閑話3 ユイとの出会い
久しぶりの投稿です。時系列的には他の閑話よりも前に来てます。物語の進行上ちょっと順番を入れ替えました。
村外れにある廃屋。そんな言葉はテレスの好奇心を刺激するのに十分だった。
まだ幼いテレスは、好奇心のままに深夜、両親が眠りについたのを見計らって家をこっそりと抜け出した。
夜道とはいえ月明かりで照らされており、あまり暗くない。
しばらく歩くとぽつんと建っている家が見えてきた。
家…としてはかなり荒れ果てている。木の板を乱雑に積まれてできた屋根はところどころ黒ずんでおり、よくわからない植物が生えている。入口のあたりも草が伸びっぱなしになっている。
「誰もいなさそう…かな?」
そう判断して廃屋に入ってみる。
中は暗く、小さな窓から月明かりが入ってきている程度だ。
忍び足で入っていくと急に高い音がけたたましく鳴り始めた。
「…警報音!?」
慌てて出ようとする。だが、足元がよく見えず盛大に転ぶ。
と、突然ナニカに腕をがっしりと掴まれた。
逃げようとするも振り解ける気配もない。そのままズルズルと引きずられ、家の中の方に連れて行かれた。
扉を開け、部屋に入るとそこには1人の…子供がいた。
整った顔立ちの小柄な少年はその真っ白な髪(後に銀髪ということを知った)がよく目立つ。
そしてこちらをにらみつけている…かと思ったが、全くそんなことはなかった。ずっと後ろを向いている。
…というよりこっちを気にしてないように見える。
ビービーと音が鳴り響いているのに…まさか気づいてない?
「…ふぅ…うわっ!?」
息をついたかと思ったら突然叫び声をあげた。どうやら本当に気がついてなかったようだ。
「え…だれ?」
明らかに異常事態という警報音の中で気が抜けるほどのんびりとした口調で聞いてきた。
「えーっと…」
どう説明したものか。
「冒険ごっこ…みたいな?」
空気が凍りつく。
「警報…鳴らなかった…なんで…」
「いやめっちゃ鳴ってたよ!ずっと!」
思わず突っ込む。
なんなんだこいつは…ほんとに変わった人だ。
「ところで、そんなに夢中に何やってたの?」
「ん…これ?」
そう言って机の上においてあったものを見せてくれた。
「アーティファクト…魔法の…道具」
作りかけなのだろう。ごちゃごちゃしていてよく分からなかったが…
「…なんかすごそう」
そう呟くと、少年は少し笑顔になった。今まで無表情だったが、わかりやすい。
「そういえば…ここにいて…大丈夫…?」
そう言われ、家をこっそり抜け出してきていたことを思い出した。
「あっ…バレたら怒られちゃう…帰らなきゃ!」
そう言って家に向かって走り出す。
走りながら私は少年のことを考えていた。
見るからに変わった少年。だが不思議と警戒心は生まれてこない。
「この子といたら面白そう!」
そう私の直感が告げていた。
これが、ユイとの出会いだった。
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