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第12話 施設開園! 奮闘! 繁盛! 大成功!

 前回のあらすじ。

 悪魔と契約してマサルランドを作ります。




「さぁ、会議を始めよう」


 

 金の為、命の為、俺達は一大エンターテインメント施設を作ることにした。

 雰囲気のためアンユに悪魔的な会議室を作ってもらい、冒険者が楽しめるダンジョンの企画会議を始めることにする。




「はい!」

「どうぞ、ユリヤ君」


「お花畑と森で安らぎの空間を作るのがいいと思います!」


 

 流石エルフのユリヤだ、自信ありげに頭パッパラパーなことを言いやがる。



「どうやって金取るんだよ馬鹿、次!」

 

「私を讃える教会を作って信者から金をむしり取りましょう!」



 どうだと言わんばかりにドヤ顔で言うカヤノ。

 女神が悪魔に教会を作らせるのか? こいつの倫理観はどうなってんだ。



「悪魔に作らせてどうすんだ馬鹿、次ぃ!」


「人を攫って拷問器具にかけるのはどうだろうか、心地よい音楽は重要だろう?」



 名案だ! と目の前で早速おぞましい拷問器具が作り出す。



「誰もこねぇわ! やめろ馬鹿!」







 会議はとても難航した。

 アンユが好む喜びは抑圧された状態から開放。

 大きな達成感からくる爆発的な歓喜の感情を望んでるらしく、それを満たした上で金を稼ぐとなると非常に難しい案件なのだ。



「う〜〜〜〜ん……」


「お弁当たべませんか?」

「あら、美味しいわね!」

「その喜びの感情、グッドである」



 1時間以上アイデアを出し合ったものの、納得できるものがでず、もはや真剣に考えているのは俺一人だった。






「お、これウメーな」

「あそこのオバサンの料理の腕はピカイチよね!」

「お野菜が新鮮でエルフの私も大満足です!」

「その感情、美味である」



 もはや当人のアンユでさえ会議を放棄しはじめ、ただのお茶会のようになり世間話に花を咲かせ始めた。




「そういえばなんでダンジョンなんか作ったんだ?」

「何が起こるかわからないドキドキ感、宝を期待するワクワク感、人間というものはそれが好きなんだろう?」


「あ、それわかりますねぇ、私がパーティー組んでたといもよくそんな話をしてました!」

「人間てのは非日常が好きだものね」


「あ〜、わかるわ俺嫌いなのについホラーとか見ちゃうもん」




 そんな話をしていると唐突にひらめいた。

 ドキドキ、ワクワク、集客のために適度な難易度で命の危険がない。



「リアル脱出ゲームだ」

「む? なんだねそれは」



 ここがファンタジーの世界だから全く思いつかなかったが、これこそ条件を満たしているのではないか。

 

 仲間と協力や謎を説いたり簡単なアスレチックがあったりと手軽に非日常を楽しめることで、俺が元いた世界では人気の体感型ゲームだ。



「しかしそれは普通のダンジョンとは何が違うのだ?」



 確かにその通り。

 魔物が普通にいて魔法と剣の世界でそんな偽物のお遊びなぞ必要ないと思うかもしれない。


 だがこの世界の人間全てが魔法を使い剣を操れる訳じゃない、ギルドで働いている受付のお姉さんのように仕事をしてお金を稼いでる人がいる。

 能力のなさから冒険者を諦めたものもいる。

 家庭を持って危険な事ができなくなった人たちもいるだろう。

 

 むしろこの世界だからこそ命の危険もなく手軽に非日常を楽しめるものが求められているはずだ!




「ふむ、それならば人間の数が減ることも無い上うまく行けば何度でも挑戦してもらえるだろうな」


「不可思議のダンジョンなら飽きも来ないだろうしね、いい案じゃない!」


「じゃあエルフをテーマにしたものも作れますね!」



 

 

 ようやく決まった! 

 それから俺達は更に会議を勧め次々とアイデアを出し、ダンジョンの原案を生み出していった。


 ダンジョンの作りは主であるアンユが幾らでも変更できる。

 

 ただの村人でも戦えるように理を作り、スタッフはアンデッドマスターのブゥルドとアンデッド達で適度な緊張感を演出し最後にはアンユがボスとして登場するなどしてクライマックスを作る。

 


「吾輩は貴様らに会えてよかったと思っているぞ! 吾輩の望みが今、完成しようとしている!」



 アンユのテンションも爆上がりで俺達は釣られて時間も忘れて作業に没頭した。





「謎掛けは任せてもらおう」



 女神のコネでスフィンクスを雇い

謎解きと受付兼守護者もお願いする。


 最後にロケハンを繰り返し修正していき、遂にファンタジー世界における最高のリアル脱出ゲームが完成したのである!



「吾輩感無量!」


 アンユ謎のポーズをつけながら涙をキラリと光らせる。

 長年の夢が叶った瞬間なのだろう、その様子に俺達も少し目頭が熱くなった。



「じゃあ俺達は宣伝してくるからな、後は頑張れよ! あと金もよろしく」




 こうして悪魔、アンユの夢見る一大エンターテインメント施設は完成し、それは後の大人気観光地となったのだった。



「いや〜よかったな! まさかこんなことになるなんて思わなかったが楽しかったよ!」

「この世界の女神が関わってるのよ、大繁盛間違いなしだわ!」


「ワタシも頑張りましたよ! ……………そういえばワタシ達何しにダンジョンいったんでしたっけ?」



「「あっ」」




 その後俺達はアンユから金を振り込まれるようになるまでひたすら地道なアルバイトをして食いつないだ。

 


「いらっましゃいませー!」




 最強の男、マサル

 

 残り寿命、4年10ヶ月

 命の負債、《1万年》



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