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魔弾の錬金術師は復讐に生きる ~亡き最愛の妻は吸血鬼だった~  作者: 結城 からく


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第7話 錬金術師は骨の行方を探る

 私が手にする散弾銃を目撃した店員は、驚愕に目を見開いた。


「な……っ」


「静かに。無闇に人を殺したいわけではないんだ」


 後ずさろうとする店員を掴んで忠告する。

 大きな声を出さないように伝えた。

 幸いにも周囲は誰も異常に気が付いていない。

 誰もが接客や買い物に夢中だった。


「調べてほしいことがある。職員専用の区画に案内してくれ」


「か、かしこまりました……」


 涙目の店員は、突き付けられた散弾銃を気にしながら頷く。


 そのまま私達は店の奥へと向かう。

 陳列された棚や会計所を通り過ぎて、職員専用の区画へと踏み込んだ。

 薄暗い通路を歩いていると、前方から別の店員がやってきた。


「おい、レナ。そいつは誰だ」


「あたしの友人よ。久々に会ったから、休憩室で話したいと思って」


 私を案内する店員、何事もないかのように応じる。

 実際は恐怖で震えているが、それを懸命に隠していた。

 異常が発覚した瞬間、撃ち殺されると思っているのかもしれない。

 さすが商会で働いているだけあって、咄嗟の対応力に優れているようだ。


 同僚らしき店員は、訝しげに私を見やった後、ため息を洩らして通り過ぎていく。


「あまり話し込むなよ。人手に余裕があるわけじゃないんだからな」


「ありがとう……気を付けるわ」


 店員は安堵したように返答した。

 本当は助けを求めたかったのだろうが、それを必死に堪えているようだった。

 迂闊に動かない辺り、意外と冷静らしい。


 私が同じ立場なら間違いなく混乱していたに違いない。

 相手の要求に耳を傾ける余裕もなかったろう。


 同僚の店員をやり過ごしたところで、私達も移動を再開する。

 背後から散弾銃を突き付けつつ、通路を進んでいった。

 その最中、怯える店員が話しかけてくる。


「何が、目的なの……?」


「探している物の行方を知りたい。レドナリア商会が関わっているんだ」


 別に話しても問題はあるまい。

 現在の私は、様々な事情を抱え込んでいる。

 今更、何かを秘密にしたところで大した意味なんてなかった。


 むしろ誠実な受け答えをすることで、この店員からの信頼を少しでも得る方が良い。

 所詮は銃を持った異常者だが、それでもまだましだと思いたい。


 自らの境遇を嘲りながら、私は店員に質問をする。


「つい最近、吸血鬼の骨は仕入れたか?」


「そんな稀少な物なんて取り扱っていないわ。あったとしても陳列せずに、もっと大きな街の支店へ流すことになるもの」


「やはりそうか」


 予想通りなので驚きはなかった。

 ここで見つかるのが一番だったが、それほど簡単に済む出来事とは考えていない。

 念のために商会内部の管理室で帳簿を閲覧するも、吸血鬼の骨は記されていなかった。


(あの場面で傭兵が嘘をついたとは思えない)


 レドナリア商会が関わっているのはほぼ確実だ。

 つまり一般の店員には知らされていない情報ということになる。

 そもそも非合法な入手なので帳簿にも記録できないのだろう。


 妻の遺骨を探すには、もう少し方法を変えねばならないようだ。

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