純白2
ぎぃっと、重厚な大聖堂の扉が開き、真紅の絨毯の先にはルーファス様が見えます。
なに着ても似合いますね、ルーファス様………。
正装姿のルーファス様は、いつも以上に素敵です。
「お父様、行きましょう」
「あぁ」
「式の途中に意義ありなんて言ったら、実の父でも容赦しませんから。お母様直伝の暗殺術、なめないで下さいね!」
にっこり笑って、囁きます。
うふふ、いつでもいいですよ!
まぁ、しないとは思いますけどね。殺さない自信はありませんが………善処いたします。
「…………………わかったよ、しないから」
しないならいいです。
お父様以外ならどうにでもなりますから。
やわらかなヴァージンロードを歩き、ルーファス様のほうに一歩ずつ近づきます。
ルーファス様が、にっこり微笑んだのがわかりました。
「ルーファス様」
「綺麗ですよ、ファティマ」
「ファティマ、ルーファス君がいやになったらいつでも帰っておいで。今からでもいいよ、捨ててきていいからね」
「ありませんよ、そんなこと。わたしはルーファス様一筋になりますから!」
ルーファス様の手を取り、お父様の手を離します。
お父様ににっこり笑ってから、ルーファス様を見ました。
それから式はとこどおりなく進み、指輪の交換もしました。
「では、誓いのキスを」
「愛してるよ、ファティマ」
「わたしのほうが、愛してます。殺しちゃいたいくらいに」
ヴェールなしでは本日始めてみるルーファス様のお顔が、近づいてきます。
目を閉じて、長くて短い誓いのキスをしました。
わぁっと会場が歓声に包まれ、祝福の鐘がなりますか。花びらが降り注ぎ、わたしはにっこり笑いました。
「うふふ、ルーファス様!!」
「ん、何ですかファティマ」
満ち足りた笑顔のルーファス様に、勢いよく抱きつきます。
首に手を回し、驚きながらも抱き締めてくれるルーファス様の耳元で囁きました。
「愛しています、ルーファス様。もう、逃げたりしませんからルーファス様も逃げないで下さいね!」
そして、ちょんとルーファス様の唇に自分のそれを重ねます。
途端に、ルーファス様も唇を合わせてくれます。誓いのキスよりも深くなったそれに笑いながら、わたしはもう一度ルーファス様を抱き締めました。
───────わたしは、ハーフェン王国一幸せな花嫁です!!!
これで一応完結です!
ですが、ボチボチ新婚さんのアレコレ等を載せていこうかな、と思っておりますので!!!
その時はよろしくお願いいたします♪