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-4-

 転移した先には、葉月の姿があった。

 どうやら彼女が招いたらしい


葉月:「有希さん、大丈夫でしたか?」


有希:「魔眼の能力か……、なんともない、と言いたいところだけど、ちょっと手詰まり感じてたところだったからね、助かったよ。ありがとう」

有希:小銃を虚空へ消し去り、着替えたセットアップが焦げてないか確認する。


葉月:「トリスタンの退魔士でも難しいのですか」

葉月:「そんな……」かなり不安そうな表情を浮かべます。



有希:「ごめんごめん、不安にさせちゃったね。」葉月の頭に優しく手を置き

有希:「どうも楽して勝とうと探り過ぎる悪い癖があってね。弱点がないかと色々試してたんだ」

有希:「ちゃんと護るから、信じて見てて、ね?」

有希:背丈こそ葉月とそう差はないが、落ち着いた雰囲気が有希の言葉を信じさせる。【能力1:王女の仮面 [感情]】使用


----------

能力1:王女の仮面 [感情]

 邪神としての指向性と有希自身が葛藤する中で抑えつけてきたものが混ざり合って性格が形成されている。

 一言で表せば、トリックスター。あまのじゃく。悪人。

----------


葉月:「有希さん……」

葉月:「あ、そういえば、チータマが【災厄の騎士】の情報をさがしてくださいました!」


 有希が空間転移してくる直前、別行動をとっていた葉月の使い魔チータマが戻ってきたのだ。

 チータマが入手した情報は、魔力を介して葉月に流れ込んできていた。


葉月:「えっと……」


・紅の魔術師カイルは、有名な炎の魔術師であったが、ある魔術戦で自分の魔力を暴走され深手を負った。

・それ以来、得意とする炎の魔術を使用せず、銃やその他の術を使用している。

・炎恐怖症であり、彼が炎の魔術を使うとは思えない。

・それほどまでに彼の炎に対する恐怖は強い。


葉月:「……ということらしいです。ありがとうね、チータマ」


 葉月の肩でチータマが嬉しそうに飛び跳ねています。


有希:「私からもありがとう、それ、ヒントになるかも」指でチータマを撫でながら

有希:「……さて、襲撃を待ってるのも癪ね。打って出るか?」


 その時、葉月が眼を押さえる。


葉月:「また魔力が」


 眼鏡の奥からあふれ出した魔力が広がり、その魔力の中から、カイルが現れる。


カイル:「【運命の少女】よ、やはりあなたは私に会いたいようだね」


 冷静な口ぶりで話すが、その声が震えている。

 カイルは葉月をみて興奮しているようだ。


有希:「彼女が貴方に会いたいわけないでしょう? 魔眼の力が暴走しているだけなのだから、変な妄想は止めて頂戴。気持ち悪い」


 葉月への視線を遮るように、有希がカイルの前に立ちはだかる。


カイル:「邪魔をしないでくれガール、君の力では私には届かない」


 カイルの足元に、魔法陣が描かれる。


カイル:「この炎は、私が彼女に選ばれた証、敗れることはない」


有希:「炎が怖いのに?」

有希:「それが選ばれた証なの?」

有希:魔法陣に構わず距離を詰める


カイル:「私を愚弄するつもりですか」

カイル:魔法陣の外周をなぞるように炎の壁ができます。


EM:では、イニシアチブです。


カイル:2d6(コロコロ)8[6,2] > 8


有希:2d6(コロコロ)9[5,4] > 9


EM:有希の先行です。


 葉月は有希の背後で2人の戦闘を見つめる。

 【妖精女王の瞳】が2人の体から迸る魔力を捉える。

 その魔力の輝きに目が眩みそうになる。


 最初に動いたのは、有希であった。


有希:「じゃあ、試してみようか」

有希:炎の壁が展開されようとひるまず距離を詰め、

有希:【能力4:空間転移 [現象使い]】 転移で持ってきたガソリンを男にぶちまける

有希:【能力3:洗脳 [幻影]】自己洗脳で身体が燃えようと何も感じない。ただ肉体の限界を超えた動きで殴り、蹴る

有希:【能力2:魔王 [異形化]】限界を超えて損傷した肉体は魔力で創り直す

有希:「火だるまになって死ぬか、殴り殺されるか、選んでいいよ?」

有希:ただ明確な意図を持ってそう言ってやるだけでいい。男の動きを制限する。

有希:「闇から這い出でよ」

有希:炎の魔法陣が描かれた地面を砕いて、地中から名状しがたい化物が這い出てくる。男の3倍はあろう蠢く肉塊が数体その質量でもって男を潰そうとする

有希:2d6+9(コロコロ) 4[3,1]+9 > 13


葉月:「え?」


 葉月は驚愕する。

 ガソリンまみれになったカイルに対し、猛然と有希が殴りかかったのだ。

 殴った衝撃で拳の骨が砕けるも、何度も何度も殴り続ける。

 骨が折れても瞬く間に癒えていくのは、【妖精女王の瞳】で見て理解できる。

 だが、魔力で補っているとはいえ、あまりにも異様な光景であった。

 さらに、地面から現れた異形のバケモノたちがカイルに近づいてくる。


 その光景に……


カイル:「あああああああああ」


 カイルは絶叫した。

 為すすべもなかった。

 【災厄の理力】の魔炎は使用できない。


 なぜなら、有希が接近戦を挑んでいるからだ。

 炎のトラウマの癒えない彼は、足元の魔法陣の中には、炎の魔力が放てないのだ。


 そして浴びせられたガソリン、その強烈の匂いが、ほんの少しでも火種があれば、火が己にまとわりつく事を想起させる。 


カイル:「死ねえええ」


 とっさに選んだのは銃であった。

 弾を強化する魔術を唱えながら、発砲する。

 

 炎の恐怖によって狂いそうになる彼の心を繋ぎ止めるのは、有希の背後で戦いを見守る葉月の姿であった。


EM:【魔術師(2)】+【ドラマチック(6)】


カイル:2D6+8(コロコロ)4[1,3]+8 > 12


EP:5→3

力:8→6


 銃弾が有希の体を穿つが、銃弾では止まらない。

 有希の拳を食らい、さらに銃は発砲した時にでた火花でガソリンが引火しカイルが炎に包まれる。


カイル:「ほ、炎がああああああ!」


有希:「まだ踊るの? まぁいいよ、付き合ってあげる」

有希:撃たれても、殴った拳が折れても、身体が燃えていても、それでも嗤って男を追い詰めていく。


 カイルにまとわりつく炎を浴び、有希の着ている服に引火し、有希自身も炎に包まれる。

 だが、炎に体を焼かれながらも……


 有希は嗤っていた。


カイル:「あああああああああ」


 絶叫しつつカイルは銃を構える。

 目の前にいる有希に対する恐怖で精神が狂っていく中、魔術を唱え銃弾を放つ。


EM:暴走(4)

EM:4+2D6(コロコロ)4+4[1,3] > 8


有希:【能力4:空間転移 [現象使い]】転移で抜き身の刀を手に携え、

有希:【能力3:洗脳 [幻影]】自己洗脳を先程同様に使用し、常人離れした一太刀で切り伏せる

有希:2d6+7(コロコロ)10[4,6]+7 > 17


 銃弾が体に受けた衝撃で、有希の体が後方に飛び、間合いが空く。

 あと少しで魔法陣の外までずれる。


 そう思い、さらに引き鉄を引こうとしたカイルの目前に、美しい刃の切っ先が現れる。

 それまで無手だった有希の手に、優美な日本刀が握られていた。


 素手の間合いから数歩遠い距離

 それは刀を十全に振るえる間合いだった。

 

 その光景を葉月は魔力を宿した【妖精の女王の瞳】で見ていた。

 全身が炎に包まれても、悠然とした笑みを浮かべ、今、まさに日本刀を振るおうとする有希の姿を。

 その笑みはどこから上品であり、彼女が「女王」の字名を持つのも納得できた。

 真紅に飾られた有希が刀を振るう姿は、とても美しいものに葉月の瞳には映った

 炎に包まれたその姿「紅蓮の女王」のを。

 その時、葉月の心がトゥクンと鳴った。

 

 EP:3→0

 力:6→5



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