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 無数の触手が私の行く手を阻む。


葉月:「なんなのよお」

 

 赤色のダウンジャケットに身を包んだ私はとある研究所内を逃げ惑っていた。

 広大な敷地内に創られた研究所は複雑な迷路のようであった。

 その迷路を必死に私は逃げていくが、あと少しで研究所内から逃げられる!と思った瞬間、触手が現れ、行く手を阻まれる。


葉月:「絶対遊んでいるわね」


 私は、この触手を操る青年の事を考えていた。

 我楽院祐也(がらくいんゆうや)、この研究所の研究者であり、術者の家系に連なるもの。

 この研究所では、魔術と科学の融合を目指して研究していた。

 

 そして偶然、研究所に迷い込んだ葉月の【妖精女王の瞳】が暴走し……


 彼の研究していた「九頭竜」の触手のかけらが暴走し、現在に至っているわけである。

 もちろん、【妖精女王の瞳】の暴走を受けたのは、触手だけのわけはなく……


葉月:「きっと、あの男が【災厄の騎士】になっているのね」


 普通の【災厄の騎士】ならすぐに葉月の元に現れるが、祐也は現れない。

 おそらく完全に【災厄の理力】が体に馴染むのを待っているのだろう。


葉月:「これは、困ったわね」

葉月:「もう、召喚するしかないか……」


 私は召喚の呪文の詠唱を開始した。

 呪文と共に、【妖精女王の瞳】から魔力があふれ出し、私の目の前の空間が歪む。


 そして現れたのは……。 

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