表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/45

ステータス16:異変

 帰省2日目の朝、母に叩き起こされた俺はなぜか家の手伝いをやらされていた。俺は昼まで寝てたいと言ったが、せっかく帰って来たんだからちょっとはお母さんにも付き合ってよ、と言われ強引にいろいろとやらされたのだった。家の手伝いをしに帰って来たわけじゃないんだけど……まあ、それでお母さんが少しでも満足してくれるなら良いか。


 そうこうしているうちに出かける時間になり、俺は紗良と一緒に明梨の家へ向かった。明梨の家に着いてチャイムを鳴らすと準備万端と言った感じですぐに明梨が出てきた。


「おはよう、明梨」

「明梨ちゃん、おはよー。久しぶりだね!」

「おはよう2人とも。紗良ちゃんとはお久しぶりだね。積もる話もあるけど、それはお昼ごはんを食べながらにしよっか?」

「だな。そう言えば紗良、どこに行くかはもう決めてるんだよな?」

「フッフッフッ……それは着いてからのお楽しみ」


 紗良は不敵な笑みを浮かべて俺達を(いざな)った。紗良の案内で駅の方向へと歩いていく俺と明梨。そして、紗良が立ち止まった先に2人が見たものは……!


「……って、駅前のファミレスかよ!」

「そだよー。いろんなメニューあるし、ドリンクバーもあるし、いいっしょ」

「ま……まあ、ここなら話もしやすいしいいか」

「我々3人の会談にはうってつけかと」


 そう言って紗良は俺と明梨をエスコートするようにファミレスに入っていった。ファミレスでは俺と紗良が横に座り、向かい側の席に明梨が座った。俺と紗良は目玉焼きハンバーグ定食、明梨はカツカレーを注文した。もちろん全員ドリンクバーセットで。そして、全員が注文した料理が揃い、本格的に3者会談が始まったのだった。


「―――それにしても、紗良ちゃん大きくなったね。こうやってしっかり話すのは4年ぶりくらいだし、無理もないか」

「明梨ちゃんこそ、すっごく大人っぽくなってて驚いた! 小学校の頃はよく男子と間違われてたのに、今じゃそんなの全然想像つかないね」

「アハハッ、そう言えばそうだったね。でも、中身は全然変わってないよ。女の子らしい服装も髪型も周りに合わせてって感じだし」

「そうなんだー。あ、そうだ! 私この前、溜まったスキルポイントで化粧スキル覚えたんだー。まだレベル1だけど、スキル使えば私もちょっとは大人っぽく見えるかな?」

「化粧スキルなんてまだ早いよー。私もまだ覚えてないのに。それよりファッションスキルとか覚えておいた方が役に立つと思うよ」

「そっかー。まあレベル1だし、そんなにスキルポイントも消費してないからいっか」


 いやいや、ちょっと待て。スキルポイントを消費してスキルを覚える? 昨日の電車で明梨、ポイントを消費して能力値を上げたりスキルを覚えたりはできないって言ってたじゃんか。あれは嘘だったの? いや、ステータスオープンの件を知ってる明梨が俺にそのことで嘘をつくはずないよな……。


「えっと、2人ともポイント使ってスキル覚えるとか、そんなゲームじゃあるまいし何言ってるのさ」

「崇兄こそ何言ってんの? それじゃ、どうやってスキル覚えるのさ」

「え、いや……練習したり、とか?」

「そんなことでスキル覚えられたら誰も苦労しないよ。そりゃ練習は必要だけど、それはスキルを上手に使うためでしょ?」


 ここで何かを察した明梨が俺の足を軽く蹴った後、目で合図を送ってきた。


「崇行、ちょっと疲れてるのよ。この話題はもう止めにしておきましょう。紗良ちゃんも勘弁してあげてね」

「そう言えば、昨日家に着くなり寝ちゃってたもんね。崇兄、もっと体力つけなきゃダメだよ」


 その後は昔の話をしたり、今の学校の話をしたりで盛り上がり、あっという間に時間は過ぎていった。ドリンクバーのあるファミレスを選んだ紗良の判断は正解だったな。なんというか、何も考えていないようでしっかり的を射た選択をする、そんな不思議なやつなんだよな、紗良は。


 まだまだ話し続けられそうだったけれど、そろそろ電車の時間になってしまったので俺達は会計を済ませて紗良と別れ、駅へと向かった。しかし、気になるのはスキルの話だ。明梨の昨日の説明とは明らかに食い違ってる。嘘をついてたとも思えないし……。


「明梨、さっきのスキルの件、後でちゃんと説明してくれよ」

「分かってる。電車に乗ってから話しましょう」


 責めているような言い方になってしまい後悔する俺。もうちょっと柔らかい言い方にするとか、明るい感じで言うとかあったろうに……。少し話しにくい空気になってしまった俺達2人は、ほとんど言葉も交わさずに駅までの道を歩き、そのまま帰りの電車に乗ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ