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殺奪  作者: 夏野
学生編

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一応の勝利

変更点12/14

改稿のやり方を少し変えます。今までは、少しずつ書き換えていたのですが、これからは、ある程度区切りをつけて書き換えようと思います。読者様方からすれば、ほとんど何も変わりませんが、今までとは少し違った感じになるということを、一応把握お願いします。


修正点12/15

前の話にサータの復活シーンを入れ忘れていたため、追加しました。


改稿済みです。

『ミレア、勝ったよ。』


『あれ?勝ったの?』


『うん。』


『ステータスカンスト相手に?』


『うん。』


『どうやって?』


『魔剣の秘められた力を解放した。』


『?、とりあえず、魔属性の攻撃を軽減する魔法は解除するよ。』


『頼む。』


言われて初めて周りを金色の光が覆っていることに気づいた。


「カイン、無事か!?」


「カイン、大丈夫!?」


少し後ろで待機していた、両親が俺に駆け寄ってくる。


「大丈夫です。父さんと母さんも問題ないですか?」


「それより、あんなやっと戦ったんだ!カインだって傷の一つくらいあるだろ!手当てをしなきゃ。」


「け、怪我の場所を見せて!早く手当しなきゃ。あなた、私、包帯をとってくるわね!」


「あぁ、頼んだ!」


「大丈夫です。怪我なんてしてません。」


誰かに心配されて、悪い気はしない。


「本当か?」


「本当?」


「はい。本当に無傷です。」


「そ、そうか……。よかった。」


「よ、よかった……安心したわ。」


で、問題が残っている。


パニックっている町の人々をどうするか、だ。


『ミレアに〈回復魔法〉の〈精神回復(レジリエンス)〉を使ってもらいましょう。それを、マスターが〈無属性魔法〉の〈多重化(マルチプル)〉で増やしてください。』


『わかった。ありがとう。』


『ミレア、〈回復魔法〉の〈精神回復(レジリエンス)〉って使える?』


『サータから聞いたよ。魔法陣もサータに見せてもらったから使えるよ。今、カインのとこに行くね。』


『ありがと。』


「父さん、母さん。今から、ミレアと町の住人のSPを回復します。」


「あ、あぁ。わかった。頑張ってくれ。」


「カインも成長したのね……。さっきっから状況がほとんど理解出来てないけど、頑張ってね。あとで何があったか聞かせてね。」


「もちろんです。」


「カインー。来たよ。」


『サータ。その、〈多重化(マルチプル)〉の術式教えて。』


『魔法陣はこうです。この魔法の効果は……例を挙げますと、〈多重化(マルチプル)〉を魔法Aに使ったとします。本来、魔法Aは一人を対象にしか出来ません。しかし、〈多重化(マルチプル)〉を使うと、魔法Aの対象を複数にできます。その反面、魔法Aの効果は本来より劣ってしまいますが。今回の事柄に置き換えると、一人のSPしか回復できないのを、町の住人全員を同時に回復させることができます。』


『な、なるほど。』


「ミレア。タイミングは合わせるから好きな時に魔法を使っちゃって。」


「わかった。……聖なる光よ、()の者を の心を(むしば)みし邪念を打ち払え。〈神威精神回復セイクリッド・レジリエンス〉!」


「〈超多重化(ハイパー・マルチプル)〉!」


ミレアが構築した金色の魔法陣が、俺の魔法により無数に増える。


それぞれの魔法陣から全ての人々に優しい光が放たれた。


「あれ。今更だけど、カインのステータス戻ったんだ。」


「いや、レベルが上がっただけ。スキルは【殺奪】…進化したんだけど、【殺奪】の進化したやつとサータの進化したやつと、〈爆発魔法〉と【偽装】しか使えない。……あ、【万象眼(ゲームメニュー)】も使える。他は文字化け。」


「進化しすぎじゃない?……あ!私の【プチゲームメニュー】も【事象眼(ゲームメニュー)】に進化してる!」


『マスター。無事に全員が冷静を取り戻しました。』


「無事に成功したみたいだね。」


ミレアもサータの話を聞いていたのだろう。


「あぁ。父さん、母さん。皆さんの意識は戻りました。」


冷静になったからと言って、統率が取れているわけではない。


「カイン。声を大きくする魔法、使えるか?」


『〈無属性魔法〉の〈声量拡大(オーグマンテ)〉ですね。術式はこんなです。』


「使えます。〈声量拡大(オーグマンテ)〉。」


「みんな。聞いてくれ。今回の騒動を引き起こした魔物は、私の息子、カインによって討伐された!だからもう、安心してほしい。各自、していた作業に戻ってほしい。詳しいことは、後日、町長からお話ししてもらう。」


「父さん、凄いですね。演説、得意なんですか?」


「いや、初めてやった。」


「カイン、こう見えてお父さんは人をまとめるのが上手なのよ。」


「そ、そんなことはいい。カインとアリナは家に戻ってなさい。ことの顛末は私から町長に伝えておく。ミレアちゃんも、家に帰った方がいい。ご両親が心配なさってるはずだ。」


「は、はい。」


「それと、学園ではカインがお世話になってるそうで。愚息だが、これかりも面倒見てやってほしい。」


「いえいえ、私の方こそ御宅の御子息にはいつも頼らせてもらってます。こちらこそ、カインにはお世話になってます。」


「よくできたお嬢さんだ。近所ではあるけど、あまり関係がなかったのが惜しいよ。ご両親によろしく伝えてほしい。」


「はい、わかりました。それでは、失礼します。」


「カイン、いい彼女を持ったな。お貴族様でもないのに、そんな歳から交際をするとは思ってなかったよ。」


「違いますよ?ただの友達です。」


「反対はしないから安心してくれ。では、私は報告に行ってくる。」


「本当に違いますよ?」


「あなた、行ってらっしゃい。カイン、私も反対しないわ。恋は自由だもの。」


「本当に違いますからね?」



魔神討伐から二日後


俺は、ここ二日間、両親と学園について話したり、今までの冒険者としての活動や、領主のところで魔物を売っているなどの話をした。


危ない職業ということもあり、心配はされたが、反対はされなかった。


この間、ミレアとは会ってない。


お互い、家族というものがあるので、そちらを優先していたからだ。


また、昨日、町長から詳しい説明を求められた。


両親が拾ってきて、解放してしまったことも包み隠さずに話した。


町長は何か罰を与えるか迷ったようだが、人的にも、物的にも被害がなかったため、厳重注意で済まされた。


そして、今日、この時は約束の時間。


アードのタクシーで、街に帰る日だ。


「カイン、明日からまた学園なのだろう?頑張ってくるんだぞ。」


「はい。存分に励んできます。」


「怪我や病気に気をつけてね。」


「もちろんです。そう言う母さんも、父さんも、無病息災で元気にしていてくださいね。」


「あぁ。」


「えぇ。」


「それでは、また今度。さようなら。」


「元気でな。」


「ばいばい、頑張ってね。」


俺はそう言い残して、アードを待たせてある場所に向かって歩く。


『サータ、ミレアはまだかかりそう?』


『いえ、もう先に着いています。』


『え、まじ?』


『数分前に。』


『ミレア、ごめん。すぐ行く。』


『大丈夫、大丈夫。まだ約束の時間じゃないし。』


「【転移】。」


「わっ!びっくりしたぁ。」


「ごめん、お待たせ。」


「もう、【転移】する時はするって言ってよね。じゃあ、アード。出してもらっていい?」


「おうよ。」


「あれ、いつの間に仲良くなったの?」


「待ってる間に話してたんだ。アードも日本の転生者なんだってね。それで、ちょっと昔話してた。」


「へー、そうなんだ。」


「うん。」


「「……。」」


話題がなくなり、空気がシーンとする。


コミュ障兼陰キャの俺には辛い。


「じゃ、じゃあ乗ろうか。」


「そ、そうだな。」


二人していそいそと車に乗り込む。


「シートベルトは締めろよー。じゃあ、出発するぞー。」


アードがそう言うと同時に、車が走り出した。


『ミミック。』


『どうした?』


『せっかくだからロンギヌスとの関係について教えてよ。まだ街に着くまで時間かかるし。』


『いいぞ。話してやる。』


『ありがと。』

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