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惑星サイダー  作者: あろ
生徒会「惑星」
5/20

3.生徒会と風紀委員会の関係性①

━━━━━━━━━━━━━━━━━


水星side


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「暑っ…」



梅雨でジメジメしたこの季節。


授業が終わり、生徒会室に向かうのだが地味に教室から離れているため

廊下を歩くだけでも、汗で制服が肌に張り付く。


「ねぇ~…まだ梅雨明けてないのに、なぁんでこんな暑いの~…」

「俺が知るか…」



同じく生徒会室に向かうために合流した金星に聞いてみるが、

頭の良い金星でも知らないらしい。



「ああ~…本当ムリ…」

「あと少しだから、急ぐぞ」



うんざりしたような顔をした金星も、

この暑さのせいか俺に怒ることはしなかった。



(多分いつもならうるさい!と言われてただろうけど)



湿度が高く雨もぽつぽつと降る中、

俺と金星は急ぎ足で目的地に向かったのだった。



━━━━━━━━━━━━━━━━━



「お疲れ様で~す」



生徒会室のドアを開けると涼しい風が顔に当たる。

その瞬間、さっきまで暑くてしんどかったのが嘘のように生き返った。



「うわあ~!めっちゃ涼し~!!!最高~!!!!」

「おま、声!でかい!!」



いつもの癖で元気よく言ってしまい、横にいた金星が耳をふさぐ。



「あ、わりぃ」



軽く謝ったが、金星は大きく溜息をついただけで

それ以上何も言ってこなかった。



「フフ、相変わらず元気ですね」



声がする方を見ると、先に来ていた木星が座っており

入口のドアにいる俺たちを見ていた。



「木星さん、お疲れっす!




 …と、冥王星さんじゃないですか~」


「どうも」



木星の真向かいに座っていた冥王星は、静かに微笑んでいた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━



「今日は、風紀委員会ないんですか?」



金星は、冥王星がここにいるのが気になったようで問いかけていた。



「いや、あるよ。巡回中だったんだけど、ちょっと暑すぎてね…」

「ちょうど私が冥王星を見かけて、休憩するように伝えたんですよ」



体調不良になりかけた冥王星に、

心配した木星が生徒会室に連れてきたのだろう。



「さすがに暑すぎっすよね~」



この暑さに体調がおかしくなるのも分かる。

下手したら熱中症で、倒れかねない。



「そうだね、でも助かったよ。木星、本当にありがとう」

「いえいえ。回復したようで良かったです」



木星と冥王星は談笑している中、

冥王星も暑さに弱いのかな、なんてぼんやりと思っていた。




「そうだったんですね。



 委員会…戻らなくて大丈夫なんですか?」




金星がまた問いかけると、

冥王星は思い出したように立ち上がった。



「うん…もう戻らないとだから、行くね」

「冥王星、戻るときも気をつけてくださいね」



ドアの方へ歩く冥王星に、木星は心配そうに声をかけた。



「うん、ありがとう。じゃあ、またね」



冥王星は再度、木星に感謝して生徒会室を後にした。



(風紀委員もこんな暑い中、巡回大変だな~)



風紀委員になれる素質はそもそもないが、

自分は生徒会のメンバーで良かったなと思ったのであった。



━━━━━━━━━━━━━━━━━



「あれ?もう冥王星、行っちゃったの」


おそらくいつものようにお菓子を

作っていたであろう土星が、奥から出てきた。



「はい、先ほど行ってしまいました」

「そっか。お菓子食べてもらおうと思ったのに」



木星と土星が話しているのを見ている限り、

冥王星にもう少し居てほしかったのかな、なんて思った。



「てか、金星。あんな追い出すような言い方しなくてもよくね?」



それに引き換え、金星のあの言い方は

早く風紀委員に戻るように促したように思えた。



「そんなつもりはなかったけど、ここにいたら…」

「まあまあ、2人とも」


少しムッとした金星が俺に言い返そうとしていたが、

木星がそれを制止した。




「本来、風紀委員長以外の風紀委員は、



 

 生徒会室に”立ち入り禁止”ですからね」



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「え?そうなんすか?」



そんなルールあったんだ、と思ったが

金星は知っていたらしく呆れたように俺を見た。



「おまえ…知らなかったのかよ」

「知らなかった…でも、元生徒会メンバーだしよくね?」



冥王星は、元々2年まで生徒会のメンバーであったが

3年になって間もないころに風紀委員会に移籍した。


これは、金星曰く異例のことらしい。



「”元”だからこそ、ダメだと俺は思ったのですが…

 

 こういう場合は大丈夫なのですか?」



俺的にはそのくらい別にいいんじゃね?と思ったが

金星は、真面目すぎるところがあるから気になるらしい。



「こういう場合というより…


 そもそも、そのルールが出来た理由はご存知でしたか?」



金星の問いには答えず、逆に木星は聞き返した。



「過去に、ある風紀委員の人間が生徒会室に忍び込んで、

 生徒会の機密情報を盗み、その風紀委員がそれを利用した」


金星は過去のことまで知っていたようで、淡々と答えた。




「さすが、よくご存知で」



木星は、金星が予想通りの模範解答をすると見込んで、

あえて問いかけたのだろうか?



「そんなことあったんだ…」

「はい、残念ながら。


 水星は、風紀委員と生徒会の関係性をどう思いますか?」



今度は俺に問いかけてきたが、正直よくわからない。


「ん~、今まであんまり考えたことなかったな」

「そうですね。おそらく風紀委員でも生徒会員でもない人間からしたら、


 正直どうでもいいことですし意識もしていないでしょう」



実際、生徒会に入ったものの、

風紀委員のことなんて考えたこともなかった。



「仲、悪いの?」

「おい水星、タメ口になってるぞ…」


先輩…しかも生徒会の会長相手にフランクに聞いていたので

金星に小声で制止される。


「あ、やべ。つい」

「フフ…別にいいですよ。

 ”昔は”あまり良くなかったと思いますね」



複雑そうな表情をして話す木星に、

過去に色々とあったのだろうと察する。



「じゃあ、”今”は?」

「”今”というよりかは、”これから”は



 …といった方が良いかもしれないですね」



木星は、苦笑して濁すように話す。



「要は…関係性を、改善していきたいということでしょうか?」



金星は、木星が本当に言いたいことをまとめるように聞いた。



「そうですね、ゆくゆくは。


 それに正直な話、今機密情報を持っているのは

 どちらかというと風紀の方なので、このルールも変な話なんですよね」




(色んな事情が絡んでいて大変そうだな~)



いつものように自信に溢れている木星が、少し溜息をついているのをみて

大変そうなのは鈍感な俺でもわかる。



「あと今回は、冥王星がこちらに来て休んでいたことを、

 風紀委員長にも連絡して、了承も得ていますので大丈夫ですよ」



あまり見かけたことはないが話を聞く限り、

今の風紀委員長も寛容なんだろう。



「そう、だったんですね。すみません、俺…」

「いえいえ、金星は悪くないですよ。



 …ルールには変わりないですから」


会長と風紀委員長の双方の同意があるとわかった金星は

改めて自分の発言を思い返し謝ろうとしたが、


木星はそれをまた制止した。



「でもそんなルール、いらないっすよね?」

「私もそう感じているので、これを機に風紀委員長と

 この件で話合いをしようかなと思った次第です」



こんな意味がないルールがまだ残っていること自体おかしい。

木星の話を聞いて、絶対そうした方がいいと俺は思った。



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