【二章】第1話:運営からの返答と仕様変更
過剰な威力を出力したカード合成の件で送信した不具合報告(GMコール)。
第二章は、運営からの迅速な回答から幕を開ける。
「マスター! 運営システム(GM)から通知が届きましたよ!」
電脳空間のホーム画面で、ゼノンがホログラムの封筒アイコンを激しく明滅させながら報告してきた。
「第一章で送った不具合報告《GMコール》の件ですね。開封します!」
ゼノンが空中に展開したメッセージウィンドウには、簡潔なテキストが記されていた。
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【運営チームより】
ご報告ありがとうございます。
全体的に強すぎるカードが生成されやすかった問題が解決いたしました。
すでに生成済みのものは仕方ないですが、今後は適切な強さのカードが生成されるようになります。
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「わざわざご丁寧なGMだな。ありがたい」
俺はウィンドウの文面を読み、満足げに頷いた。
「どうやら、裏側で生成AIの出力パラメーターや、コスト計算の論理に修正が当てられたようだな」
「おおー! マスターの報告のおかげで、このゲームのバランスが一つ適正化されたわけですね! でも……」
ゼノンが少しだけ残念そうにバイザーを瞬かせる。
「『今後は適切な強さになる』ということは、もうあの『コスト3で威力十倍』みたいなぶっ壊れ武器は作れなくなってしまったということですよね?」
「ああ。当然の処置だ。俺としては、むしろこれで安心して遊べるというものだ。やはりカードゲームは、限られたリソースと適正なルールの中で知恵を絞るからこそ面白い」
俺は素直に運営の対応の早さを評価した。
とはいえ、とインベントリ(持ち物欄)を開く。そこには、修正前に生み出された二振りの凶悪な武器――『カッパー・ルーン・グレイブ』と『カッパー・ブラッドコンダクタ』がしっかりと鎮座していた。
「運営からのメッセージによれば、『すでに生成済みのものは仕方ない』とのことだ。つまり、この二つの規格外武器は没収されず、そのまま俺たちの手元に残る」
「実質的な先行者利益……いえ、初期環境の抜け穴を突いた、伝説の遺物になってしまいましたね!」
「そういう言い方は人聞きが悪いぞ。ただの動作検証の副産物だ」
俺は苦笑しながらインベントリを閉じた。
なんにせよ、手札に強力な切り札が残ったことは事実だ。ここぞという時の奥の手として大事に取っておこう。
「さて、環境が適正化されたなら、心置きなく新たな構築を試すことができる。それに、前回のシナリオで手に入れたあの『スマートフォン』の使い道も検証したいところだ」
「はいっ! 適正化された新たな環境で、次は何を試しましょうか!」
「俺の中では無双するための最適解のルートは実はある程度見えてきているんだ。ゼノン楽しみにしててくれ」
運営からの迅速な対応により、ゲームバランスは適正化された。
手元に残された二振りの「遺物」を抱え、PMフォージの次なる検証が始まる。
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