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神様のお使い  作者: 花香
六ノ話
46/46

六、俺と悪魔行列?

どうしましょう。。。

こんなに期間をあけてしまうとは…………(反省してます。本当に。。。)


こんなのでも楽しんでいただけると幸いです。。。




「あれ?」


気を失ったままの、体積が減ったチビ悪魔を抱え続ければ、あら不思議……


「って、帰ってきたのかよ」


「到着です」


俺のことを完全に無視して、羽は高度を下げて降りていく。

そこに広がるのは、むき出しの大地のみ。

そして、見えたのは……


「って、おいおいおい。何だあの行列は?」


羽が降りる先には、おかしな光景があった。

そう、オカシイ。


「なんで、悪魔の行列?」


「迎え?」


「なぜに、疑問形?」


ここは、ズバッと言いきって欲しかったよ!


って、違う。違う。

ここは、他のことを言って欲しかった……ん、だが。

待てよ。


迎えじゃなく、襲撃前とか。

決起集会とかの方が、ヤバイよな。


あ~、うん。


「迎えだよな。うん。迎え。迎え……」


じゃなきゃ、俺死ぬだろ。


だってさ~普段、お目にかかりたくない悪魔の大群ときたら、もう。

ごく普通の“一般人”の俺の心臓には悪過ぎる。

しかも、一心にこっちを見てくるとくれば、顔が引きつってどうしようもない。


高度が徐々に下がれば、ますますイヤな気分になってくる。

あいつらを統べる御仁と、あいつら悪魔の質はちょっと違う。


御仁の気質は“一般人”である俺をわかってくれている節があるのだ。

だからか、包み込まれるような安心感すら感じられる。

天の御仁方よりもむしろ柔らかい、と思えるときもあるぐらいだ。


一方、悪魔たちはそんなことは一切考えてくれない。

力を流しっぱなしで、気配が獰猛すぎる。

しかも高位悪魔も結構いるみたいで、離れていても肌がざわつく。


鳥肌が立つ腕をこすろうにも、チビ悪魔のせいで出来ないのが残念だ。


「いやだな」


悪魔の大群まであと少し。

もう、なんかみんなの顔が恐すぎ何ですけど……


泣いてもいいですか?

いや、本当に泣きたくなるんだけど。

ってか、おい!


「なんで、こんな悪魔行列の真ん中に降りようとするんだよ!」


「それが、大事」


「いや、なんでよ!」


「それが、大事?」


「なんで、疑問形にする」


「特に意味はない」


そんな不毛な会話を黒羽としている間にも地面は近づき、悪魔にも近づいていく。

そして、近づけば近づくほど悪魔独特の気配が充満して、正直きつい。


鳥肌はさっきから立ちっぱなしなんだけど、それとは別に、なんていうかな~。

苦手な奴の前にいる感じとか?

威圧感ある上司の前に立った時とか?

そんな微妙な緊張感もあるんだよな~。

そう、陰鬱な気分というか……


とにかく、イヤな気分になる。

もうちょっと、配慮してくれてもいいだろうと言いたくなるんだけど……


「ええっと……」


黒羽が、ゆっくりと悪魔たちのちょうど真ん中に降り立った。


「どうすんだよ、これ?」


俺は黒羽に乗ったままの状態。

そして、座っている俺の周りは全方位に立ち状態の悪魔たち。


立てない俺。

威圧的に睨んでくる悪魔たち。


「…………」


俺、今日が命日なのかな?


悪魔たちの目線から逃れるために見上げた空には、御仁が焼いてくれた魔怪鳥(グリット)が悠々と気持ち良さげに羽を広げていた。


って、優雅に飛んでんじゃない!

また食っちまうぞ、こんちくしょう!!!


…………。


今、食われそうなのは俺だけどな!

もう、マジで泣きそうだよ。



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