願わくば虹の橋のたもとで
みんな猫になりました
暑い夏だった。
雲の切れ間から、日差しが突き刺さる。
木の陰、建物の陰、昼寝にちょうどいい場所を探してうろつく。ライバルは多いが建物も多いので、どこかしら空いているだろう。
できるだけ涼しいところ、まだ日で温まっていない木陰を見つけて腰を落ち着ける。毛づくろいもしておこう。すると、いつもの三毛がすり寄ってきた。ちょっと暑いが悪い気はしない。
黄色のトラが黒とケンカしている。今日のケンカの理由はなんだろう、アイツら飽きないな。
お日様はどんどん登っていく。
これじゃココも暑くなるかと腰を上げた時、大きなトビウオが空を舞った。
俺達がいたのは
1945.08.09, 11:02.
原子の光に灼かれた、世界で2つ目のヒトの街だった。
☆☆☆
気が付けばそこは、一面の緑あふれる草原で。
雨もないのに空にはキレイな虹の橋。
灼き尽くされたはずの身体も元通り。
先住者が言うには、エサも水もたっぷりあるから、迎えが来るまでに元気になっておきな、と。
迎え。野良の俺に?
「にんげんとは限らんだろうさ。迎えは迎えだよ。」
そう言って福福とした先住者は体を丸めてしまった。
することもないので、言われた通りに過ごすことにした。
元気になるという建前で自堕落に過ごしていると、懐かしい声がした。木陰で寄り添っていた温かさを思い出す。
飛びついてきた三毛猫は、ヒトに変じて俺の腕の中に収まった。
「会いたかった」
「やっと会えた」
もう朧げでしかない、遠い記憶。
地獄の中の唯一の光。
もう、離さない。
「浸ってるところ、申し訳ないですが」
「オレたちもいるぜー」
これが、お迎えか。
迎えが来たのなら、進もうか。
虹の橋を4人で。




