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序章
人は死んだらどうなるのだろう。 再び人となるか、魂となるか、悪霊となるか、妖怪となるか、それとも……?
安易に人を信じたりはしなかった。
笑顔を振りまいてはいたが、本当に心から笑いかけた者など1人もいない。
芦川 乙喜。
7月14日生まれ、蟹座、17歳、B型。
彼氏なし。
友人なし。
家族なし。
兄弟なし。
一部の記憶もなし。
あるのは、作られた歪な作り笑いだけ。
実兄は奇怪な死に方をした。それ以来、見えるようになったのだ。
いるはずのないそれが。
見えてはいけないそれが。
乙喜に友達がいないのは、単に八方美人だからなわけではない。周りの人はみな、乙喜を不気味がって陰口を叩いた。
そう、乙喜はいわゆる『見える人』なのだ。




