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小説・吸血鬼の村  作者: iris Gabe
解決編
23/23

23.エピローグ

 一つのゲームが終われば、参加者全員による反省会が行われる。生き残った者、死んでしまった者、勝者と敗者、銘々が率直に思うがままを語り始める。

女将志乃「んもー、残念だわー。途中まで、最高に上手くいっていたのにね」

令嬢琴音「ほんまに、二日目までは完璧やったんよ。三日目に、猫さんがでしゃばったんが、あかんかったわ」

女将志乃「そうよ! なんでまた、よりによって、天文家宣言なんかしたのよ? きちんと説明しなさいよ!」

 二人の女から、かしましい罵倒を浴びせられ、頭を掻きながら猫谷が弁解を始めた。

行商人猫谷「いやはや、真に申し訳ありません。全て、わたくしめが悪いのでございます。楽勝ムードに、つい浮かれてしまい、調子に乗ってしまいました。黙って潜んでいた方が良かったっすね」

女将志乃「あったり前よ! 猫谷さんのせいで負けちゃったようなものだわ!」

行商人猫谷「それは、あまりにもお厳しいお言葉――。しかし、もう、返す言葉もございません。ただ、反省しておりますです。はい……」と、猫谷は、最初は申し訳なさそうに肩をすくめていたのだが、周りの冷めた視線を感じ取ると、ひとつ咳払いを入れて、さらなる話を切り出した。

行商人猫谷「いやね……、三日目まで天文家が名乗り出ないんで、てっきり、天文家はすでに死んでいると勘違いしちまったんだな。だから、俺さまが、直々に天文家であると名乗り出て、さらに、村側を混乱に落とし入れてやろうと、まあ、何というか――、つい欲が出てしまったというわけだ。まさか、葵子さんがずっと黙っていたなんて……。いやはや、――まいりました」

書生和弥「まあまあ、志乃さんも琴音さんも、あまり猫谷さんを責めないでやってください。たまたま、僕たちが勝利できましたが、それは葵子さんが随所に指摘されたたぐいまれなる名推理のおかげであり、それがなければ、僕たちだけでは到底、真相にはたどり着けなかった、と思いますよ」と、猫谷に助け船を出したつもりであったが、

女将志乃「そんなことはね――、百も承知よ! ああー、ほんとに悔しいわー」と志乃は、まだまだ怒りが収まらない様子である。そのやり取りを眺めていた小間使いが、遠慮がちに口を開いた。

小間使い葵子「申し訳ございません。わたくしがまだわからないのは、菊川さまです。

 菊川さまは、なぜ、初日に、琴音お嬢さまがなされたいつわりの片想い宣言を、黙って見過ごされたのでしょうか? 菊川さまにしてみれば、ご自分が片想いなのですから、琴音さまが嘘を騙られていることは、すぐにご理解できたはずですが……」

蝋燭職人菊川「その通りですが、対抗して片想いだと名乗り出てしまうと、吸血鬼のターゲットになってしまいますよね……。自分としては、その……、もう少し長生きをして、ゲームに残っていたいな、と欲張ってしまったわけです」

令嬢琴音「ふふふっ、簡単にいえば、チキンだったってことね……」

小間使い葵子「それならば、投票の意思表示で、和弥さまではなく、琴音さまを指名なされば良かったのではないでしょうか?」

蝋燭職人菊川「初日の処刑投票の意思表示で和弥君に入れたのは、和弥君もそれなりに怪しいと感じたからです。もちろん、琴音さんが黒であることは確信しておりましたが、何も疑いをかけられていない琴音さんを下手に指名すれば、逆にみなさんから反感を買って、自分が使徒だと決めつけられないかと……、何といったらいいのか、その――、怖くてできませんでした。

 琴音さんが黒であることは、いずれ時を待って、堂々と宣言するつもりでした」

小間使い葵子「もう一つ、疑問がございます。二日目の投票では、最終的に鈴代さまが処刑されてしまいました。

 なぜ、菊川さまは、想い先である鈴代さまが選ばれそうになった時点で、彼女の弁護をなさらなかったのですか? わたくしには、そこが全く理解できません」

 菊川は、小間使いの質問に、もっともだという素振りで、小さくうなずいて、

蝋燭職人菊川「あの時の議事録を、もう一度、見返してください。確かに鈴代さんが処刑の有力候補でしたけど、議論の途中では、どちらかといえば葵子さんの方が、選ばれそうな雰囲気でしたよね。

 しかも、自分は和弥君に投票すると、口ではいっておりましたが、腹の中では、葵子さんに投票するつもりでいました。自分の寝返りの一票さえあれば、万が一にも、鈴代さんが選ばれることはない、と勝手に楽観しておりました。

 しかし、まさかあんな多くの票が、事前の宣言をひるがえして投じられるなんて――、全く予想できませんでした」

小間使い葵子「そうですか――。納得いたしました」

 葵子が引き下がると、今度は猫谷がしゃしゃり出た。

行商人猫谷「それにしてもなあ。まさかのまさか。菊川さんが自殺だったとはなあ。自慢じゃないけど、俺はちっとも気づかなかったぜ!」

 ひょうひょうとした猫谷のこの発言を聞いて、令嬢の眉がきっと吊り上った。

令嬢琴音「ちょっと待ってよ。猫さん――。あんた、鬼のくせに、菊川さんの死因に気づいとらんかったん?」

行商人猫谷「うん、全然……」と、猫谷は平然と答えた。

令嬢琴音「だって、うちら、二日目の晩は都夜子さんを感染させようってことで、そのように行動したやん! あんた、都夜子さんに噛みついたんでしょ?」と、令嬢が真っ赤な顔をして問い返した。

行商人猫谷「いや、その通りなんだけど……。菊川氏が死んだ理由が、実は、俺は理解できなかったんだ。

 あれれ? 確か、昨日は、未亡人を襲ったつもりだったけど、ひょっとして、間違って蝋燭師を襲っちゃったのかな、って感じで……、俺は半分パニック状態になっていたんだよ。いわゆる、半パニってやつだな。はっはっはっ――」

令嬢琴音「何が半パニよ。もう、呆れて言葉が出てこんわ。

 菊川さんの死が確認できるのは朝やから、その時刻には、うちらの秘密会話はできなくなっちゃうんよね。でも、猫さんは鬼やし、さすがに死因はすぐにわかると思ったんやけど……。あーっ、うちが甘かったわ……」と、令嬢がうなだれた。

行商人猫谷「いやいや、だからといっちゃあ何だが、半パニ状態になった俺さまは、勢い余って、天文家宣言をしちまったと……。まあ、これが事の真相なんだな」

書生和弥「でも琴音さんは、菊川さんの死因に気づいて見えたのですね。さすがです」と、僕は琴音をほめることで、間接的に猫谷に助け船を出した。すると、令嬢は嬉しそうにべらべらとしゃべり出した。

令嬢琴音「うちはね、菊川さんの正体がひょっとしたら片想いじゃあらへんかと、はなから疑っておったんよ。

 片想いの非告白を最後までせえへんかったんは、うちと菊川さんと大河内の三人よね。うちは鬼やから片想いじゃあらへんけど――、片想いは必ずどこかにいるはずやから、この二人のうちどちらかが片想いであろうと、うちは見当をつけたんね。

 でも、その後で大河内が探偵宣言をしたから、菊川さんが片想いだと確信したんよ。もしも大河内が片想いだったら、黒であるはずのうちをかばってまで、偽職業の宣言をするはずないもんね」

女将志乃「今にしてみれば、菊川さんは、あたしたち黒側にとっては絶好のタイミングで自殺してくれたのよね」

書生和弥「まさに、その通りでしたね。僕たちも完璧に騙されましたよ」

行商人猫谷「しかしなあ――、俺がいうのもなんだが、二日目の投票では、どうして小間使いじゃなくて、鈴代さんが選ばれてしまったのだろうね?」

女将志乃「そうよ。二日目の投票では、かなりの票が下馬評と異なっていたわ。

 ええと、確か……、事前の意思表示では、鈴代さんを推挙したのが、土方中尉に和弥さんと都夜子さんの三人で、それから、葵子さんを押したのが、あたしと猫谷さんと琴音お嬢さまの三人。さらに、鈴代さんと菊川さんの二人が、和弥さんを推挙していて、葵子さんは猫谷さんを押していたわよね。

 でも、実際に投票されたのは、鈴代さんが六票で、葵子さんが三票だったわ。

 じゃあ、みなさんには、あの時、誰に投票したのか白状してもらおうかしら。ちなみに、あたしは予定通り、葵子さんに入れたわよ」

令嬢琴音「うちも、嘘なんか吐かへんよ。小間使いに投票したわ」

蝋燭職人菊川「寝返って、葵子さんに投票しました。とにかく、自分は死にたくなかったから、想い先である鈴代さんが殺されては、困りますからね」

令嬢琴音「かといって、自分が片想いであることを告白する度胸はなかった、ってわけね」と、令嬢がくすくすと笑った。

蝋燭職人菊川「はい、そこで片想いの告白をすれば、夜になってから、鈴代さんが鬼に襲われることになりますから……、あの時点で、告白はできませんでした」

女将志乃「ちょっと待ってよ。これで、葵子さんに投じられた三票は、あたしとお嬢さまと菊川さんによるものだと決定したのよね?

 それじゃあ……、ちょっと、猫谷さん、どういうことよ?」

行商人猫谷「いや、その……、すいません。あの時、葵子さんを処刑できていれば、天文家も絶え、俺たちの楽勝だったみたいですね。いや、その時は、なんとなく、鈴代さんの発言があまりにもいいかげんだったので、まあ、早々に大人しくしてもらった方がいいかな、って思って……。つまり、その……、直前になって、投票先を変更してしまいました。いや、本当にすみません……」

令嬢琴音「んもー、ほんに猫さん、吸血鬼Kさまのくせに、頼りないんやから……」

行商人猫谷「あれ? 確か――、俺、あの時も同じことを訊かれて、事前の宣言をひっくり返して鈴代さんに投票したって、いいませんでしたか?」と、猫谷が自信なさそうに、女将に眼を向けた。

女将志乃「いったわよ……」

行商人猫谷「えー、だったら、ただ今のお叱りを、わたくしめが受ける理由は、ないように思えるんですが……?」

女将志乃「そんなことはねー、百も承知よ! ただ、ちょっと悔し紛れに、あなたをいじりたくなっただけじゃないの。本当に、細かいことばっかしこだわって――、ちっとも男らしくないわよ!」

 志乃に逆切れされて、猫谷はさらにたじたじとなった。それを見ていた小間使いが、申し訳なさそうに、発言をした。

小間使い葵子「わたくしは、予告に反して、鈴代さまに入れました。もちろん、わたくしが処刑されたくなかったからです」

書生和弥「さらに、僕と将校、都夜子さんが鈴代さんに投票したのだから、これで鈴代さんには、五票投じられたことになりますね。

 あれ? ちょっと待ってください! だとしたら、鈴代さん……? あなた、いったい、誰に投票したんですか?」

 計算が合わないので、僕は慌てて鈴代に訊ねた。

霊媒師鈴代「わたし自身に投票しました」

 鈴代の語り口は、いたって穏やかであった。

書生和弥「はあ? いったい、どういうことですか?」

霊媒師鈴代「わたしの役柄は、能力のない村人です。あの時の状況は、天文家がまだ告白してなかったので、もしも誤って天文家を処刑してしまうと、村側は厳しい戦いを強いられます。

 わたしはゲームにあまり慣れていないので、どうせ、生き残っていても、村側に大して貢献することはできないだろう、と最初から思っていました。だから、ここでわたしが処刑されれば、少なくても天文家を始めとする能力者を救うことができる。そう思って、みなさんから投票されるように、わざと乱暴な言葉で振る舞ったのです。

 特に、和弥さんには失礼な雑言をかけてしまって、申し訳なく思っています。まあ、わたしなりに、役を演じきり、会話を楽しませていただきましたけど……」

書生和弥「そうだったのですか? いや、僕が何か悪いことしたのかな?って……。まあ、結果的には、葵子さんを救ったし、鈴代さんの作戦は見事に成功しましたね」

令嬢琴音「そうかしら……。事態をもっとややこしくしたんとちゃうの? なにしろ、鈴代さんは、想われ先やったんやから」と、令嬢が皮肉を込めていった。

霊媒師鈴代「ふふふっ、確かに意外な結末でしたね。まさか、そこまでは考えが及ばなくて――、菊川さん、本当に申し訳ありませんでした」

蝋燭職人菊川「いやいや、もとをたどれば、自分がチキンハートであったことから生じた不始末。詫びたいのはこちらですよ」と、蝋燭職人が申し訳なさそうに答えた。 

行商人猫谷「まあ、ここまでは、俺たちの思惑通りに進行していたんだけどな」と、猫谷がいつものしたり顔に戻って、つぶやいた。

高椿子爵「ところで、わたしには、まだわからないことがあります。吸血鬼と使徒の間では、一切、秘密の会話は交わせません。使徒の志乃さんは、吸血鬼Kの正体が猫谷さんであることをゲーム初期からご存じであるわけですが、吸血鬼である猫谷さんと琴音お嬢さんは、どうやって、志乃さんの正体が使徒であることに気づかれたのですか?」

小間使い葵子「その通りです。どうして、探偵宣言をなされていた志乃さまが、四日目まで吸血鬼に襲われずに済んだのか? わたくしも、真相を知りとうございます」

 それを聞いた猫谷は、さも得意げに、満面の笑みを浮かべて語り出した。

行商人猫谷「実は、志乃さんから俺さまに、こっそりとメッセージが送られていたんだ。おそらく、誰にも気づかなかったと思うぜ」

書生和弥「えっ、どんなメッセージですか?」

行商人猫谷「それはだなあ。俺さまと志乃さんの間の、まさに、あうんの呼吸という奴なんだけどな……」と、猫谷がもったいぶっていると、

令嬢琴音「なに、いっとん。あのメッセージは、夜になってから、うちが教えてあげたんやないの? あの時、猫さんは、メッセージが送られていたことにさえ、気づいとらんかったんやから」と、琴音が説明した。

行商人猫谷「そんなー、ちょっとは俺にもかっこつけさせてくださいよー」

後家都夜子「わたしも全く気付きませんでした。ぜひ教えてください」

女将志乃「ふふっ、ほおずきのお話しよ」

書生和弥「ほおずき?」

女将志乃「あたしが、猫谷さんに向かって、初日に世間話をしたでしょ。ほおずきの実をあげましょう、って」

書生和弥「ああ、そういえば……」

令嬢琴音「女将さん、こういったんよ。ほおずきって、あたしみたいだわ、って」

書生和弥「それが、なにか……?」

 令嬢が、両手の掌を天井に向けて、呆れ顔でいった。

令嬢琴音「まあ、和弥さんにはわからんかもね……。うちら恋する乙女は、占いとか大好きなんよ。花言葉とかもたくさん知っとるわ」

書生和弥「すると……、ほおずきの花言葉が……何か?」

令嬢琴音「さすがに、うちもほおずきの花言葉までは知らんかったけど、唐突に女将さんがほおずきの話を持ち出したんで、ちょっと気になって、ほおずきをネットで調べてみたんよ。もちろん、花言葉も――。

 そしたら、ほおずきの花言葉ってね、『偽り』――、やったんよ!」

女将志乃「そうね。あの時は、他のみなさんには悟られずに、何とか猫谷さんに、自分が使徒であることを伝えられないかと、一生懸命考えていたの。まあ、ダメもとで、あたしはほおずきみたいだ、って打ち明けたんだけど……。それにしても、琴音さん、よく気づいてくれたわよねえ」

行商人猫谷「まあ、そういうわけで、初日の夜に、お嬢さんからの秘密会話で、志乃さんは使徒かもしれないから襲撃はやめましょう、と提案があったんだ」と、猫谷はすごすごと説明をした。

執事大河内「それで、初日はわたくしが襲われたのですか。全く、見事です」

令嬢琴音「そして、三日目の日中の女将さんの調査結果を聞いて、うちは女将さんが正真正銘の使徒であり、探偵を騙っていることに確信できたんよ」

女将志乃「吸血鬼側からしてみれば、バレバレよね。あたしの騙りなんて……」

令嬢琴音「ううん、女将さんの嘘は、ほんま見事やった。調査報告の時、菊川さんと猫さんの正体をただの村人やって断言したんは、なかなかできることやないと思うわ」

将校土方晃暉「こほん。ところで、余が三日目の晩に殺された理由をうかがいたい。お嬢さまは何故に余を襲ったのであろうか?」

令嬢琴音「だって、猫さんが処刑されちゃったんで、中尉さまを生かしておいたら、翌日、何を発言されるかわかったもんじゃないから。

 でも、結果的には、中尉さまの失血死のために、猫さんが嘘を吐いていることがばれちゃったわけだから、あれは失敗やったわね。

 あん時の最善は、小間使いを殺すことやった……。あー、うちの痛恨のミスやわー!」

行商人猫谷「そうでしょ。お嬢さまも、きちんとミスをなさっているじゃないですか」

令嬢琴音「あんたねー。もとはといえば、あんたの凡ミスのせいで――、うちは混乱してたんよ!」

行商人猫谷「いわゆる、半パニってやつでしょ。ははは……」

令嬢琴音「あんた、どういう楽観主義なん? 呆れて、ものがいえんわ」と、令嬢は、心底、猫谷に観念しきった様子であった。

 その後も、反省の論議は滞りなく続いたが、最後まで猫谷は、琴音と志乃から罵倒されまくっていた。


 七人もの犠牲者を出した、かの忌まわしい鬼夜叉村の難事件は、こうして幕を閉じた。

 吸血鬼に感染させられた西園寺都夜子は、一週間ほど高熱にうなされていたが、やがて意識を取り戻し、普通に生活が送れるまでに回復した。どうやら、感染主である吸血鬼が死んでしまえば、しばらく時を経ることで、正常な人間に戻れるということらしい。

 使徒であった柳原志乃も、時が経つとともに、正常な村人へと戻っていった。彼女の場合も、魅せられた吸血鬼の王である猫谷の死によって、目が覚めたということであろう。

 事件後、僕は七竈亭を手伝いながら三か月ほど鬼夜叉村に留まったが、やがて、東京に帰り、本来の学業に励むという選択を取った。

 こうして、僕は今、家庭を持ち、可愛い男女二児の父親になっている。あれからもう七年の歳月が流れていた。そして、読者のご想像の通り、僕の人生における心強き伴侶は、あの絶世の美女、西園寺都夜子なのである――!


 妄想の世界では、何を想像しようが個人の自由なのだ……。


 万年こたつの上に散らばった書物を押しのけ、わずかにできた隙間に、お気に入りのインスタントコーヒーを並々と注いだマグカップを置けば、準備は完了。

 こうして、今日も僕はパソコンのディスプレイに向かい、次回のゲームの参加者がそろうのを、ただひたすら待ち続けるのであった。


 長くつたない文章をお読みいただき、ありがとうございました。

 本編は、内容がかなりマニアックな設定となってしまい、複雑なゲームのルールの掌握など、読者の方には、余分なご負担を強いてしまい、申しわけなく思っております。ただ、メイントリックは、自分としては上出来だと思っています。このアイディアが、読者のみなさんに上手く伝わっていればと願って、後書きとさせていただきます。

 ご意見、ご感想がありましたら、ぜひお聞かせください。

 iris Gabe

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