショブンサレチマウダデ」
『告: 拒否すれば鬼王と敵対する事になり得策とは思えません』
あ〜もう、行くしかねぇのかよ! 嫌だなぁ、魔王とか鬼卿とか興味ねえっつーの。
「今すぐ来いって言われてもこっちも困るんだが」
「オラタチハマダコノヘンデイキノコリヲサガサニャナランデ、3カゴニマタココニクルダヨ」
3日か、まあしゃーねーか。
「わかったよ、3日後までに準備しとくよ」
「スマネエ、タスカルダヨ」
て訳で俺はゴブリンロードとやらに会いに行かなきゃならなくなった。正直嫌だし面倒くさいんだけどね…。
来週まで投稿をお休みする事にしました。
次回の投稿は14日を予定しています。ご了承下さい。




