Class SS
15年間の訓練。特に何も変わったことはなかったけど、順調に進んできたと思う。
今は19歳になって、相変わらずバカみたいに走り続けてる。
自分のSpecは完全に使いこなせてるって言っていいと思う。
コーチも引退して、俺はもうすぐ寮を出る。あと2週間でここを離れるらしい。
それで、新しいクラスに入ることになった。「クラスSS」ってやつだ。
結構人数もいるらしいけど、先生は1人だけ。
てか、この学院ってなんでこんなに全部変なんだよ。
どうやら名前はランクで決まるらしい。
ランクはDからSまであって…俺はSらしい。正直、自分ではそう思えないけどな。
あとSの上に「ランクX」っていう特別なランクがある。
このランクXってやつ、ただの肩書きじゃなくて、ちゃんとした“恩恵”があるらしい。
まず、かなり強いSpecが必要で、さらに“特別な目”を手に入れる。
ほとんどのランクXはそれを持ってるけど、例外も少しだけいるらしい。
つまりランクはこうだ。
D、C、B、A、S、そしてX。
それとは別に、Specにもランクがある。
これは強さとレア度で決まるらしい。
俺が10歳の時に気づいたことがある。
それを知った時、かなり落ち込んだ。
赤ん坊の頃にSpecを得た時、
俺の魂はSpecの魂に“置き換えられた”らしい。
つまり、これって本当に俺なのか?
考え方は俺のままだけど、これはもう“俺じゃない”のかもしれない。
…それは日記の224ページに書いてあった。
今思えば、あんまり深く考えすぎるべきじゃなかったのかもしれない。
112ページをめくると、Specのランクが書いてあった。
一番下は「Common」
最初は自分もこれだと思ってた。
次が「Irregular Spec」
74年前の“Akiro Mitsuki”って人が分類したらしい。
その次が「Primal Spec」
なんでこれを書いたのかは覚えてないけど、
俺はその一つ上だった。
「Divine Spec」
正直、自分がこれだって知った時はかなり驚いた。
でもスキャン結果がそうだったんだから仕方ない。
ちょっとカッコいいよな。
その上が「Celestial Spec」
ここから一気にレベルが違う。
複数の能力を持てるようになるらしい。
…昔はここに行けるかもって思って、ちょっと調子乗ってた。
その次が「Cataclysmic Spec」
ここからはもう別次元って感じだ。
そして最後が「Calamity Spec」
これはほとんど存在しないレベルのレアさ。
“Khaleos Achilies”って人が最初の保持者だったらしい。
29歳で亡くなったって聞いた。病気だったとか。
養子の娘がいて、7年しか一緒にいられなかったらしい。
その子は今、「APEX」って組織の共同リーダーになってる。
しかも同じくCalamity Spec持ち。
でも能力の詳細はどこにも載ってない。
これが全部のSpecランクだ。
正直、ずっと興味があったわけじゃないけど…
自分の人生が何なのか、理解しようとしてただけだ。
⸻
数時間後。
黒いスーツの男がドアの外から俺の名前を呼んだ。
俺は服を着て、髪を整えて外に出た。
「俺はShinroku Hiko。クラスSSの生徒の一人だ。案内するからついて来い」
そう言って歩き出した。
そのままついていったら、いきなり横から誰かに驚かされた。
反射的に目を閉じた。
そいつは俺の背中を掴んで言った。
「Kisaragiだ。Rinって呼べ。お前、顔キモいな。落ちればよかったのに」
…意味わかんねえ奴だな。
正直、今すぐでも倒せそうだけど、やめといた。
Rinが後ろについてきて、俺はHikoの後ろを歩く。
Hikoは…まあ普通に前歩いてるだけだけど。
教室に着いた。1階だった。
そして気づいた。
ここ、前に俺がクローゼットで寝てた教室じゃん。
Hikoが言うには、前の生徒たちは事故で全員死んだらしい。
普通そんなこと言うか?
まあいいやと思って、自分の席に座った。
名前と番号「7」が書いてあった。
昔から7って縁起いいと思ってたんだよな。
ちょっとはいいことあるかもな。
で、そのRinが隣に座った。最悪だ。
もう一人、長いストレートの髪で腕に電球のタトゥー入れてるやつがいた。
そいつが言った。
「他のやつらもすぐ来る」
教室を見渡すと、ちょっと変な作りだった。
6段くらいの段差があって、それぞれに席が2つずつある感じ。
変だけど…まあ嫌いじゃない。




