シーミスト防衛戦
シーミスト王国 王都守備隊 防衛線
「くそ、押し返すんだ!」
もうどの指揮官からの声か分からないほどの乱戦になっていた。
その中をまだシェリーは生きていた。
彼女は、守備隊の中でもトップクラスの実力者であったが、徐々に疲労していき動きが鈍くなりはじめていた。
「なんとか、ここを死守しないと...」
地形上、王城は崖の上に立っており、その周りを山々に囲まれているので、入口は二つしかない、一つはわれが今必死で死守している正面の入口だ、そしてもう一つは急斜面になっていて登るのに苦労する場所だ。敵はそこで進撃の足が遅くなり、弓兵の的になるのを嫌ってか、堂々と正面から入ってきている。
「はぁあああああ」
気合の声と共に迫ってきた帝国兵を斬り捨てる。
だが、斬り捨てたと思っていた、帝国兵が足にしがみつき転倒させられてしまう、そこで帝国兵は息絶え、シェリーは必死に起き上がる。
その時、背後に気配を感じ振り返ると、豚のような姿をしたオークが斧を振り上げていた。
「あ.....」
もう何をしても遅かった、やられる、咄嗟にそう思った。
乾いた音が響き渡った。
それを、発射したのは陸上自衛隊2等陸尉宮本 真志であった。
「お嬢ちゃん大丈夫かい?」
まだ、17歳くらいだろうか、白髪のきれいな髪をした少女を抱き起こし、
安全な場所に逃げるように言う。
少女は頷いて、城の方に逃げていく。
「防衛線を敷け、即席でいいバリケードを作るんだ」
早口で部下に命令し、化け物どもに5.56×45㎜NATO弾をばらまく。
敵は突然現れた、自衛隊に対処できずに、次々と銃弾によって倒されていく。
「隊長、ちょっと交渉してきて家具などを貰ってきました」
永井陸曹長がバリケードを作りながら、報告した。
一時的に、敵は退いている。
だが、それもいつまで続くか分からない。
そいて、真志は拡声器がないので声を張り上げて敵に呼び掛けた。
「敵軍に告ぐ、我々は日本国陸上自衛隊です。今すぐ攻撃をやめなさい、繰り返す今すぐ攻撃を中止しなさい。もし、攻撃するようであれば我々は諸君らを攻撃する!」
後半は脅しだったが、敵軍から笑いが上がり指揮官が突撃を命じた。
ならば、我々も相応の対処をしようじゃないか。
「撃てぇええええええ」
真志は絶叫しながら、命令した。
左右に配置したminimi軽機関銃が火を噴き、隊員達が89式小銃を撃ちまくる。
突然の爆音にシーミスト兵が耳を押さえる。
だが、数が多すぎた。
倒してもたおしても湧き出してくるかのごとく出てくるのだ。
「そこ!弾幕薄いよ、何やってんの」
永井陸曹長が怒鳴る。ガン●ムネタが入っていたようだが、気にする暇もなかった。
だが、上空から思わぬ敵が来た。竜だった。
隊員達が89式小銃うを竜に向けて撃ち、鱗を貫通するが、致命的なダメージを与えられていないようだ。
竜が大きく口を開き、息を吸うかのような行動をとったのだ。
真志は漫画でその光景をみたことがあったため、即座に言った。
「ブレスがくる、よけろぉぉおおおおおお」
早めに言ったため、全員避けることができていた。
だが、一人が逃げ遅れ、竜の爪が襲いかかろうとした。
その時、崖下から空気を叩くような音が聞こえた。
現れたのは、AH-1S『コブラ』であった。
無線にパイロットからのありがたいお言葉が入る。
「全員、伏せろ」
帝国兵が驚く中、即座に身を伏せる。
20㎜3連装機関砲が火を噴く。
瞬く間に、決着がついた。
竜は全身穴だらけにされ、兵たちは原型をとどめない肉片となった。
その掃射を浴びて、生きていたのは後続の兵数人だけだった。
その後、応援のヘリ部隊が到着した。遠くには、『こんごう』、『みょうこう』、『ひゅうが』その他の艦で構成された、艦隊が見える。
シーミスト兵や生き残った帝国兵は茫然とした様子でヘリ部隊を見つめていた。
シーミスト王国は日本を攻撃したことを認め、日本と講和交渉を始めた。




