六、俺と悪魔行列?
どうしましょう。。。
こんなに期間をあけてしまうとは…………(反省してます。本当に。。。)
こんなのでも楽しんでいただけると幸いです。。。
「あれ?」
気を失ったままの、体積が減ったチビ悪魔を抱え続ければ、あら不思議……
「って、帰ってきたのかよ」
「到着です」
俺のことを完全に無視して、羽は高度を下げて降りていく。
そこに広がるのは、むき出しの大地のみ。
そして、見えたのは……
「って、おいおいおい。何だあの行列は?」
羽が降りる先には、おかしな光景があった。
そう、オカシイ。
「なんで、悪魔の行列?」
「迎え?」
「なぜに、疑問形?」
ここは、ズバッと言いきって欲しかったよ!
って、違う。違う。
ここは、他のことを言って欲しかった……ん、だが。
待てよ。
迎えじゃなく、襲撃前とか。
決起集会とかの方が、ヤバイよな。
あ~、うん。
「迎えだよな。うん。迎え。迎え……」
じゃなきゃ、俺死ぬだろ。
だってさ~普段、お目にかかりたくない悪魔の大群ときたら、もう。
ごく普通の“一般人”の俺の心臓には悪過ぎる。
しかも、一心にこっちを見てくるとくれば、顔が引きつってどうしようもない。
高度が徐々に下がれば、ますますイヤな気分になってくる。
あいつらを統べる御仁と、あいつら悪魔の質はちょっと違う。
御仁の気質は“一般人”である俺をわかってくれている節があるのだ。
だからか、包み込まれるような安心感すら感じられる。
天の御仁方よりもむしろ柔らかい、と思えるときもあるぐらいだ。
一方、悪魔たちはそんなことは一切考えてくれない。
力を流しっぱなしで、気配が獰猛すぎる。
しかも高位悪魔も結構いるみたいで、離れていても肌がざわつく。
鳥肌が立つ腕をこすろうにも、チビ悪魔のせいで出来ないのが残念だ。
「いやだな」
悪魔の大群まであと少し。
もう、なんかみんなの顔が恐すぎ何ですけど……
泣いてもいいですか?
いや、本当に泣きたくなるんだけど。
ってか、おい!
「なんで、こんな悪魔行列の真ん中に降りようとするんだよ!」
「それが、大事」
「いや、なんでよ!」
「それが、大事?」
「なんで、疑問形にする」
「特に意味はない」
そんな不毛な会話を黒羽としている間にも地面は近づき、悪魔にも近づいていく。
そして、近づけば近づくほど悪魔独特の気配が充満して、正直きつい。
鳥肌はさっきから立ちっぱなしなんだけど、それとは別に、なんていうかな~。
苦手な奴の前にいる感じとか?
威圧感ある上司の前に立った時とか?
そんな微妙な緊張感もあるんだよな~。
そう、陰鬱な気分というか……
とにかく、イヤな気分になる。
もうちょっと、配慮してくれてもいいだろうと言いたくなるんだけど……
「ええっと……」
黒羽が、ゆっくりと悪魔たちのちょうど真ん中に降り立った。
「どうすんだよ、これ?」
俺は黒羽に乗ったままの状態。
そして、座っている俺の周りは全方位に立ち状態の悪魔たち。
立てない俺。
威圧的に睨んでくる悪魔たち。
「…………」
俺、今日が命日なのかな?
悪魔たちの目線から逃れるために見上げた空には、御仁が焼いてくれた魔怪鳥が悠々と気持ち良さげに羽を広げていた。
って、優雅に飛んでんじゃない!
また食っちまうぞ、こんちくしょう!!!
…………。
今、食われそうなのは俺だけどな!
もう、マジで泣きそうだよ。