13話 出立
次の日。なかなか起きないリオンを起こしてギルドに向かう。掲示板を見ると新しい依頼が貼ってあった。
調査依頼
ラグライズの町の現状確認
「あの…これって…」
受付の人に聞くと少し顔が曇った。
「1月前からラグライズとの定期連絡が来てないんです。なので、その理由を確認してきてほしい、ということです」
「ラグライズ…って…どこ…」
ユイが尋ねる。そっか、家から出ないから…
「南の方にある港町だよ。漁業が盛んだったはず」
マークが説明する。
「そういえば最近魚をあんまり売ってるのを見かけないね」
宿の食事だけでは足りないことが多いから私はちょくちょく料理をする。もちろん買い出しも自分でやる。だから、最近魚が売られていないのを少し疑問に感じていたのだ。
「依頼については、ラグライズの町が危険な状態に陥ってないか確認して貰えれば結構です」
「それならあまり難しくなさそうだね」
「じゃあその依頼を受けさせてください!」
というわけで私たちは地図を貰い、ラグライズの町へ向かった。
ラグライズの町までは歩きで1泊2日。道も整備されているのでおしゃべりしながらのんびり歩く。歩くのが嫌ということでユイは来ていないが、それでも遠征みたいで楽しい。特に何事もなく夜になる。普通だったら1日も歩けば結構な人とすれ違いそうなものだが、不思議と誰にも出会わなかった。開けた野原を通る道のすぐ横にテントを張って野宿をする。乾燥させた携帯食料の肉を火で炙ってパンと一緒に食べる。やっぱりこういうときにも魔法っていうのは便利だ。すぐに焼き終わる。4人で食べながら話す。
「ラグライズの町…これは何かあったって考えるほうが妥当だよね…」
そうでもなければここまで誰にも会わないわけがない。
「モンスターに襲われた…とか?」
肉にかぶりつきながらマークが言う。
「ラグライズにもギルド支部があるはずだから滅多なことじゃそんなことはないと思うけど…」
だが連絡が途絶えているのもまた事実。明日に備えてしっかり寝ておこう。テントの中でみんなで寝る。こうしてみるとキャンプというのも中々楽しい。
「それじゃ、おやすみー」
明かりにしていた焚き火を消し、眠りに落ちる。
マークに静かに揺り起こされて目が覚める。
「何?まだ真夜中じゃん」
私は寝起きが悪いわけでは無いが、流石に真夜中に起こされては苛立ちが募る。
文句を言おうとするとマークが人差し指を唇に当てた。耳を澄ませるジェスチャーを見て、周りに意識を向ける。そして気づいた。テントの外から聞こえる微かな素早く動き回る足音と…もう1つは地面を這い回るような音。
「 (これ…モンスター…だよね?)」
声を潜めて聞く。マークがゆっくりとうなずいた。
よろしければブックマーク、下の星評価いただけると大変励みになります。
よろしくお願いします!!




