偵察
プロミネス帝国 帝都 元老院
「手痛い損失でしたな、陛下」
「こちらは、かなりの将兵を失ったの」
「はい、このままでは指揮系統に支障がでます」
「優秀な兵を指揮官にし、指揮を保たせるのだ」
今、元老院では失った将兵の代わりはどうするか話合っていた。
皇帝、モルツァ ケインは一つ気になったことを配下に問った。
「捕虜はどうしておるのだ」
「は、現在マグナルク監獄に叩き込んであります」
丁重な発言内容に少々過激な言動が入っていたがケインは気にせずそうかと返した。
「どうされましたか?」
「いや、少し胸騒ぎがしたのでの」
その時、扉が勢いよく開かれた。ケインはそれが誰か見ると本当に嫌そうな顔をしたのである。
「面倒なのがきたの」
と小さく言ったのであった。
イージス艦 『みかづき』艦橋
「まさか、俺たちに偵察してこいとはな」
この艦の艦長である宮本 龍雅が言う。
副長が笑いながら返してくる。
「まあ、いいじゃないですか一足先にこっちの世界にこれたんですよ」
その時、CICから連絡が入る。
「艦長、島を探知しました」
「ご苦労、引き続き頼む」
さて、あいつの出番か
「陸さんに連絡してくれ」
『みかづき』ヘリ格納庫
「皆聞いてくれこれから敵地を偵察する」
一人の新人が緊張で固まっていたので肩に手を置いて宮本真志2等陸尉が言う。
「だいじょーぶ、ぱっぱと終わらせて帰ろう」
「全員搭乗開始」
隊員たちが海自から貸し出されたSH-60K『シーホーク』に乗っていく。
『みかづき』からシーホークが飛び立っていく。
どんどん島に近くなっていって、隊員たちも緊張していく。
真志もなにがこれから待っているのだろうと思考に明け暮れていると不意に轟音が鳴る。
「なんだ、なにが起こったんだ」
と機長に問いかけてみるが機長は『みかづき』に英語で救援を求めている。
窓から外を見てみると、エンジンが煙をあげている。
「くそ、全員衝撃に備えろ!」
機長が、叫ぶ。
真志はなにが、起こったのか分からず、島にヘリは落ちていった。