68.
神父「森羅万象の神々よ、天に坐わす女神よ」
神父「この者の魂を安らかに引き取り給え……」
神父「聖地ガルゴンに生を受け、その生涯を勇者に尽くし――」
神父「時に厳しく」
神父「時に優しく」
神父「その行く末を勇気にて護った――」
神父「誇り高き高潔なる魂を、どうか引き取り給え……」
神父「……僧侶様、祈りを」
僧侶「……はい」
僧侶「聖なる力を以て」
僧侶「安らぎの地へ昇らん事を」
僧侶「聖女の名において、誓います」
僧侶「どうか」
僧侶「ゆっくり、お休みください……」
僧侶「……。」
神父「ありがとうございます」
神父「――それでは、最後のお別れです」
神父「これより後は、聖なるものへと変わります」
神父「我らがお目通りできる俗世界の、最後のお姿です」
勇者「……。」
魔法使い「……。」
僧侶「…………。」
神父「――よろしいですか」
神父「では、棺を閉じさせていただきます――」
勇者「……。」
神父「魂の居場所を示すには、聖灰を燃やす必要があります」
神父「そのお姿を灰へと変え、神々に見つけてもらうのです……」
神父「……魔法使い様、端緒の炎を」
魔法使い「……。」
魔法使い「……ファイア」
神父「――ありがとうございます」
神父「この熱は命の輝き、この煙は生きた証でございます」
神父「……煙が消え、安息の地へと旅立たれました」
神父「ここに残りしは、故人が必要としなかったものです」
神父「天界に拒絶されたもの……これは、柵を断つために」
神父「故人の武器で、壊す必要があります」
神父「……勇者様。お願いします」
勇者「……。」
勇者「――フラッシュアックス」
神父「……ありがとうございます」
神父「これにて、昇天の儀は全て終了となります」
神父「――最後に、祈祷を捧げましょう」
勇者「……。」
魔法使い「……。」
僧侶「…………。」
神父「ありがとうございました」
死まで、あと33日




