不時着
シーミスト王国 近海 イージス艦『みかづき』CIC
「おい、なにがあった応答しろ、おい!」
「駄目です切れました」
通信員が落胆に沈んだ声で報告する。
「あきらめるな、墜落する前に通信してきたということは、木端微塵にはされてないということだ、だから希望をもて」
宮本 龍雅は生きていると信じていた。
「あの小隊はゴキブリよりしぶといと陸さんの第一空挺団からお褒めの言葉をもらった部隊だ、そう簡単には死なんよ」
「そうですね....」
「生きていろよ....」
龍雅は自分の弟のことを信じていた。
その時、電測員が驚いた声で報告した。
「アンノウンを確認本艦にまっすぐ突っ込んできます!」
「くそ、総員対空戦闘よーい」
艦内にけたたましい警報がなり、隊員たちは配置についていく。
「全部迎撃できるか?」
「艦長、敵に思い知らせてやりましょう我々とイージス艦『みかづき』をなめるなと」
戦闘開始10分前
「あの鉄の虫は落としたの!?」
シーミスト王国の王女であるクレアはそういって報告を急かした。
「はい、落としました王女様しかし、新たな鉄の船と帝国海軍が接近中であります」
クレアは頭を抱えたくなった、いったい我らが何をしたのだろう。
「先ほど帝国から反乱の兆候ありな貴国を攻め滅ぼすと一方的なメッセージが送られてきました」
「くそ、まずは鉄の船からだ鳥落としから船落としに切り替えろ」
シーナス王国にはこのような魔道兵器が配置してあった。
「攻撃をはじめろ、あまり時間がない手早くかたずけろ」
「たとえ異世界の船であってもこれは防げまい」
そう腹をくくったのが間違いだったということを後から知るはめとなってしまうことを知らない。
戦闘開始15分前 ヘリ不時着現場
「ふう、あぶねーかするだけでよかったよ」
そういってオイルまみれになりながら修理をする河原たちヘリの乗務員。
「どれくらいで、直りそうですか?」
「こりゃあ、本格的な設備が必要ですね『ひゅうが』をつれてくればよかった」
そう会話していたら、奥の茂みからカサカサという音が聞こえておもわず89式小銃を向けてしまう。
「でてこい!」
と警告を発するとおずおずといった様子で出てきたのは初老の男性と子供だった。
「あなたたちはどこからきたのじゃ?」
部下たちに銃を下すように命じ真志は場の代表として答えた。
「私たちは、日本国陸上自衛隊であります」
「ジエイタイ?」
なんだそれはといった視線が投げかけられる。
「ええっと門の向こうにある国ですけどだいじょうぶあなたたちが敵意を見せない限り、攻撃しません」
警戒した雰囲気から安堵した雰囲気へと変わったため真志は胸をなでおろした。
初老の男性がいなくなったのを探しにきたのか農民たちが現れはじめる。
それでも、悲鳴をあげて逃げるものがいなかったのは初老の男性が懸命に説明してくれたからだった。
「みなさん、なにか急いでいるようですけどなにかあったんですか?」
若い隊員が女性に聞いていた。
「はやくかくれないと、帝国のやつらが来ちまうのさあんたらもはやく逃げたほうがいいよ」
その時、通信士が声をあげる。
「隊長!通信回復しました」
その声はどこか喜びに満ちていたようであった。
真志は礼を言うと通信機を手にとった。
「龍雅!本部に連絡とって応援をまわしてもらうようにいってくれ!」
「だいじょうぶ...すでに艦隊が向かってきている」
「お前、息切れしてないか?」
「なあに、今敵の攻撃を完全にさばききって疲れてるだけだよ」
不意に轟音がなった。
「なぁんだ?」
疑問の声をあげていると、通信機から怒鳴り声が聞こえてくる。
「敵艦を補足した、どんどん増えていってる!!」
「なん艦か上陸していってるぞ!」
「なんだって!?」
「真志、今陸幕長とつなぐ」
「え、あ、え?」
唐突すぎて頭の理解が追いつかない、そして無線の向こう側にいる相手が陸幕長に変わった。
「真志2等陸尉、戦闘を許可するが、自衛のための最小限なものに限定する」
「は、はい」
慌てて返事をする。
「民間人の保護も頼む、他国だがそれが自衛隊というものだろう?」
「了解、民間人を保護します」
「頼んだぞ」
最後の一言には自分への期待が込められていた。
その期待を裏切ることはできない。
そして永井陸曹長が聞いてくる。
「命令は?」
そして、きっぱり答えた。
「民間人を保護、ここを防衛する!」
「「「了解」」」
シーミスト防衛戦のはじまりを告げる、命令であった。
少し長々となってしまいました。




