表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アナザーオブアス  作者: そらね
第2章 再び森へ
8/23

閑話2 マークとの出会い

「…じゃあ遊ぼうぜ!」


「何して遊ぶ?」


そう聞き返す。毎日のようにグンマと遊ぶようになってから1ヶ月。私たちの遊び場は村の中になっていた。


「じゃあ落とし穴作ろうぜ!」


…相変わらず考えることが短絡的だ。


「それ危なくない?」


「落とし穴くらいなら大丈夫だろ!」


「まぁじゃあいいよ」


そう言って村の空き地に落とし穴を掘る。




2時間くらいで直径1m、深さ50cmくらいの落とし穴ができる。


「さて…これでいいかな?」


グンマが満足げに呟く。


「あ!ちょっと待ってて!」


「ん?どうしたの?」



美の極致たる氷よ 出で来よ



「第一階梯、氷礫(アイス)だよ!」


穴の底には円錐状の氷がぶっ刺さっている。


「えーと…これは…?」


グンマが困惑したように聞く。


「ん?落とし穴のそこに氷をさしてるだけだよ?普通の落とし穴じゃ面白くないでしょ?」


「…お前さっき危なくないかとか心配してたよな…?」


「それがどうしたの?」


「…まぁいいや」


普通の落とし穴じゃ面白くないとか言いそうなのは私よりグンマの方な気がするけど…


「じゃあ早速隠れようよ!」


穴に軽く葉っぱで蓋をして土をかける。そして建物の影に隠れる。




15分くらい経って人がやってきた。


「この空き地なら遊びやすいかな…?」


私と同じくらいの年の男の子のようだが、少し小柄な割に妙に大人びて見える。


「さて…じゃあ呼びに行くか…」


そう言ってその男の子は空き地を出ようと歩き出した。そしてその足元には…落とし穴があった。

ズザザザッとかぶせた土もろとも男の子が穴に滑り落ちる音が響き渡る。


「うわわわわっ!なんだこれ!って痛ってぇぇ!」


叫び声が響き渡る。


グンマとハイタッチをして早速穴に近づく。


「落とし穴か…ってかなんだこの氷!殺意たっか!」


見ると左足を怪我した男の子がいた。


「…ちょっとやりすぎちゃったかな…?」


少し怖くなりつつグンマに聞く。


「やりすぎ…じゃね?」


「これ、君たちがやったの?」


穴から這い上がってきた男の子に静かな口調で聞かれる。ごまかすのは無理があると思い、正直に答える。


「はぁ…これはいたずらじゃすまないよ…」


男の子が呆れたようにため息をつく。事実呆れているのだろう。というか、あんまり怒ってない…?


「じゃあ僕はちびっこ達と遊ぶ約束してるからそろそろ行くね。落とし穴ちゃんと戻しときなよ?」


そう言ってその男の子は去っていった。




次の日。村の外で岩に腰かけてグンマと何して遊ぶか話していると、突然後ろから声が聞こえた。


「ねぇ、何してるの?」


驚いて岩から滑り落ちそうになりながら振り返ると、昨日の男の子がいた。


「何って…遊ぼうとしてるだけだよ」


そう答える。


「またなんか危ないことしようとしてない?」


「そんなことしてねぇよ!」


グンマが食い気味に答える。


「ほんとかなぁ…」


これは完全に信頼されてないな。


「じゃあ…一緒に遊ぶ?」


「えっ、いいの?」


遊ぶ人が増えたらその分楽しいし、大歓迎だ。


「私はテレス。よろしくね!」


「俺はグンマ」


自己紹介くらいちゃんとすればいいのに…名前だけって…


「僕はマーク。こっちこそよろしく」




それからマークは毎日のように遊びに来るようになった。そしてよく、「見てないとお前らは何やらかすかわからないから」とよく言っていた。



これが私たちとマークの出会いだった。


よろしければブックマーク、下の星評価いただけると大変励みになります。


よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ