表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キラメキDaughters(ドーターズ)  作者: 千賢光太郎
9話 姉妹と一緒に、惑星シリウスで感謝祭イベントに招かれた、まさか
PR
36/55

惑星シリウス再訪、早速触ったよ、子熊ども

語り手は明日谷大和組んで、一人称は「俺」です。

人と話をするときは「僕」になります。

では今日もいい1日をお過ごしください。

いつもお読みいただき、誠に感謝です。

カナセが走ってきた。後ろからマナテも追いかけて来る。


「どうしたの、カナセ」


「恵麻さんから伝言。由良たちにアイドルとしての仕事が入った。惑星シリウスでイベントがあるから、今すぐゲストとして来てほしいって。怪物の大和と一緒にな」


怪物を大声でいう彼女。姉と妹の姿を見るや、


「大和、こいつら誰?」

「僕の姉と妹。姉ちゃん、美鈴、彼女はカナセ。そっが妹のマナテ」

「留奈です。大和は怪物なのね。よかったじゃない」


姉は俺の頭を撫でた。


「なんでだよ」

「男らしいって扱われているのよ。なよなよした男よりも、野心あふれる怪物こそ、オスとしての本能。あ、これは私の考えね」


次に美鈴が手を上げる。


「美鈴、やまにぃの妹だよ。ねえ、お前さ、やまにぃを馬鹿にしたでしょ」


美鈴が喧嘩腰で、カナセに食いつく。


「私の前で兄や姉を馬鹿にしたら、お仕置きしてあげるよ」


俺はつばを飲み込んだ。マナテがカナセの肩を叩く。


「お仕置きは私の仕事です」


マナテがカナセのわき腹をつねって、耳に息を吹きかけた。


「へえ、ドMなんだ。面白そう」

「美鈴、やめろ、そっちの世界へ行くな」

「そうよ、戻ってきなさい」


俺と姉が止めたものの、美鈴は言うことを聞かなかった。


「姉ちゃん、美鈴ってあんな子だっけ?」


「わからない、私も美鈴がどんな子か、一緒に暮らしていても、すべて知らないからさ。大和、いじられている子、男の子だよね?」


ああ、どう答えたらよいのだろう。


「体はオスだけと、女の子だよ」

「ただの女装じゃん」


確かにそうなんだよ、でも違う。


「あいつはここで『女の子』として生まれ、育っているんだ。だから」

「自分の体に違和感を持っていないの? おかしい子。漫画の世界ではともかく、現実に見ると、なんというか……」


姉の発言は常識だけど、俺は突っ込まなかった。


「ほらほら、みなさん、やめてください」


愛良が手を叩き、マナテはにこりと微笑んで、美鈴の手を握った。美鈴もにこりとマナテに微笑み返し、カナセの顔が青ざめる。


「カナセ、アイドル営業ってどういうこと?」


俺が尋ねると、顔色が一気に戻った。


「惑星シリウスのイチゴ村でお祭りがあるから、ゲストとして参加してほしいって。おい、留奈に美鈴、その姿で歩くと変な奴らに襲われるから、着替えろ。僕たちの衣装を貸してやるんだからな」


「お前さ、どうして上から目線で言うの?」


美鈴がカナセのわき腹を軽くつねった。


「美鈴ちゃんがマナテと重なって見える」


由良が俺の手を強く握る。


「美鈴、いいから」


姉が美鈴の肩に手を置く。

数分後、恵麻さんがやってきた。


「連れてきたのかい、由良」

「うん、見つかっちゃった」


恵麻さんがちらっと俺を見る。


「大和、どうする、この二人も連れていくかい? 惑星シリウスは一度、訪れただろ」


覚えている。イチゴの枝からぬめぬめとあちこちいじられたような、由良の胸やスカートなど、セクハラする小さな熊たちしかいなかった。姉と妹がワクワクした表情を浮かべ、俺を見る。


「じゃあ、みんなで行く」


恵麻さんはうなずき、魔法を唱えた。美鈴が「おおおお」声を漏らし、姉は「すごすごすご」飛び跳ねている。世界が白く輝き、目を閉じた。


目を開けると、青空が一面に広がり、俺らを囲う青々とした木、コーヒーの香り、祭りの音に誘われて、由良が俺の手を握り、たったかたーと走っていく。


「あ、勇者様一行に怪物」


(ひげ)を生やし、背中に白い羽が生えている子熊。奴は由良には笑顔で、俺には舌打ちする。


「相変わらずだな、お前」

「お前もな、あの時より怪物になったんじゃないか」


くくっと微笑む熊。


「あの時なんて、もう覚えていないよ」


イチゴはおいしかったけれど、それ以外は思い出したくもない。子熊が手を叩く。


「自分の歴史を忘れる。良きも悪きも都合に合わせ、何事もなかったかのようにふるまう。それが怪物だ」


熊が「けけけ」と低い声を出し、微笑む。


「こら、そういうこと言わないの」


由良が怒る。愛良達も追いついた。


「これはすみません、勇者様。さ、みなさんがお待ち」

「きゃああ」


美鈴の声だ。後ろを振り返ると、数匹の子熊が美鈴たちを襲う。スカートをめくり、胸や腕、わきの下などに降れる。


「美鈴たちから離れろ」


俺は声を震わせながら、子熊たちを叩いた。


「あ、怪物の分際で俺たちを殴るとは」


子熊たちがかぎ爪を俺たちに見せる。


「あんたたちこそ、ぬいぐるみの分際で」


美鈴は低い声を出して、熊たちを踏みつける。


「弟や妹に危害を加えるな!」


姉も蹴っ飛ばした。声や足は震えていた。


「みなさん、もし大和さんたちを傷つけたら、私たち姉妹が盛大なお仕置きをしますからね」


マナテが蛇のような目をして、熊たちをにらむと、熊たちは光の速さで頭を下げる。


「ありがとう、マナちゃん」


美鈴が明るい声で、彼女に抱き着く。


「いえいえ、皆様をお守りするのが私の役目。美鈴ちゃん、強いですね」

「私は強くないよ、マナちゃん」


カナセがぱちぱちと目を開け、姉の手を強く握る。


「……怖かった」

「それって子熊?」

「マナテに決まっているだろ」


カナセは姉から視線を逸らし、美鈴と一緒に微笑む妹へ目を向ける。


「私は怖くないの、カナセ君。カナ君でいい?」

「いいよ。留奈さんは、安心できる」


姉は軽くなずき、カナセの頭を撫でた。


「子供っぽくてかわいい。カナ君は昔の大和にそっくり」

「僕をそいつと一緒にするな。あ、ごめんなさい。留奈さんの前で言って」


カナセは姉に頭を下げた。


「勇者様、怪物、こちらにお越しください。今からあなたがたがやるべきことを伝えます」


眼鏡をかけ、蝶ネクタイを結んでいる桃色の熊が現れ、打ち合わせを行った。


「みなさん、私はいろいろ尋ねたうえでボケます。なるべく突っ込んでくださいね。本番前まであと少しなので、今すぐキラメキドーターズに姿を変えてください」


俺は姉と妹を見る。二人は俺をじいっと見る。


「大和君、変身だよ」


「う、うん、でも」


「留奈さんと美鈴ちゃんを気にしているのですね。いずれ気づかれるので、早いうちに真実をさらした方がよろしいかと」


ココアが俺の手を握る。姉と妹の目が光る。カナセは声を出して笑う。マナテは姉の頬をつねる。覚悟を決めるか。


「輝け、私の希望――」

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

本来ならこの回で質問攻めにあうはずだったのですが、

マナカナと留奈美鈴らの絡み、第1話で出会った熊たちとの再会で、

話を終えてしまいました。


おかえりいただく前に、下記ランキングボタンを押していただくと、

今後の励みになります。お読みいただきありがとうございました。

今も明日もあなたに良いことが訪れるよう、祈っておきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ